特別企画:モールは通販に何をもたらした?【Yahoo!ショッピング編】

ECのミカタ編集部

EC店舗を運営しようと考えたときに必ず出会う「ショッピングモール(以下、モール)」という言葉。そんな「モール」について、あなたはどれくらい説明できますか?意外と知っているようで、知らないのでは。初心者には理解を、熟練者には気づきを、得られる特別企画をご用意しました。

特別企画:「ショッピングモール」レジュメ
・モールは通販に何をもたらした?【成り立ち】http://bit.ly/1px1TVn
・モールは通販に何をもたらした?【Yahoo!ショッピング編】
・モールは通販に何をもたらした?【楽天市場編】https://goo.gl/imnDBC
・モールは通販に何をもたらした?【Amazon編】https://goo.gl/jp42Ru

今回は【Yahoo!ショッピング編】。ヤフー株式会社 ショッピングカンパニー 営業本部 本部長の畑中基さん、スタートアップ営業部 部長の庄司 正弘さんにお話を伺いました。

(企画/石郷 “145“マナブ 文/河村 郁恵)

Yahoo!ショッピングの特徴

 Yahoo!ショッピングの特徴の一番は、「出店料無料」というハードルの低さだ。これは、2013年10月に発表された「eコマース革命宣言」によるものだ。この革命により、当時約2万だったYahoo!ショッピングの店舗数は、2016年に入った頃には約38万店舗にまで増加した。

 出店料が無料になった分は、商品価格やポイントに反映されている。Yahoo!ショッピングにおける最安値価格というのは、他モールに比べても、引けをとらない。その結果、売上が上がり、きちんと利益も出る。ここが重要だ。売上高は大事な要素だが、赤字になっては意味がない。きちんと利益を出すことが、事業を継続するためには必要だ。

 また、無料だから「売りたいときだけ売る」ということもできる。どういうことかというと、特に一次産業で、たとえばリンゴの農家さんなど、商品を販売できる時期が限られている場合、商品がある時期だけ売るということができる。商品がない時期でも、店舗運営のコストがかからないので、出店しやすくなるのだ。

 出店料無料というハードルの低さ、利点を受けて、Yahoo!ショッピングには、他モールには出店していない、新規出店が多い。そういったスタートアップの店舗、さらにその前の出店しようか迷っている人、そんな人をサポートするために、ヤフーでは出店セミナーを開催している。北は稚内から南は石垣島まで全国津々浦々で開催し、2016年3月には1000回目を迎えた。

スタートアップから成長への道のり

 実際にYahoo!ショッピングに出店した場合、まず目指すべきところはどこなのだろうか。商材によっても異なってくるが、出店から3ヶ月以内に月商10万円を突破するというのが、成長路線に乗るための一つのキーだそうだ。立ち上がり期にいかに早く成長路線に乗るかというのが大事で、3ヶ月でなくとも10万円というのは一つの基準になるそうだ。

 では、成長路線に乗るためには何をすれば良いのだろうか。Yahoo!ショッピングが出店店舗におすすめしているのは、まず一つ、ヒット商品を作ることだという。まずは、お客様に認知、購入してもらうことに特化し、ヒット商品を軸にして他の商品へと展開していく。品揃えについては、たとえば前述のリンゴなど、独自性のある商品であればそれほど商品点数が多くなくても良く、数十点程度、同じ商品でも贈答用やまとめ買い用などパッケージを組むこともできる。

 お客様の認知拡大のためにまずすべきは、商品とページの磨き込みだという。Yahoo!ショッピングの出店には、「プロフェッショナル出店」と「ライト出店」があり、本格的な店舗、将来的に月商100万円以上を目指すなら、プロフェッショナル出店が適している。このプランでは、店舗構築から受注、配送、請求、分析など、店舗運営に必要な作業を全てツールで提供し、マニュアルや、売上アップのためのノウハウ、イベント情報も提供している。直接問い合わせができるサポートもつく。

 商品とページを磨き込んだ上で、さらに売上を伸ばすためには、広告も有効な手段だ。特に、開店から間もない店舗向けに「開店記念広告」というものがあり、2週間掲載で3万円から利用できるそうだ。この広告を出すことで、どのくらいのお客様がどのような推移をするのかを見ながら、価格設定やページを改善していくことできる。

 広告の他には、キャンペーンやセールなど企画との連動も、効果的だ。特に毎月4回ある「5のつく日」のセールは大きな山になるそうだ。Yahoo!ショッピングでは2015年よりキャンペーンやセールなど、企画に力を入れている。そこに乗って、ポイントアップや価格調整、バナー広告、在庫補充などをすることで、コンバージョンアップ、売上アップにつながるという。

独自ドメイン、他モールとの違い

 Yahoo!ショッピングが、他モール、また独自ドメインの店舗と違うところは何だろうか。それは、冒頭でお伝えした「無料」ということもそうだし、ニュースや検索など、さまざまな媒体を持っており、出店しただけで積極的に露出される、集客力がベースにあり、そこからの送客が強いというのが大きな違いだという。独自ドメインの場合、集客のためにはSEO対策、広告などかなりのコストをかけないといけない。他モールに比べても、ヤフーの媒体力は特徴的なところだろう。

 また、ヤフーの伸び代として、ヤフープレミアム会員の存在がある。2015年3月より、プレミアム会員がYahoo!ショッピングで買い物をする際には、常時5%のTポイントがつくようになった。もともとプレミアム会員はヤフーに対する信頼があり、ネット通販での買い物に慣れている。そのため、非会員に比べて、リピート率と単価があるという。

 Yahoo!ショッピングには現在約38万店舗が出店し、商品点数は約2億点に達しているが、まだまだ成長を志し、店舗数は100万店舗を目標にしているそうだ。店舗数だけでなく、お客様が安心して買い物をできるように、店舗の質の維持というところにも引き続き力を入れていく方針だ。

つまり、Yahoo!ショッピングとは

 世の中にないものはない。これがYahoo!ショッピングの根本にある。埋もれているもの、誰かがほしがっているもの、そこに新たな価値を生み出す。Yahoo!ショッピングは、プラットフォーマー的存在だ。無料で場を提供し、そこへの集客はヤフーが担う。だから、EC店舗運営がはじめての人でも、地方からでも、チャンスがある。勢いのある場、人の集まる場で、商品の可能性を試してみたい、そんな人にはYahoo!ショッピングがぴったりだと言えるだろう。

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