物流業務を行うためには、荷物を輸送する車両(トラックなど)やドライバーをはじめ、荷物を保管する倉庫のほか、物流を管理する高度なシステムが必要になります。
もしこれら全てを自社で用意・維持する場合、膨大なコストと手間がかかり、企業経営の負担にもなりかねません。
そのような問題を解決すべく、現在の物流業界で広く浸透しているのが「3PL(スリーピーエル 、サードパーティーロジスティクス)」です。
この新しい物流業務形態は国土交通省も導入を推進しており、コスト削減と業務効率化の切り札として、多くの企業から注目を集めています。
今回は、実際に食品の3PL事業に日々取り組んでいる私たち北王流通が、3PLとは何かやその意味、メリットを物流業界初心者にもわかりやすく解説します。
また、食品物流での3PLの特徴も簡単に紹介しますので、ぜひご覧ください。
▼目次
1.3PLとは
2.3PLのメリット
3.3PLの種類
4.食品物流の3PLの特徴
5.北王流通の3PLの特徴
6.▼ 東京・関東圏の食品物流・食品配送なら北王流通にお任せください!
【1、3PLとは】
3PLとは、サードパーティーロジスティクス(Third Party Logistics)の略で、倉庫での在庫管理や輸送などの物流業務を自社で行うのではなく、専門的な物流のノウハウを持つ第三者企業に委託する業務形態のことです。
この3PLの起源については諸説ありますが、1990年頃に欧米で広がりを見せはじめ、日本では90年代後半に大きな注目を集めるようになりました。
近年では目まぐるしく変化する市況と高まる消費者のニーズから、物流業務のアウトソーシング傾向はさらに強まっています。
また、物流効率化によるCO2の削減効果や地域雇用創出の観点から、3PL事業は国をあげて推進されています。
【2、3PLのメリット】
◎コストの削減
商品の製造だけでなく物流業務も自社で行っている場合、輸送用の車両や商品を保管する倉庫をはじめ、それらを管理する人員、システムを維持するコストが必要になります。
この物流に関する業務を3PL企業に委託し、荷量に応じて業務を最適化することで、設備コストや人的コストを削減できます。
特に昨今は輸送を担当するドライバーの人手不足が深刻化していますので、高騰した給与・採用コストを3PLによって支払わずに済むのは非常に大きなメリットがあります。
◎生産性の向上
物流業務はシンプルな作業が多い反面、工程が多岐にわたるため、それだけマンパワーが必要になります。
3PLを導入することによって、限られている自社の人的リソースを店舗の運営や商品開発、営業等の基幹業務に集中させ、生産性の向上を図れます。
◎労働問題の改善
物流の需要は年々増加の一途をたどり、人材不足や長時間労働などの労働問題が深刻になっています。
物流のプロである3PL企業はこのような問題に対処するノウハウを持っているため、労働環境の見直しについてのアドバイスを的確に行うことができます。
具体的には、数カ所だけ離れた場所にある配送先や納品の時間指定が厳しい配送先については3PL企業へアウトソーシングして、自社の間延びした配送ルートを効率的に再編する…などの提案が可能です。
【4、3PLの種類】
3PL業者はアセット型とノンアセット型の2つに分かれます。
アセット型は、3PL業者自身が物流施設や車両、管理システムなどの資産を保有・運用して業務を行う業態です。ドライバーの教育や物流拠点の業務改善などを直接行えるため、サービスの向上を図ることができます。また、基本的に荷主企業と3PL業者間との連携になるため、信頼関係を築きやすいメリットもあります。
それに対してノンアセット型は、3PL業者自身が上記のような資産を持たず、他社の輸送業者や倉庫業者と提携して業務を遂行します。輸送手段や荷物の保管方法が1社に限定されないため、荷主企業の要望に合わせたサービスの提供が可能です。商品の種類や量によって保管と輸送業者を分けるなど、柔軟に対応できるメリットがあります。
なお、私たち北王流通は食品物流センターやトラック、ドライバー・倉庫スタッフなどの人員、WMS(物流倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)などのITシステムを完備しているため、アセット型の3PL企業になります。
【5、食品物流の3PLの特徴】
では、食品物流の分野で3PLはどのように活用されているのでしょうか。
食品の輸送や保管をするうえで重要なのは、鮮度や品質を保つための厳密な温度管理です。
常温での取り扱いができる食品もありますが、0℃〜10℃での管理が必要なチルド食品や、-18℃以下での管理が必要な冷凍食品など、種類によっては低い温度を一定に保つ必要があります。
チルド食品や冷凍食品などを保管・輸送・配送する際に、各フローで途切れることなく最適な温度を常に保持する流通形式のことをコールドチェーンと呼びます。
参考ページ:コールドチェーンとは? 意味と食品物流での仕組みを簡単に解説!
