“在宅勤務“で4倍の効率化に成功!『受注処理』を支えた影の立役者とは?
働き方改革の推進といった影響もあり、在宅勤務を取り入れる企業が増えている現在。EC業界も例外ではなく、在宅勤務に切り替えるEC事業者が多い。
ただ、EC事業者が在宅勤務をスタートさせる第一歩として、受注管理や在庫管理、商品管理をオンラインでスムーズに進められる環境を整える必要がある。
ワインキュレーション株式会社は、世の中の動きを受け、2020年4月7日より在宅勤務に切り替えた。初めて在宅勤務にトライした同社は「在宅でもスムーズに業務を進められたのは『TEMPOSTAR』がポイントだった」と話す。
「TEMPOSTAR(テンポスター)」とは、NHN SAVAWAY株式会社が提供する、ネットショップの一元管理システム。“自動化”をキーワードにし、モールに多店舗展開しているEC事業者の受注管理・在庫管理・商品管理の手間を減らしてくれるサービスだ。
ワインキュレーションは「TEMPOSTAR」を利用し、リモートでどのように業務を進めているのだろうか?
導入して感じるメリットとは。ワインキュレーション株式会社 代表取締役社長の鈴木達雄氏と、カスタマーサポート部の部長 有山弥幸氏に話を伺った。
4月7日から在宅勤務スタート。情報漏洩の不安を払拭
キリンホールディングス傘下の大手ワインメーカー「メルシャン株式会社」を親会社にもつ、ワインキュレーション株式会社(以下、ワインキュレーション)。メルシャングループにおけるネットワイン事業の中核会社として、「京橋ワイン」「Wine-days」など、合わせて15のネットショップを展開する。
2000年に創業した同社は、当時楽天市場にサイトをオープンさせて以来、EC事業を拡大させてきた。現在は、楽天市場以外にも、AmazonやYahoo!ショッピング、自社サイトなど、さまざまなモールや独自ドメインサイトで多店舗展開している。
そんなワインキュレーションは、2020年4月7日より在宅勤務をスタートさせた。
これまでは週5日オフィスに出勤する一般的なスタイルだったものを、一斉に在宅勤務へと切り替えた。スタッフがリモートで業務を進めることについて、不安はなかったのだろうか。
鈴木氏:「在宅勤務を始めるにあたり、不安だったのが情報漏洩の問題です。各自が自宅でお客様の個人情報を扱うことによって、何らかの形で情報漏洩が発生するのではないか、と心配していました。
そのなかで、不安を払拭して在宅勤務に切り替えられたのは、NHN SAVAWAYのセキュリティの信頼性が高かったからです。常にセキュリティに注意を払う企業姿勢だったり、グループにデータセンターを運営する会社があったり、安心材料が多くありました。
メルシャングループは、セキュリティ面をかなり重要視しており、定期的にセキュリティ診断の監査を入れています。
実際に『TEMPOSTAR』を診断してもらいまして、グループの基準を超えていたので、安心して在宅勤務に切り替えられました」
リモートでも4倍の受注処理が実現! 注文情報のチェックを自動化し、在宅勤務をスムーズに
巣ごもり需要が加速する現在。2020年3月と比べ、ワインキュレーションも売り上げが1.3〜1.5倍になったという。その流れを受けながら、在宅勤務で受注業務を進めるにおいて、スタッフ同士で混乱しなかったのだろうか。
有山氏:「発送業務は外部の倉庫に委託しているので、弊社の主な業務範囲は、倉庫に出荷指示を出すまでです。出荷指示の前段階である受注業務を『TEMPOSTAR』で管理することで、オフィスで働いていたときと変わりなく処理できています。
特に便利だと感じるのは、受注管理のタグ(=要確認項目であることを示す付箋のようなものをPC上で示すもの)付けですね。問題がない注文に関しては自動で出荷待ちのステータスまで進められて、入力情報の間違いや特筆事項がある注文に関してはタグが付き、要確認のステータスになる機能です。
100件注文が入ったら、80件は問題なく出荷指示が出せる注文なのですが、以前は100件すべてを目視し『データに間違いがないか』と確認していました。
注文データを1時間かけて紙に印刷し、注意事項を赤ペンでチェックし、その紙を見ながらパソコンにデータを入力し……とスタッフ同士でコミュニケーションを取りながら、手間のかかるフローで進めていたのです。
しかし、『TEMPOSTAR』を導入したことで、これまでの業務が自動化され、タグが付いた20件の注文だけ目を通すように変わりました。
チェック作業が80%削減されたので、スタッフは1件ずつ集中して確認できるようになったし、お客様に対してよりていねいに対応できるようになりました。『あの注文確認した?』『この注文をデータ入力するときはこれに注意して』といったスタッフ同士のかけ合いも減りましたね。
