【第6弾】大手ECサイト「Amazon」から読み解く、ミレニアル世代へリーチする条件

小林芽久未

スマートフォンを利用したアプリリサーチを得意とする株式会社テスティーでは「EC×若者」をキーワードに若年層調査・分析を実施し、若者の意識や消費行動を読み解きます。日々のサービス運営やマーケティングなどにおいて少しでも読者の皆様のお役に立てたら幸いです。

TOPICS
・EC利用率と購入商品ジャンル
・20代のECの主流は「Amazon」、利用デバイスは「スマートフォン」
・20代のAmazon Prime会員登録率。登録の決め手は指定便無料、値下げ/セール
・「受け取り方」で判明した「指定便無料」の支持理由

■EC利用率と購入商品ジャンル

まず、20代男女1,046名(男性505名、女性541名)を対象にECの利用経験を聞きました。「ネット上で商品を購入したことがある」と回答したのは20代男性で88.1%、20代女性で90.6%となりました。

PCやスマートフォンを利用した商品購入は、20代にとってすでにスタンダードであると言えそうです。

続いて、ネット上で購入したことのある商品ジャンルを聞きました。

20代女性は20代男性に比べて「服飾品」「日用品」の購入経験率が高く、ともに7割を超えています。「服飾品」に関しては、男性の購入経験率も5割を超えています。実際に商品を手に取ってサイズや色などを確かめなくても、商品を購入することに対し抵抗感があまりない様子が伺えました。

■20代のECの主流は「Amazon」、利用デバイスは「スマートフォン」

続いて、ECでの商品購入経験者を対象に、「Amazonアカウントを持っていますか?」と聞きました。その結果、20代男性の75.6%、20代女性の68.2%がAmazonアカウントを保有していることが判明しました。

また、Amazonを利用する際の利用デバイスを調査したところ、「スマートフォン」との回答が最も多く、20代男性で約8割、20代女性で約9割となりました。

20代男性においては、46.3%と約半数の人が「PC」でもAmazonを利用していることが判明しました。

続いて、スマートフォンでAmazonを利用すると回答した人を対象に、ブラウザとアプリのどちらを利用するか聞きました。20代男性は30.6%が「ブラウザ」、53.7%が「アプリ」と回答し、主にアプリ経由でAmazonを利用していることが判明しました。

一方、20代女性は49.6%が「ブラウザ」、36.7%が「アプリ」と回答。

利用デバイスの調査において、AmazonをPCで利用する比率が女性よりも男性の方が20ポイントほど高かったことから、男性はスマートフォン利用時にはアプリ、PC利用時にはブラウザと使い分けていることが予想されます。

■20代のAmazon Prime会員登録率。登録の決め手は指定便無料、値下げ/セール

続いて、Amazonアカウント保有者を対象に「Amazon Primeの会員ですか?」と聞きました。その結果、20代男性の38.5%、20代女性の26.3%が会員であることが判明しました。

続いて、Amazon Prime会員になっていると回答した人を対象に「会員になる時に惹かれた特典」について調査しました。男女ともに第1位は「指定便無料(お急ぎ便も含む)」と回答し、20代男性で58.5%、20代女性で58.8%となりました。次いで「値下げ/セール」との回答が続くことから、会員になることで送料や商品自体の代金がお得になることに魅力を感じていることがわかりました。

また、20代男性の41.5%、20代女性の34.0%は「Amazon Prime ビデオ」も惹かれた特典と考えているようです。

■「受け取り方」で判明した「指定便無料」の支持理由

「会員になる時に惹かれた特典」において20代の男女ともに「指定便の無料(お急ぎ便も含む)」との回答が最も多かった結果を受け、商品の受け取りに関する調査も実施しました。

商品の受け取り方で最も多かった回答は「自宅(本人)」で、20代男性で80.9%、20代女性で89.4%となりました。次いで「自宅(家族)」との回答が多く、いずれにしても自宅で直接受け取る人が多いことがわかりました。

荷物を直接受け取るためには日時指定が必須となることから、Amazon Primeの会員特典の中でも「指定便の無料(お急ぎ便含む)」が支持されたと言えるでしょう。

最後に、Amazon利用者を対象にAmazonの良い点を尋ねました。

・配達が早い、丁寧。 品揃えがいい。(25歳女性)
・ゲーム機やその備品はレビューが頼りになるから(24歳女性)
・アプリもWebサイトも見やすい。 (22歳男性)
・中古で安く変える。古い商品も取り扱っている(22歳女性)
・アプリが使いやすい。 コンビニ支払いができる。(27歳女性)
・外に出なくても買える所。店で買うよりも安い物が売っている。(21歳女性)
・地方では手に入れにくいものが手に入る(28歳男性)

注文から配達までの速さや品揃えの豊富さを支持する声が多く挙がりました。

また、サイトやアプリの使い勝手やUIが良いという意見が散見された点も特徴的でした。数あるECサービスの中からAmazonが選ばれる理由が垣間見える結果となりました。

■まとめ

今回の調査を通して、スマートフォン経由でAmazonを利用している20代が8割以上にも上ることが判明しました。

普段利用するデバイスの主流がスマートフォンとなっている今、ECにおいてもスマートフォン対応のされたWEBサイトやスマートフォン専用アプリが必須であると言えそうです。

また、配送や受け取りに関しては宅配ボックスやコンビニ受け取りが広まる中、8割以上の人が自宅での対面受け取りをしているという事実を知ることもできました。

荷物を直接受け取りたいというニーズから、「指定便の無料(お急ぎ便含む)」ができるAmazon Primeに会員登録をする利用者もいるのでしょう。


Amazon Primeのように、通常のサービスに特典などの付加価値を付けることによって、顧客満足度の向上やブランドロイヤリティの確立が見込めるかもしれません。

以上、大手ECサイトの利用状況から読み解く20代男女のEC事情をお送りしました。


著者

小林芽久未 (Megumi Kobayashi)

平成4年生まれ。

株式会社テスティーの広報・ライターを担当。
若年層リサーチに特化したTesTeeにて、調査メディアの運営に携わり
女子高生や女子大生、10〜20代男女を対象に多様なジャンルにて調査を実施。
若年層マーケティングに助力するため、イマドキの若者の実態を発信している。

■企業情報
【株式会社テスティー】https://www.testee.co

■事業内容
・スマートフォンアンケートアプリの開発・運営
 「Powl(ポール)」https://static.powl.jp/lp/
・プログラミング不要のチャット型ツールの開発・運営。
 「Fast Sonar(ファストソナー)」https://fastsonar.com
・若年層/アプリに特化したモバイルネットリサーチ事業の運営
 「テスティーリサーチ」https://www.testee.co/research
・リサーチ結果を紹介するメディアの運営
 「TesTee Lab(テスティーラボ)」https://lab.testee.co