Google検索、右カラム広告廃止から半月後の影響

ECのミカタ編集部

少し前のニュースになるが、先月下旬、Googleが検索結果における右カラムの廃止を発表した。このニュース自体は広く拡散されていたのでご存知の方も多いとは思うが、その影響が、開始から半月以上が経ち、目に見える形で表れてきているようだ。

Google検索、右カラム広告廃止の経緯

 まず、右カラム廃止の詳細を振り返ってみよう。Google検索の際に表示される広告は、上部、右カラム、下部の3箇所があったが、この右カラムが廃止され、それまで右カラムにあった広告は下部へ移動、そして上部にはこれまで3つの広告が入るようになっていたが、需要の高い商業検索クエリは枠が1つ追加され4つの広告が入るようになった。該当するクエリとしては、保険、転職、キャッシング、旅行が例にあげられている。また、SEO対策、不動産などもあてはまるようだ。

 Googleはこの施策について、モバイル検索が標準となった時代にあって、デバイスを問わない一貫した検索結果を表示するためと説明している。だがECに関わる人間の間では、そもそも右カラムのテキスト広告のクリック率が低下していたこと、上部の広告を狙わずに右カラム上位を狙うことで広告費を抑えようとするEC事業者を排する目的もあるのではないかといわれていた。実は、発表前から、この廃止を前提としたテストは何度か行われていたようだ。

広告順位変動による売上への影響

 右カラムの廃止から半月が経った今、実際にどのような影響があったのだろうか。右カラムと下部の表示とは、広告効果にかなりの差がある。そのため、何とかして上部の広告に入ろうとする企業が増えることで、当初、広告費の高騰や、リスティング広告からSEO対策への比重の変化が予想されていた。
 
 結果として、半月ではそこまで明確な効果は表れていないが、今まで右カラムに広告を入れていた企業では、問い合わせや注文件数の減少が感じられるようになってきている。思い当たる節のある企業は、自社の広告が今どう表示されているのか、今一度確認すべきだろう。そしてそうなるとやはり、今後は広告により予算をかけるか、SEO対策を強化するか、何か代わりとなる施策が必要になってくる。影響は、じわじわと広がっていくのではないだろうか。

Google検索で優位に立つために

 今回はリスティング広告が直接的な影響を受けているが、SEOにしろ何にしろ、1つの施策に偏る体制というのは危険だ。特に検索に絡むところでは、その仕組みがいつどう変わるか分からない。だから取り組まないというのではなく、世の中のトレンドは追いつつも、売上を上げるための柱はいくつか持っておくことが重要だ。

 また、EC事業者にとっては、今回の変更は少なからず打撃となるものだが、エンドユーザーに対しては、Googleの使命として掲げられている「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を体現していることになる。実際に、右カラムで広告は廃止されるが、ナレッジパネルなどは積極的に表示されている。

 これらのことから分かるのは、Google検索において絶対のノウハウはないが、ユーザーにとって真に有益であることは何かを考えれば、比較的優位な地位を保てるということだ。目先の流行や利益よりも、本質的に自社がどうあるべきか、そこを考えることが重要だろう。


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