これまで1日1,500件しか処理できなかったのが、生産性が上がって店舗数が増えたのもあり、今では1日6,000件ほど処理できています。スタッフは最大9名いたのが2〜3名で回せるようになり、3時間かかっていた作業が1時間ほどで終わるようになりました。
以前と同じフローで進めていたら、在宅勤務に切り替わった今、受注処理業務を回せていなかったと思います」
処理件数は4倍、人員は約4分の1、作業時間は3分の1になり、そのうえで在宅勤務をスムーズに進められているのは「TEMPOSTAR」あってこそだといえるだろう。そして有山氏はもうひとつ、在宅勤務とシステムの相性について言及する。
有山氏:「『TEMPOSTAR』は、メールを“送信済み”や“未送信”とステータスごとに振り分けられます。
この機能が、在宅勤務と相性が良いのです。メールを送信したら“送信済み”のステータスに自動で変わるので、複数の未送信メールを担当スタッフみんなで処理しても、対応するメールが被ることはありません。『あのメール対応した?』とコミュニケーションを取らずとも、各自在宅でミスなくスムーズに進められています」
在宅勤務導入が加速するなかで、早めに環境を整えるべき
ワインキュレーションの在宅勤務が成功したカギは「TEMPOSTAR」が握っているといっても過言ではない。ただ、システムを導入したばかりだと、使い方がわからなかったり困ったことが起こったりしたら、スタッフが自宅で途方に暮れる可能性もある。
そんなときに重要なのが、ベンダー側のサポート体制だろう。
有山氏:「システムに関して困ったことが発生したら、すぐ親身に相談に乗ってもらえています。以前、受注管理のタグ付け設定がうまくできなかったときも、手取り足取りていねいにやり方を教えてもらいました。急ぎで解決したいときは、メールではなく電話でも対応してくださるので、助かっています」
サポート体制が整っている「TEMPOSTAR」の利用者として、同サービスをどんなEC事業者におすすめしたいかと伺った。
鈴木氏:「ネットショップをオープンさせたばかりの事業者から、老舗ショップを運営する大手事業者まで、規模問わずに導入をおすすめします。
なぜなら、ASPとスクラッチのハイブリッド型なので、基本機能はすでにそろっていますし、そのうえ必要な機能をカスタマイズできるので、新しい技術や機能を取り入れたシステムを使いながら、オリジナルの機能を開発してもらえます。
各モールにおける受注や在庫、商品をまとめて管理できるので、モールに多店舗展開しているEC事業者にぴったりです。
そして、『在宅勤務をスタートさせたいけれど、受注管理や在庫管理、商品管理をリモートでやる環境が整えられていない』と悩むなら、すぐに導入するべきだと思います。
働き方改革などの影響によって、今後さらに在宅勤務化が加速することが予想されますし、早いうちから導入するに越したことはないでしょう」
ASPとスクラッチのハイブリッド型! 一元管理システム「TEMPOSTAR」のおすすめポイント
ワインキュレーションが「TEMPOSTAR」を導入することになったのは、同サービスがリリースされた2015年。独自開発した受注管理システムから、ASPサービスの「TEMPOSTAR」へと乗り換えた。
システムを変更してから約5年間使ってきて、どのようなメリットを感じているのだろうか。最後に「TEMPOSTAR」のおすすめポイントについて伺った。
鈴木氏:「おすすめポイントは、ASPサービスなので、ベンダー側がバージョンアップをしてくれるところです。導入側はアップデートするだけで、新しい技術や機能が使えるようになります。
以前、弊社がスクラッチのシステムを使っていたときは、新しい技術や機能を追加するのに、わざわざ自社で更新しなければなりませんでした。自社でその都度対応していくには、費用面でも技術面でも工数面でも限界があったので、システム自体を乗り換えることに決めました。
今は『TEMPOSTAR』を使うことで、日々革新される技術を無理なく、いち早く取り入れられており、システムを変えてよかったと実感しています。
あとは、ASPサービスでありながらカスタマイズもできる、ハイブリッドな部分もおすすめポイントですね。実際に、弊社は『パーソナライズされたワインリストの同梱』や『ワイン福袋用の商品のセット組み』など、特殊な機能をカスタマイズしています。
『さらに多店舗展開していきたい』『もっとスムーズなオペレーションを組みたい』と事業の成長を考えているなら、これらのメリットが大きく活きるのではないでしょうか。
これからも、ASPとスクラッチのハイブリッド型である『TEMPOSTAR』を利用し、在宅勤務でスムーズに受注処理をしていきたいと思います」