3ブランドの個別サイトを1つの管理画面で管理するヘッドレスコマースの効率性

ECのミカタ編集部

「ヘッドレスコマース」というキーワードが、EC業界で注目されて久しい。複数カテゴリーの商材を有していたり、複数ブランドを有したりしているために、複数のECサイトを展開しているEC事業者や、顧客接点を多様化して事業展開するEC事業者にとっては、事業運営を効率化する上で重要なコンセプトといえる。

化粧品の企画・製造・販売を手掛けるラフラ・ジャパン株式会社(以下、ラフラ・ジャパン)も、複数のブランドを個別のECサイトで展開しており、「ヘッドレスコマース」というコンセプトを実践して運営の効率化を実現している。

ラフラ・ジャパンのヘッドレスコマース導入の経緯や運用に関して、その具現化とサポートを提供しているトーテックアメニティ株式会社(以下、トーテックアメニティ)のテクニカルサービス事業部 WEBバリューシステム部 神戸グループ 北村 凌一氏と、ラフラ・ジャパン株式会社 Webディレクター 近藤 貴久氏および同社のシステムマネージメント本部 マネージャー 関谷 幸子氏の3氏にお話を伺った。

事業の成長に伴ってシステム障害などが頻発し、可用性が課題となった

――ラフラ・ジャパンの事業概要をお教えください

関谷氏:当社は1999年創業で、以来、一貫して化粧品の企画・製造・販売を事業として展開しています。「ビューティーで、世界を動かす」という事業理念を掲げて、「美しくなりたい」と願う、あらゆる人々のために、日本発のビューティプロダクトをお届けしています。

最初のブランドが『RAFRA』で、以後、『TUNEMAKERS』や『PROUDMEN.』といったブランドを順次立上げ、多様なブランド展開で事業を推進しています。

――EC展開は、いつ頃からスタートされているのですか

近藤氏:2002年にECをスタートしていますので、20年ほどEC事業を展開していることになりますね。最初は『RAFRA』ブランドのみでスタートし、以降『TUNEMAKERS』、『PROUDMEN.』ブランドを展開し、事業を拡大していきました。現在では、これら3ブランドについて、個別のECサイトを運用しています。

――トーテックアメニティがECをサポートするようになったのはいつ頃からですか?

北村氏:当社がラフラさんのECサイトをトータルでお手伝いするようになったのは、今から7年ほど前の2016年からです。当社は、1971年の創業以来、東海圏IT企業のパイオニアとして「情報化戦略」を提供する「ITソリューション事業」と、主に製造業の「技術戦略」を提供する「エンジニアリングソリューション事業」などを展開しています。このうち「ITソリューション事業」では、システムインテグレーションや各種アプリケーションソフトウェアの開発など、幅広く手掛けています。

【トーテックアメニティが提供するヘッドレスコマースについて】

近藤氏:トーテックアメニティさんにお願いする以前は、当社が使っていたサーバの可用性が低かったために、毎週のようにサーバダウンなどが発生していました。当社の事業戦略として「EC・通販を伸ばしていこう」という方向性にあったので、可用性は大きな課題でした。そこで、いくつかのシステムベンダーさんにお声がけして、比較検討させていただきました。その中で、トーテックアメニティさんは、当時からASPで個別のカスタマイズができるという点に特徴があり、今では珍しくはないのでしょうが、当時はそれができるところは少なかったのです。また、ECや通販に関連する実績が豊富で、パフォーマンスも良かったし、全面的にトーテックアメニティさんにお願いしようということになったのです。

3ブランドサイトをサーバ1台で管理。バッグエンドの管理画面も統一されて、業務効率も大幅改善

――トーテックアメニティに移管したことで、どのようなメリットが生まれましたか

近藤氏:まずは、当社として大きな課題であった可用性が格段に高まりました。昨今では、サーバダウンのような障害発生によって、サービスを止めるような事態はなくなりました。以前は、社内スタッフが障害復旧に向けて苦労していたのですが、今ではそんな苦労もなくなりました(笑)。

また、サイトの管理・運営も、いわゆるヘッドレスコマースとなり、3つのブランドサイトを1つの管理画面で、共通で管理・運営できるようになりました。以前は、3サイトを別々の管理画面で管理・運営していたので、非常に効率的になりましたね。

