中国における世代ごとの家庭用品需要の違い

賈 韶蕾

中国における世代ごとの家庭用品需要の違い

1950~1969年に生まれた人たちは、主に生活必需品を購入する傾向が強いようです。冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子調理器、スマートフォン、パソコンがその例です。一方で、この世代の人たちは最新型の製品に対する関心度は比較的低いようです。

更にこの世代は、生活をより便利にする製品において高い購入率を占めています。電気カミソリ、電子血圧計など、従来の製品が電子化されたことによる高い品質に関心があるようです。

電子血圧計の一般家庭への高い浸透率は、この世代の人々がヘルスケアに関連した製品に強い関心があることを示していて、それらの製品に需要を見出すことができます。

一方、1970~1985年の間に生まれた人たちは、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子調理器の他に、空気清浄機を購入する傾向が強いようです。空気清浄機の購入率の高さから、住環境の質の高さを重視していることが判ります。

この世代は生活必需品に加えて、住環境の質を改善する製品を購入する傾向が強いことがわかります。フットバスや空気清浄機などがその例です。

1986~1999年の間に生まれた人たちは、テレビ、冷蔵庫、エアコン、スマートフォン、電子調理器などの生活必需品はもちろん、購入トップ5にスマートブレスレットがランクインしていることから、スマート製品に強い関心があることがわかります。

スマート製品に加え、最新式の掃除機がトップ6にランクインしており、製品全般の性能が従来のものより改善されたことがわかります。

この世代は、最先端技術や最新のシステムといったような新しい製品に強い関心があるようです。家庭用生ごみ処理機、フレッシュエアシステム(常に新鮮な空気を供給するもの)、ゲーム機、スリープモニター(睡眠を自動的に記録して、質の良い眠りへ導く製品)、美容機器などがその例です。

2000年以降に生まれた人々は、電子製品やスマート製品の購入に強い関心があるようです。

彼らの親世代の経済状況が改善された背景もあって、親から子どもへの経済的なサポート力が強くなりました。
親世代の最新製品やスマート製品への強い関心もあって、子どもに製品を買い与えるという形で需要が高まっているようです。


著者

賈 韶蕾 (SHAOLEI JIA)

中国山西省出身、2010年来日し、2015年に(株)ヴァリューズに入社。
化粧品や日用品のメーカー企業を中心にコンサルティングを行う。
来日後は日本語の勉強をしながら、日本の人気商品を中国で販売するビジネスを3年間行っていたため、
この“転売”経験を活かし、現在は日本市場のマーケティング調査だけではなく、中国市場の分析事業も担当している。

https://www.valuesccg.com/-/china/