いかにコールドチェーンを安定的かつ円滑に機能させるかが、食品3PLのポイントだと言ってもよいでしょう。
また、食品ごとに賞味期限や消費期限がありますので、より新鮮なものをより早く届けるための日付管理と時間管理も非常に重要です。
このような食品特有の管理方法に対応するため、3PL事業者は常温・冷蔵・冷凍の3温度帯での保管が可能な車両と物流センターを備え、それに特化した管理システムを構築して効率的に輸送を行っています。
近年、食品物流を取り巻く環境は一段と深刻になっており、慢性的な人手不足や燃料価格の高騰、Co2削減目標の達成など、さまざまな課題が浮き彫りになっています。また、食品以外の物流と同様に、荷物の輸送や保管にかかるコストを抑え、いかに効率的に物流をコントロールできるかも経営に関わる大きな課題です。
食品3PLはそれらの課題をまとめて解消できる有力なソリューションです。
冷蔵・冷凍保管にも対応できる物流センター
緻密な賞味期限管理ができる物流管理システム
3温度帯管理を常に維持する輸送車両
食品物流に精通したドライバーや倉庫管理スタッフ
以上の食品物流に不可欠な要素を全て自社で準備・維持するには多額のコストがかかりますから、それらをまとめてアウトソーシングできる食品3PLのメリットは非常に大きいと言えます。
関東圏で「ドライバーや倉庫管理スタッフが集まらず、人手不足が深刻だ…」「食品・食材の物流コストが高くて困っている…」というお客様は、食品3PLのスペシャリストである北王流通にぜひご相談ください。
【6、北王流通の3PLの特徴】
弊社の3PLサービスでは、食品の受発注から入庫作業、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯での在庫管理、店舗ごとのピッキング、トラックによる輸配送と、店舗の冷蔵庫・冷凍庫への食品の格納に至るまで、食品物流の全フローを丸ごとお任せいただけます。
関東各所に設けている6つの物流センターは合計8,000坪を超え、24時間365日休むことなく最適な温度を維持して食品の鮮度を保っています。また、独自のWMS(物流倉庫管理システム)を導入することで、受発注や先入先出管理、ロット管理、賞味期限管理を精密に実行し、在庫差異の発生や誤出荷を防止しています。
その豊富なキャパシティにより、「自社の冷蔵・冷凍倉庫が老朽化して温度管理に不調をきたしているので、最新鋭の食品倉庫へ委託したい」「食品を大量仕入れして冷凍保管し、仕入れ単価を節約したい」などのご要望にも柔軟に対応。
そのほかの特徴として、弊社は140輛以上の輸送トラックを保有しています。
配送ネットワークは東京都をはじめ、神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県の関東圏に加えて、山梨県・静岡県・長野県の1都9県です。
特に都心部への食材配送を得意としており、新宿・上野などの環状線付近のエリアにデポを開設し、機動力を活かした配送をおこなっています。
これらの共同配送網を最適化することで、さまざまな納品形態に応じたご提案が可能でございます。
このように、食品物流に特化した万全な設備とシステムの構築・運用によって、お客様に最適な物流形態をご提案し、業務の効率化を実現しています。
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