【朝刊】EC業界のNews1日をまとめて振り返り(3月8日版)
昨日3月7日の注目Newsはこれ
EC業界で今日も頑張るあなたの一日のスタートに。
昨日の注目ニュースを振り返り、日々の変化を要チェック。
体験してみた!写真で自動採寸、アパレルECの新常識
http://ecnomikata.com/ecnews/strategy/8235/
パンツサイズは100種類!ニッセンから新商品誕生!
http://ecnomikata.com/ecnews/strategy/8245/
【速報】DeNAショップ大賞!今期施策を説明。南場氏登場
http://ecnomikata.com/ecnews/build/8239/
【速報】約2万店の頂点へ!Eストアーネットショップ大賞①
http://ecnomikata.com/ecnews/strategy/8244/
EC店舗でも試着、オーダーメイドが可能に
これまで、アパレルのEC市場における大きな弱点といえば「試着ができない」ということだった。しかし今、この弱点を克服するサービスが登場し始めている。
フレックスジャパン株式会社が運営する軽井沢シャツのオンラインショップでは、「自動採寸サービス」を開始した。このサービスは、指定された条件に従って2枚の写真を撮り、必要情報と共に送るだけで、採寸結果が届き、その結果を元にサイズオーダーワイシャツを注文できるというものだ。撮影はスマホでもOK。実際にこのサービスを利用してみたところ、本当に思い立ってすぐ撮影、簡単に採寸結果が届き、首回りなど細かな箇所も正確な測定結果が出ていた。続いて採寸結果を元にしたシャツをオーダー中なので、商品が届き次第続報にてお知らせする予定だ。
また、女性向けのアパレルブランドとして、株式会社ニッセンが2001年に開始した、L~10Lというラージサイズを扱うオシャレブランドのパイオニア的存在、SMILELAND(スマイルランド)の商品展開も特徴的だ。このブランドが先月下旬よりネット限定で販売を開始したのが、セミオーダー感覚で選べる100サイズ展開のパンツ。これまでに蓄積してきた体型データを再分析し、ボトム体型をさらに細分化、「ウエストはぴったりなのに太ももがゆるい……」というような、サイズだけでなく体型の悩みにもセミオーダー感覚で対応する商品を揃えた。
これらのサービスの登場によって、「ネットは試着できない」というアパレルECの常識が覆りつつある。確かに、実店舗と全く同じようにネット上で試着を行うことはできないが、それに代わるサービスを提供することはできる。むしろ、既製品の中から選ばないといけない実店舗に比べて、EC店舗は、よりパーソナライズした商品を提供することが可能なのだ。EC市場の中でもアパレル業界は流行に敏感だ。こういったサービスが消費者に受け入れられるようであれば、すぐにスタンダードとなって行くだろうし、その可能性は高いように思う。
授賞式、続々開催!2015年に伸びた店舗は?
先月から今月にかけて、楽天市場、Yahoo!ショッピングと、2015年、優れた実績を上げたEC店舗を表彰する授賞式が続いている。先週末は、3月4日(金)にDeNAショッピングフォーラム2016、また3月6日(日)にネットショップ大賞2015GRANDPRIXと、2つの授賞式が開催された。
株式会社ディー・エヌ・エーは運営するDeNAショッピングモールは、2015年、DeNAらしさ、感度の高さを強調してきた。その結果、特集経由での流通が昨年比250%成長、ファッションコーデが10カ月で800%の成長など、大きな結果を残してきた。2016年も、商品の拡充、独自の商品企画を展開していく予定だ。また、クーポン機能など自社ツールの拡大、同社の強みであるau決裁圏でより便利に使える決済の導入に加え、キュレーションメディアをはじめ競合モールにはない他社との積極的な連携も展開している。
さらにこの日は、DeNA創業者である南場智子さんも登壇した。お話の中で印象的だったのが、AI(人工知能)のECでの具現化の可能性についてだ。DeNAが大切にしているのは「人のぬくもり」だと言える。だから、機械的に店舗を並べる、価格だけを競うのではなく、それぞれの商品にこもった想いを伝えられる企画、サービスを展開してきた。それがAIの話にもつながっていく。競合モールに比べて、単純な規模では後を追う立場にあるDeNAだが、今後は、そういった競争とはまた違う、DeNAらしい軸を作ってくれることが期待される。
株式会社Eストアー主催のネットショップ大賞2015GRANDPRIX(以下、ネットショップ大賞)では、代表取締役の石村賢一氏が登壇し、ECにおける「モノではなくコト」の重要性、単なるモノの売買ではないお客様を思いやる気持ち、「Web接客」を強調した。その取り組みの一環として、Eストアーを利用する日本全国のショップを訪問し、魅力を伝える「全国キャラバン」の企画も行っている。今回の授賞式では、そのアシスタントを務めてきたモデルの安枝瞳さんからもお話を伺い、消費者の声に近い視点での取り組みを感じることができた。
Eストアー利用店舗の特徴は、独自ドメインでのECサイト運営で、店舗の独自性を出しやすいということだろう。受賞店舗の顔ぶれも、他モールの授賞式では重複する店舗も多い中、ネットショップ大賞では、ここだけの、個性の光る店舗が揃っている。モールも独自ドメインも、それぞれに利点があるが、Eストアーの重視するところを実現するには、今回の授賞式のような個性派の店舗が、その個性をどんどん伸ばして、お客様に伝えていくことが必要だし、そのための取り組みをEストアーは着実に行っていると言える。
楽天、ヤフー、DeNA、Eストアーと、授賞式の様子を続けて見てみると、各モール、各店舗において、規模の大小とは別に、それぞれの道に進みつつあることが分かる。 ECという存在が日常的になった今、ただ先を競うだけでなく、利用者のニーズに応じた差別化へと、次の段階に入っているのだと思う。だからこそ、EC店舗は、ただ出店すれば良いということではなく、自身の商品、やりたい事に最も適する場を選ぶことが、今まで以上に求められてくるだろう。