オタクのオタクによるオタクのためのカッコイイファッションブランド「R4G」に独自取材!

西村 勇哉

株式会社バロックジャパンリミテッド R4G事業部 ブランドプロデューサー 丸谷 広幸氏

「オタク」と「ファッション」一見交わらないように思える2つの要素を結びつけ、オタクをカッコよくするファッションブランド「R4G」が今年、株式会社バロックジャパンリミテッドから発足した。すでに東京ガールズコレクション、楽天ガールズアワードのようなファッションショーに参加し、多くの注目を集めている。今までになかった、斬新なコンセプトが特徴的となっているのだ。

オタクをターゲットとした「R4G」はなぜ生まれ、どのような想いで商品開発、ブランド戦略を行なっているのか、「R4G」を立ち上げた丸谷 広幸氏にお話を伺った。

オタクだからこそ辿り着いた発想

「R4Gの構想を考え始めたのは約2年前です。

今までのアニメとファッションのコラボはどこかキャラTシャツの要素が強く、部屋着に留まってしまっている印象でした。正直あまりかっこよくないなと。R4Gは世のオタクをファッションからカッコよくすることを目的としたブランドなので、外出する時でも恥ずかしくないデザインやサイト作りを心がけています。」

ーー気になるのは、そもそも何故「オタク」をカッコよくしようと考えたのか。その理由は丸谷氏自身の経験に基づいていた。

「オタクの好きな事への執着心や集中力、こだわりって他の人にはないレベルの熱量だと思うんです。自分自身も学生の頃はアイドルのポスターを部屋に貼ってたりしてましたので共感できることは結構あるんです。

そんなオタク達はこだわりが強い分、好きなコンテンツに対して、何か足りない、もっと欲しいと感じることは非常に多い。その時にオタクの求めている何かを、同じオタクである僕が提供できれば面白いんじゃないかな、ビジネスとして成立するんじゃないかなと思ったのがR4G誕生の瞬間です。」

ーー筆者も実はアイドルが好き、いや大好きなので非常に共感できる点である。握手会など、何時間も平気で並び、遠方の地域だろうと交通費を惜しむことなく遠征する人はとても多い。

そのような熱量の高いオタク達にR4Gは、ファッションという切り口からアプローチを行なっているのだ。


なぜ「R4G」はアニメなのか

松村沙友里(乃木坂46)さん

ーー丸谷氏は自らをアイドルオタクと話すが、なぜターゲットを「アニメオタク」にしたのだろうか。

「アイドルオタクをターゲットにしなかったのは、自分自身がアイドルが好きすぎるからです。好きなことってこだわりが絶対あるので、どうしても偏りが出てきてしまうと思っています。

お客様にその価値観を押し付けるのは、作り手側のエゴになってしまいます。その時にどのコンテンツであればフラットな視点で観れるか考えたときに”アニメ”が一番適しているなと思ったんです。

周知のことかと思いますが、アニメ需要はとても高いじゃないですか。コミケでは始発電車からものすごい数の人が現地に殺到し、60万人の来場者数を記録しています。声優やアニソンなどにコアなファンが付いているということから幅広い人に向けてアプローチができると思い、R4Gはアニメで行こう!と思いました。」

ーー丸谷氏自身の趣味、市場ニーズを踏まえた斬新なこのアイデアをFixさせるには苦労もかなりあったという。

「社内で理解してくれる人はやはり少なかったですね。バロックジャパンリミテッドはアパレルのブランドなので、”ダサいと思われているオタク”と”かっこいいアパレル”が融合するイメージを持てなかった人が多かったです。ただその中でも、面白いと言ってくれる人が何人かいたので前進できました。実際立ち上げの準備を行なっている際に社内で行なった座談会では隠れオタクが30人くらい見つかって(笑)

やっぱりニーズはあるんだなって改めて思いましたね。」

ーー現在は主に4人のメンバーで運営を行なっているが、R4G設立までは丸谷氏と、マルチクリエイターのファンタジスタ歌麿呂氏の2人で進めたという。

ファンタジスタ歌麿呂氏

「R4Gのデザイナーを探していた時にファンタジスタ歌磨呂さんを紹介して頂いて、R4Gの話をしたら彼も同じ思いでNYに渡ったと聞き、意気投合した事で今はR4Gのクリエイティブディレクターとして携ってもらっています。まぁ、歌麿呂さんもかなりガチのオタクですよ笑」

