世界標準はEmailではなくSMS【越境ECセミナーレポート(上)】

CM.com Japan株式会社

4/23、渋谷ヒカリエにてCM.com Japan株式会社(シーエムドットコムジャパン、以下CM.com)による越境EC向けセミナーが開かれた。参加したのは海外ユーザーに向けて販促を活性化させたい企業の担当者や責任者。国内外におけるSMSを使用したマーケティング事例など、実例も含めた話に関心が集められた。

海外顧客にメルマガは届いていない?

「海外の顧客にEmailは読まれていません」。新規顧客やリピーターを増やそうと熱心にメルマガを送り続けている企業には、少々ショックな表題からスタートした。

では、何が読まれているのか。それは携帯の電話番号宛に届くSMS(ショートメッセージ)。セミナーの講師を務めたCM.comの中藤氏の話によると、海外でのEmailの開封率は1−2%。対してSMSは約85%になるという。

実際SMSで開封率は測れないため、これはSMSに貼られたリンクのクリック率やLPへの遷移率に基づいて算出されたデータだ。世界標準のマーケティングツールはEmailではなくSMS(ショートメッセージ)。海外ではマーケティングにSMSが広く利用されているのだ。

なぜ海外ではSMS?

「世界標準はSMS」と言われても、ピンとこない人も多いのではないだろうか。たしかに国内では、日常のやりとりにSMSが使われることはあまり多くない。

これには、日本と海外における携帯電話の歴史が関係しているという。10年ほど前を思い出してほしい。スマホが登場する前、90年代以降の第二世代携帯電話では各キャリアドメインのキャリアメールがコミュニケーションの軸だった。@docomo~や@i.softbank~というメールアドレスだ。

しかしスマホ時代になるとLINEなどのアプリが登場し、日常のやりとりはメールではなくセッセージングアプリに移行した。そして格安SIMの登場により、キャリアメールは益々使用されなくなった。むしろキャリアメールを使用しなくなったため、格安SIMへの移行に抵抗がなくなったとも言える。

対して海外では、ガラケー時代もキャリアメールは使われず、SMSが主なコミュニケーションツールであった。スマホ時代になり、メッセージングアプリが登場しても、SMSは使われ続けている。仕事や休暇で海外に行くことが多い人は実感していると思うが、ホテルやアパートメントのオーナー、現地で知り合った人とのコミュニケーションはSMSで行なっているのではないだろうか。

アプリは国や人によって使用しているものが異なるし、ダウンロードやアカウント交換の手間が発生する。何よりネット環境下でないと送受信ができない。メールも同様で、確認するのにタイムラグが発生する。SMSなら電話番号の交換のみでやり取りが可能で、予約や購買をする時にすでにユーザー登録で情報が提供されていることが多い。
 
国内ではLINEなどを使用してマーケティングを行なっている企業も増えてきているかと思うが、海外ではそもそもLINEが使われている国のほうが少ないし、「友達」になってもらわなければならない。それに引き換え、電話番号情報のみで送信ができ、かつポップアップで受信を知らせることができるSMSは最強の販促ツールなのだ。

メールアドレスが変わっても電話番号は変わらない

電話番号を使用したマーケティングの利点は、「開封率が高い」「(電話番号を)簡単に取得できる」の他にもある。それはメールアドレスのように頻繁に変更されないことだ。上段で格安SIM普及の後押しにキャリアメールが使用できなることの抵抗感がなくなったと述べたが、逆にNPM(ナンバーポータビリティ)のおかげで「電話番号は変えなくていい」という状況も後押しとなった。

たとえLINE電話やスカイプなどのNET通話が普及しても、「電話番号が変わる」ということに我々は強い抵抗感を覚える。瞬時に作成でき、何個でも登録できるメールアドレスと異なり、携帯電話1台につきひとつしか持てないということもあるだろう。もう何年も使用している番号に愛着があり、新しい番号を覚えるのが億劫、ということもある。また、個人情報の確認に電話番号を使用しているサービスも多く、番号が変わるといちいち登録しなおしたり、銀行などは店舗に印鑑を持って手続きに行かなければならない。
 
「一度行ったら数年後にしか次の予約ができないお寿司屋さんがありまして、、」中藤氏がいかに電話番号が変更されないかの事例を余談として紹介した。

「数年前に予約されたお客さんと連絡が取れなくなったことはないのですか?と聞いたら一度もないと言うんです」予約確認は電話で行われている。それほど、何年も電話番号は変更されないということだ。
 
逆に容易に増やせるメールアドレスは、メルマガなど受信BOXに溢れてほしくないメール専用の「捨てアカ」を用意している人も多い。もしくは未読の迷惑メールで溢れかえってしまったアドレスを「捨てアカ」にし、新しくアドレスを取得することもある。「無料で送れること」がメルマガのメリットだとしても、これではゴミ箱に送っているだけの無駄な作業になってしまう。

セミナー前半の話をまとめると以下になる。
・海外ではSMSが現在でも主なコミュニケーションツールである。
・SMSは電話番号情報のみで送信でき、電話番号は滅多に変わらない。

後半では実際にSMSを使用して行われたマーケティングの活用・成功事例を紹介したい。


著者

CM.com Japan株式会社 (CM.com Japan K.K.)

1999年オランダで設立し、SMS配信・SIPトランク、コミュニケーションアプリへのメッセージ配信などマルチチャネルメッセージングツールを単一プラットフォームで提供。RCSではGoogleとのオフィシャルメッセージングパートナーとして実装開始。WhatsAppをはじめ、Telegram、Takeaway.com、 ラボバンク、KLMオランダ航空等30,000社以上の顧客にサービスを提供。

https://www.cm.com/ja-jp/

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