越境ECとSMS(ショートメッセージ)が相性のいい理由
越境ECではリピーター獲得など海外ユーザーへのマーケティングを考えている企業も多いのではないでしょうか。しかし、国内へのマーケティングと同じようにメルマガを送っても、リアクションが薄い。そもそも読まれているのだろうか、と疑問に感じたことはありませんか?実は彼らのコミュニケーションの主流が「SMS」である、ということが大きな理由と言えるかもしれません。
海外ではSMSが主流である
日本では馴染みが薄いSMS(ショートメッセージ)。「海外ではなぜSMS?」という疑問が浮かぶ方もいるでしょう。
そもそも日本においてSMSの影が薄かったのは、各キャリアが世界的な規格であるSMSよりもキャリアメールに力を入れていたから。2011年にキャリア間の送受信が可能となるまでは、異なるキャリア間でSMSの送受信ができなかったほどです。
結果的に、主な販促ツールはメールアドレスを登録してもらうことで送る「メルマガ」になったという背景があります。対して海外では、電話番号さえ交換すればやりとりができるSMSが日常的なコミュニケーションツールとして今でも多く利用されています。
SMSをマーケティングで使用するメリット
海外では日常的に使用されているSMS。越境ECのマーケティングツールとして企業側が使用するメリットをまとめてみます。
SMSのメリット
・電話番号だけでメッセージが送れる
(アドレスの取得、アプリのダウンロードの必要なし)
・ガラケーにも送れる
・「開封率」が圧倒的に高い(約90%)
・同じ番号を利用し続ける=永続性が高い
対してメールのデメリットをあげると、
・相手に伝わったのか(メールを見たのかどうか)が分からない
・1日に大量にメールが送られてくるため、埋もれやすい
・既読率が低い(約1-10%)
・恒例のあいさつ文が面倒(文面作成に時間がかかる)
加えてラインなどのアプリと比較すると、
・「インストール不要」で誰にでもメッセージが届けられる
・国によって主流が異なるアプリを気にしなくていい
などの利点が挙げられます。
「デフォルトでスマホ携帯に標準搭載」されているSMS。そのため、電話番号情報さえあればメッセージを送ることができます。それは、LINEやMessenger、What’s up?などのメッセージングアプリと比較した際にも、居住地や携帯の機種といった相手の環境を気にすることなく、より多くの人にメッセージを届けることができるという魅力があるのです。
なぜSMSの開封率は高いのか
様々な利点があるSMSですが、一番の魅力はやはり「開封率の高さ」と言えるでしょう。
メルマガの開封率が低い理由として、「埋もれてしまう」という点の他に、「メールアドレスはよく変更されてしまう」という懸念点があります。より気軽に複数のアドレスを取得できるようになったことで、既に使用されていないアドレス(捨てアド)にメールが届いていたり、迷惑フォルダに振り分けられているという可能性が開封率の低さに起因していると考えられます。
対して電話番号はMNP(ナンバーポータビリティ)の導入もあり、変更されることが少なくなりました。また、スマホ携帯に標準搭載されていることから、受け手がメッセージを受信したタイミングで「ポップアップ画面に表示」されるのも大きな強みです。受け手の通知設定やアプリの起動有無に関係なく、瞬時にユーザーの目に留まります。
越境ECにおけるSMSの用途
具体的に越境ECにおけるSMSはどのような用途で活用されているのでしょうか。いくつかあげてみます。
・セール、キャンペーン情報の配信
・新商品のお知らせ
・予約のリマインダー
・クーポンの配信
国内ではまだ「支払いの督促」などが主なSMSの用途ですが、越境ECでは、長く強い繋がりを顧客とつくることでのリピーター獲得を目的としたマーケティングツールとして活用されています。
まとめ
東京オリンピックを前に、今後ますます需要が拡大していくと言われている越境EC。日本製品は、アジアをはじめ海外から「品質が高い」と評価されています。せっかくの興味や繋がりを単発のみで終わらせてしまうのはもったいないですね。マーケット拡大のツールとしてSMSという手段を検討してみてはいかがでしょうか。