「GMO後払い」導入事例【メガネスーパー編】
お客様にとって最適なショッピングとは何かを問い続け、成長してきた株式会社メガネスーパー。その特徴として、ECと実店舗だけでなくDMやLINEなどのあらゆる顧客接点を融合するオムニチャネル化を積極的に推進していることがあげられます。その中でなぜ「GMO後払い」が選ばれたのか。同社のEC事業を担う川添 隆氏と村山らむねさんの対談より「GMO後払い」導入の背景や効果などをご紹介します。
【「GMO後払い」導入事例シリーズ】
サダ・マーチャンダイジングリプリゼンタティブ(鎌倉シャツ)編
https://www.ecnomikata.com/original_news/11830/
アデランス編
https://www.ecnomikata.com/original_news/11897/
三越伊勢丹(法人外商事業部)編
https://www.ecnomikata.com/original_news/11900/
EC市場で高まる後払い決済のニーズ
村山:EC市場の拡大と共にお客様のニーズは多様化する傾向にあります。商品を受け取った後にコンビニなどで支払いができる「後払い決済」もそうした状況に応えるサービスだと思います。川添さん自身、決済方法におけるニーズの多様化を感じられることはありますか?
川添:弊社が後払い決済を導入したのもそうしたお客様のニーズの多様化に応えるためでした。例えば、初めて利用するEC店舗ではクレジットカードを使いたくないという方が多い傾向にあります。初めてではなくても、セキュリティ面の不安からそもそもクレジットカードを使いたくないという方もいらっしゃいます。また若年層ではクレジットカードの所有率が低い傾向もあります。代わりに代金引換を利用される方もいらっしゃいますが、代金引換は在宅していないと商品を受け取ることができないというデメリットがあります。
村山:現代は日中自宅を留守にされている方も多いですよね。そういったライフスタイルの変化もニーズの多様化につながっていると思います。後払い決済はその変化に対応できる新しい決済方法なんですね。実際に御社が「GMO後払い」を導入されたのはいつ頃ですか?
川添:2013年12月にサイトをリニューアルし、翌年の春頃に後払い決済を導入しました。実は以前にも後払い決済の導入を検討したことがあったのですが、その時はまだ認知度が低く、導入には至りませんでした。その後しばらく経ってから、後払い決済を導入した他社の事例を聞く機会がありました。その時お聞きしたのは女性向けアパレルECサイトのお話でしたが、若年層に限らず40代の方でも後払い決済の利用が多いとのことでした。以前と比べて後払い決済の認知度が上がっていることを感じ、改めて後払い決済の導入を検討し始めました。
後払い決済サービスの選び方
村山:私自身もネット通販でクレジットカードを使う不安を感じることがあります。そういう時に後払い決済が選べると安心して購入に進めますね。後払い決済の導入に際して、数ある後払い決済サービスの中でも、「GMO後払い」を選ばれた理由は何ですか?
川添:導入を検討した当時、リアルタイム与信ができるのは「GMO後払い」だけだったんです。リアルタイム与信ができないとなると、お客様から注文を頂いて、管理画面で与信結果を確認して、もし与信がNGだった場合には、更にそこからお客様にNGである旨を連絡しなければなりません。その運用はものすごく手間だと思ったんです。お客様からすると、注文が完了した後に与信NGの連絡がくることは、店舗に対する不信感にもつながります。リアルタイム与信というのは、お客様にとっても店舗にとっても重要なことなんです。そういった点を理解してサービス設計がされているのが「GMO後払い」だと思います。
村山:決済という部分は店舗にとっても消費者にとっても非常に重要な部分ですよね。決済方法に不安があると、お客様は他の店舗に行ってしまう可能性もあると思います。そういった点で、「GMO後払い」は信頼できたということですね。
川添:後払い決済というプロダクト自体ももちろん大事ですが、誰と一緒に仕事をするのかということもプロダクトと同じくらい大事です。特に決済は信用に関わるところですので、そのサービス自体がなくならず、永続的に提供されてゆくということは大前提です。お客様が気持ち良く支払いができる安心感があるということは、サービスの一つだと思っています。GMO後払いのブランド力はもちろん、担当の方が我々の要望を真摯に受け止めてくださることも決め手となりました。
GMO後払い導入後の効果
村山:実際に「GMO後払い」を導入されて変化はありましたか?