ーーまさに”オタク同士の繋がり”で「R4G」を作り上げていった丸谷氏。

アパレルブランドの生命線とも言えるブランディング戦略など、マーケティングで気をつけていることも伺うことができた。


「R4Gが立ち上がったらモデルはファッションモデル以外を起用しようと考えていました。ファッションブランドと言うイメージを付けたくなかったのが理由です。

『バロックブランドがココと組むか!』みたいな注目度も欲しかったので、今やトップアイドルとして活躍している乃木坂46しかないと思いました。

乃木坂46の中でも自称アニオタと公言している松村沙友里さんにお願いしたのは、言うまでもないですよね。

まさかOKが出るとは思っていなかったので、決まった時は嬉しかったですね。」

ーー実際、乃木坂46ファンの間ではR4Gの知名度は高く、認知拡大に松村沙友理さんはまさに”インフルエンサー”として活躍している。

しかし課題もまだ多いという。


「まだまだ認知度の面では大きな課題があると感じています。弊社で発行している雑誌には特集を組んでもらっているのですが、他のファッション雑誌にはまだ掲載ができていない状況です。人数が少なく、業務が回らないという理由もありますが、ブランド自体の認知もまだ高くないので、PR戦略をしっかりと続けていかなければならないと思っています。」

R4Gならではの演出でファッションショーを盛り上げる

左:劇団4ドル50セント 本西彩希帆さん
【TOKYO GHOUL:reコラージュロングシャツ】(https://www.ec-store.net/item/490BAU30-011T_96_7_
右:劇団4ドル50セント 福島雪菜さん
【俺すぎる!! ロングスリーブTシャツ】(https://www.ec-store.net/item/490BAU90-012T_10_7_

ーー丸谷氏が一番力を入れているPR戦略が、東京ガールズコレクションや楽天ガールズアワードなどファッションショーへの出演だった。

「他のアニメ業界と同じようにやっていては目立たないと思いましたし、ずっとアパレルをやってきたのでファッション性にはこだわりたいと思っています。その中でTGCとガルアワのようなイベントには力を入れましたね。

出演できたのには、バロックジャパンリミテッドの看板があったのは大きいとは思いますが、オタクブランドが出たという点で面白いと感じてくれる人もやはりいて。話題にはなっていたので取り上げてくれたんだと思います。」

ーーイベント来場者の反応はどのようなものだったのだろうか。

「実際、ファッションショーではアニメの映像を流したんです。でも来場されている方の多くはアニメではなく、ファッションを見に来ています。正直何が起きたか分からずぽかーんとしている人も多かったです(笑)。しかしランウェイが始まったら、知っている顔ぶれが登場します。曲もアニソンを流して、ライティングや映像にもこだわって演出を行ったので、アパレルブランドとの差別化は出来たんじゃないのかなと感じています。

また、モデルも乃木坂46や欅坂46といった旬なアイドルやタレントの方をメインに起用させていただきました。R4Gならではの演出ですね。」

ーー来場者はもちろんだが、同業者など内側の反響も非常に大きかったという。

「運営側の人も”めちゃくちゃ面白いですね!”と言ってくれたり、モデル事務所の方も”次は是非うちにも着させてください”と嬉しい言葉を言っていただきました。

その中で最も反響の大きかった業界がアニメ業界です。版元さんからはすごい好評でしたし、他のアニメからのオファーもありがたいことにいただいておりまして。現在作成を進めている最中なんです。」

ーーまた、アニメの素材やアイドルをモデルに起用したことで本番中、丸谷氏の思わぬところで話題になっていたという。

「来場できなかった人でLINE LIVEを見ている人もかなり多かったみたいです。約120万人くらいの視聴数があったと聞いています。そのようなLIVEを見たアニメオタクやアイドルオタクがSNSでシェアをしていて、勝手に(笑)。情報に敏感なオタク達のすごいところですよね。」

ECメインから実店舗。目指すべきはオムニチャネル?