サイトのフロント部分についても、以前のシステムだと改修可能な範囲が限定的で自由度が低かったのですが、トーテックアメニティさんにお願いしてからは、自由度が高まって、表現力も向上しました。もっとも当社の場合、最初から「ヘッドレスコマース」を意識していたわけではなく、結果的にそのような仕組みになったという感じです。

関谷氏:トーテックアメニティさんにお願いするようになって、表現も柔軟に対応できるようになったという印象が強いです。新しい企画が立ち上がっても、すぐに対応してもらえるので、大変助かっています。

――トーテックアメニティとしては、このプロジェクトではどんな点を重視しましたか

北村氏:最重点においたのは、やはり可用性です。サーバダウンのような障害が発生すれば、EC事業そのものを止めてしまうことになるので、それはあってはいけないこととして、取り組みました。

また、ラフラ・ジャパン様の場合、3ブランドごとにブランド戦略があって、当然、そのサイトごとに、戦略に即して「この機能はつける。このサービスはやる、でも、これはやらない」といった個別性があります。もちろん、そうしたご要望に沿ってカスタマイズ対応などをするのですが、今、目の前にある課題への対応はもちろん、将来的な展開に向けたフレキシビリティも考慮したカスタマイズを心がけました。

現在では、たとえばカート内での支払い方法に、新しい決済方法を追加するような場合、その都度、当社にシステム改修をご依頼いただかなくても、ご担当者様が管理画面上で処理対応できるような拡張性も視野に入れた開発をしています。

関谷氏:現在では、3ブランドすべてに定期購入の仕組みが導入されていますが、導入の時期はブランドごとに違っていました。そうした個別対応力があることも、トーテックアメニティさんにお願いした大きなメリットになっていますね。

積極的な提案と、さらなる対応力の強化で、顧客の成長に貢献するトーテックアメニティのサポート力

――ラフラ・ジャパンとしての、今後のEC展開についてお聞かせください。

関谷氏:今後のEC展開においては、競合との差別化を強化していきたいと考えています。EC導入当初は、商品をちょっと良く見せて、買いたいと思っていただいたときに、カートシステムが問題なく動いて、買ってもらえればOKというレベルでした。しかし今はそうではありません。いかに、サイトに来ていただいたユーザーに楽しく買い物をしていただくかが重要だと考えています。わくわくするキャンペーンであったり、買いやすい仕組みの導入であったりを強化していきたいです。

近藤氏:今後は、データ分析などもしっかりやって、データに基づくマーケティング・プロモーションを効果的にやりたいという思いもあります。そうした新しい展開にあたっては、トーテックアメニティさんにも、「ああしたい、こうしたい」というご相談が増えると思いますし、さらなる協力をお願いしたいですね。

北村氏:ラフラ・ジャパン様に限ったことではないのですが、お客様からのご要望に対して、きちんとニーズを把握して、それに対して精度の高いアウトプットをしていくことが重要だと考え、日々業務に向きあっています。また自分で、「これはお客様のメリットにつながる」と思ったことは、どんどん提案させていただく、というスタンスも大切だと考えています。

――「ヘッドレスコマース」に興味はあるが、どう取り組んでいいかわからない、というEC事業者も多いと思います。最後にトーテックアメニティさんから、そうしたEC事業者にコメントをお願いします。

北村氏:昨今では、コロナ禍の影響もあるのだと思いますが、比較的規模の大きなEC事業者様から、「ヘッドレスコマース」をキーワードとした問合せが増えています。ECサイトをマルチドメインで展開するということもありますし、社内で立ち上げた複数のECサイトを一元化したいといったニーズもあります。さらには、コーポレートサイトや基幹システムも組み合わせたECシステム構築の案件なども出てきています。

現在、当社では、『EC-Connect+』というオーダーメイド型ECソリューションをご提供しています。フロントエンドとバックエンドを切り離し、APIを介してデータをやり取りするECシステムを構成する「ヘッドレスコマース」を効率的に実現できますので、ご興味をお持ちのEC事業者様には、ぜひお問合せいただきたいと思います。

コロナ禍の影響もあって、EC市場は大きく成長している。そして、そうした中で競争も激化している。激しい競争に打ち勝ち、EC事業のさらなる成長のためにも、「ヘッドレスコマース」に興味があるなら、トーテックアメニティに相談してみることをお勧めしたい。

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