川添:導入から2年程が経ちましたが、現在では2番目に多く利用される決済方法になりました。直近3カ月では代金引換の件数が対前年比105%であるのに対して、GMO後払いは対前年比112%と、件数アップにも貢献していると捉えています。特に、スマホから利用される比率が高く、女性のお客様の利用が多いことも特徴です。業界全体でスマホからのEC利用が急増する中、後払い決済はスマホと相性が良い決済方法だと思います。また、後払い決済であれば不在の時でも商品を受け取れるということで、受け取り拒否も少なくなりました。後払い決済の返品率は代引きと比べて半分程度になっています。導入前に予測はしていましたが実際に数字として表れています。
村山:「GMO後払い」導入後、お客様から何かお声が寄せられたことはありますか?
川添:導入後、なぜメガネスーパー公式通販サイトを利用してくださっているのかというアンケートを実施したことがあります。そこで理由として多かったのは「信頼感」というお答えでした。これは40年間でメガネスーパー全店のスタッフが積み上げてきて、ECとしては元々強みにしてきた部分ではありますが、後払い決済のような新しい取り組みも力になっていると思います。実際にアンケートでも、特にECのみを利用されている方からは、後払い決済など我々が積極的に追加している新しいサービスの評価が高いという特徴が出ていました。こういった結果も「GMO後払い」を導入した効果だと思っています。
EC業界の変化に対応するために
村山:川添さんが取り組まれる施策にはお客様を想う気持ちがあります。それだけではなく他のEC事業者さんに対しての想いも感じられます。川添さんはそうしたノウハウを折に触れて分かりやすく伝えてくださっていますが、それはどういうお考えがあってのことなのでしょうか?
川添:企業としてとECを担当する私個人としての2つの考えがあります。企業としては、アイケアカンパニーのメガネスーパーが取り扱うメガネやコンタクトレンズ、補聴器といった商材は、基本的に誰もがお客様になりえます。そのため我々がどういうところに特徴があり、どういう思いでお客様に向き合っているかということを皆さんに知っていただくことで、その活動自体がPRになり企業の信頼につながると考えています。実際、セミナーを聞いてメガネスーパーのお客様になっていただいた方、その方の社内での紹介なども生まれてきています。一方、ECを担当する個人としては、やはりEC業界を盛り上げたいという気持ちを強く持っています。物販のEC比率はまだ5%もありません。私のノウハウをお伝えすることで、業界全体を盛り上げてゆきたいという志があります。
村山:川添さんは特にオムニチャネル化の推進について積極的な取り組みをされています。オムニチャネル化のように、今後ECと他領域の壁はどんどん低くなっていくと感じます。その中で、最後に、御社として、そしてEC業界として今後の展望をお話しいただければと思います。
川添:メガネスーパーは、人が介在しないと成り立たないビジネスモデルです。技術とノウハウ、そして330店舗全店のスタッフがいてはじめて成り立つビジネスです。だから一人のお客様に末永くお付き合いいただくために、ECとお店の機能を更に融合してゆきたいと思います。ECは小売りのプラットフォームに近いものですので、それをEC(ネットで注文して配送)だけで使うのはもったいないと思います。ブラウザやインターネット経由のトランザクションだけでなく、多様なチャネルやニーズに対応するためにさらに面を増やしていく必要があると考えています。新たな販売サービスを展開するために、ECプラットフォームを使い倒すという考え方です。他社でもやられていますが、例えば、店頭に在庫がない商品はタブレットで接客して注文するなど。「GMO後払い」の導入もそうした時代の新たなニーズに応えるものでした。我々はそうした動きを「デジタルコマース」と呼んでいますが、今後はEC業界もそこを意識してゆくべきではないかと思います。