ーーR4Gはポップアップストア以外ではまだ実店舗運営を行なっておらずECメインだ。どのような理由付があるのだろうか。

「まだ始まったばかりのブランドなので投資額の少ないECでの運営を行なっています。リスクをなるべく避けての運営が基本ですね。とはいえ、EC集客だけではなく、店舗展開・ポップアップストア運営は常に心がけています。課題となっているブランドの認知力をしっかりと引き上げた上でオタクが集まるような秋葉原・池袋・中野のような場所に出店したいという想いはあります。

R4Gのような新しいブランドだと質感や、素材などを知りたいというニーズは結構あるんですよね。そのようなニーズにポップアップストアのような直接お客様と繋がれる場所は大切だと思っています。」

R4Gが目指す目標。丸谷氏のブランドへの想いとは

モデル:ラブライブサンシャインAqoursのメンバーとキャスト

「オタクって自分の好きなものを常に持っていたいという欲求があると思います。その欲求を最大限活かしたのがファッションだと思っています。ですが着れない洋服を作っても意味がないですよね。ダサかったり、トレンドを外していたり。R4Gはあくまでもファッションなので、そこは逸脱してはいけないと考えています。」

ーー「R4G」が今後目指す目標とは何なのだろうか。

「今はアニメとゲームのオタクに向けて発信しています。しかし、オタクは非常に種類が多いと思っています。例えば、バロックジャパンリミテッドの社員はファッションオタクですし、鉄道オタクや、歴史オタクなど様々なオタクが日本にはいます。そういうオタク全員にファッションを通して、何か提供できればなと思っています。

そのために今はブランドの認知・確立を最優先で注力しなければならないと考えています。そして一番やっていけないことはお客様の期待を裏切らないこと。オタク達はこだわりが強い分、興味を失ったらすぐに離れていってしまいます。そうならないためにも、”R4G”だからこそできるということを突き詰めていきたいと思っています。」

ーー丸谷氏はさらに先の目標についても語ってくれた。

「やはりチャレンジをするという意味では世界が目標です。もはやオタク文化は日本だけの話ではありません。欧米のアニメ人気は非常に高く、チャンスも大きいと思っています。アニメオタク発祥の日本人として、我々”R4G”がやらなければならないという使命感はやはり感じます。」

松村沙友里(乃木坂46)さん

ーー丸谷氏が考えている「R4G」というブランドへのこだわり、信念も最後に語ってくれた。

「オタクに向けてサービスを提供しているのに、製作者の我々がオタクでないと絶対にダメだと考えています。同じオタクだからこそ、ニーズがわかり、目的が利益ではなく、”オタクを楽しませる”という着地になると思っています。なので”R4G”のメンバーは全員オタクです。オタクじゃないと一緒に仕事は難しいと思っています。ブランドを立ち上げた当時の”オタクがオタクのためにモノを創る”というコンセプトは崩したくないので。

実際に見てないアニメの話が出た時は、見ちゃいますもん(笑)。気になっちゃいますよね。最初のコードギアスでのリリースの際は正月の3日間で全話一気に見返しましたね。もう一回見ないとダメだなと思いましたし。ここら辺がオタクだなぁって自分で思うところですね(笑)。

とはいえオタクはもっと外に出ていって欲しいです。アニメのカルチャーは社会的に認められており、周りの目も昔とは変わっています。オタク達を、自身の好きなものを堂々と主張できるような価値観に”R4G”を通して変えていけると最高だなと思っています。」



終始楽しそうに話していたのが印象的だった丸谷氏。自身の趣味をビジネスに昇華しつつも、利益だけを求めるのではなく、オタク達をカッコよくすることに重きを置いている理由は、丸谷氏自身がオタクだから、なのではないだろうか。自身が製作者でありつつ、消費者であるからこそ、手は抜かずに、こだわりを持って仕事と向き合えているように思えた。

アニメが好き。アイドルが好き。

好きなことをもっともっと楽しむために、「R4G」というブランドをとても応援したくなるのは私だけだろうか?

R4Grogo

記者プロフィール

西村 勇哉

メディア編集部所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
社会人になってもちょこちょこ練習しています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
伝統産業や地方創生に興味があり、ECのミカタの一員として何かしたいと思っています。
好きなものは乃木坂46(箱推し)。好きな曲は「ひと夏の長さより」

西村 勇哉 の執筆記事

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