GA4でLINE公式アカウントの効果を計測しよう

松元由布子

各種マーケティング施策の効果測定にGoogleが提供しているアクセス解析ツール「Google Analytics」を活用されている方が多いのではないでしょうか?

昨年2023年7月1日よりユニバーサルアナリティクス(以下UA)からGA4(Google Analytics4、以下GA4)に完全に切り替わりました。

UAとGA4では、UIはもちろん、指標の定義や計測の基本単位がセッションベースからイベントベースの計測に変更されるなど大きく変わりました。

そんな中、「GA4でLINE公式アカウントの効果をどうやって計測すればいいのだろう?」という方も少なくはないかと思います。

今回は、LINE公式アカウントからサイト訪問や売上(CV、コンバージョン)にどれくらいつながっているのかを、GA4の標準レポートをつかって計測する方法を紹介します。

パラメータ未設定の場合、LINEからの流入はdirect/noneに

特別な設定をしていない場合、GA4でのLINE経由のトラフィックは参照元/セッションが「direct/none」に振り分けられます。

direct/noneとは、参照元情報を持たないトラフィックを指します。例えば、ブックマークやURLを直接入力した場合のトラフィックなどがこれに含まれます。

つまり、LINE経由のトラフィックは、これらの参照元情報を持たないトラフィックと一括りになってdirect/noneとなってしまうため、LINE施策の効果計測が正しく計測できません。

▼[GA4] デフォルト チャネル グループ

カスタムURL(UTMパラメータ)を利用する

LINE施策の効果を正しく計測するためには、カスタムURLを利用します。

この記事では、カスタムURL(UTMパラメータ)を利用して、LINE公式アカウントからの ”セッションの参照元/メディア” を ”line/social” と分類し、かつ特定のキャンペーン単位で計測していきます。

UTMパラメータとは?(カスタムURL)

カスタムURLは、リンクURL に UTMパラメータを追加したものです。

カスタムURL例

カスタムURLは、URLとパラメータを ? で区切り、パラメータと値は = 、それぞれパラメータと値のペアを & でつなげます。

・utm_source
参照元、つまり具体的にどのサイトからのアクセスかを判定します。
上記例では”line”を指定しています。

・utm_medium
どのようなメディアからのアクセスかを判定します。
上記例では”social”を指定しています。

・utm_campaign
商品やサービス、プロモーションコードなどキャンペーンを判定します。
上記例では、メッセージの配信日を意味する”202400208“を指定して、キャンペーンを特定しています。
運営者が任意でわかりやすいものを設定します。

こうすることで、上記カスタムURLからのセッションはGoogle Analytics4の「参照元/メディア」で”line/social”として計測され、「キャンペーン」は”20240208″と計測されます。

※Googleが提供する Campaign URL Builder を使用すると簡単にパラメータつきのURLを生成できます。

▼[GA4] URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する

メッセージ内のリンク先URLにカスタムURLを設定しよう

前章で作成したカスタムURLをメッセージ内のリンクに設定します。

以下は、リッチメッセージのリンクにUTMパラメータ付きのカスタムURLを指定した例です。

こうすることで、このリッチメッセージからのトラフィックは、GA4で以下のように識別できるようになります。

参照元:social
メディア:line
キャンペーン:20240208

リッチメニューの各タップ領域の計測をしよう

リッチメニューの各タップ領域のリンクにそれぞれ異なるカスタムURLを指定することで各領域ごとの効果を計測できます。

メッセージだけでなくリッチメニューにも忘れずにカスタムURLを指定しておきましょう。

(A,B,C,Dそれぞれ異なるカスタムキャンペーンを指定することで各領域ごとの効果計測ができる)

リンクに指定するカスタムURLは、参照元/メディアはline/socialとし、キャンペーン名はrichmenu01、richmenu_newitem、richmenu_coupon、richmenu_memberscard などリッチメニューの各領域を識別しやすいよう任意のキャンペーン名をつけます。

例)https:// www.socialplus.jp/?utm_source=line&utm_medium=social&utm_campaign=richmenu01

GA4の標準レポートで確認しよう

LINE経由のセッション
カスタムURLを利用したLINE経由のセッションを標準レポートで確認します。

①GA4>レポート>集客>トラフィック獲得
②ディメンション:「セッションの参照元/メディア」を指定

③セカンダリディメンション:「セッションのキャンペーン」を指定

④フィルタでセッションの参照元/メディアがline/socialのものを絞り込む

⑥LINE経由のセッションをキャンペーン単位で確認できます。

LINE経由のコンバージョン
カスタムURLを利用したLINE経由のCVを標準レポートで確認します。
<前提>
 ●ここではGA4でCV計測をするための各種設定(カスタムイベントの設定及び「コンバージョンとしてマークを付ける」)が完了していることを前提とします。

[GA4] カスタム イベント|アナリティクスヘルプ

[GA4] イベントにコンバージョンとしてマークを付ける

①GA4>レポート>エンゲージメント>コンバージョン
イベント名「purchase」をクリック

②ディメンション:「参照元」、セカンダリディメンション:「キャンペーン」を指定
③LINE経由のコンバージョンがキャンペーン単位で確認できる

さいごに

今回は、GA4の標準レポートを使って、LINE公式アカウントの効果(サイト訪問やCVにどれくらいつながっているのかを、”特定のキャンペーン単位”で計測する方法を紹介しました。

GA4はとても高度な分析ツールです。
今回ご紹介した方法以外にも「データ探索(探索レポート)」を利用して、セグメントやディメンション、指標を組み合わせてオリジナルなレポートを作成することもできます。

LINE公式アカウントの各種キャンペーンの効果をしっかり計測していきましょう。

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※2024年2月22日時点のGoogle Analytics4(GA4)の仕様に基づき、解説しています。


著者

松元由布子 (Yuko Matsumoto)

ソーシャルログイン・ID連携サービス「ソーシャルPLUS」のマーケティング担当。2015年にフィードフォースに入社後、ブログメディア編集長としてコンテンツマーケティングに従事。2022年6月よりソーシャルPLUSに転籍し、現在に至る。会員IDとプラットフォームのID連携により、CV導線の簡略化から、友だち追加の促進、会員情報に応じたセグメント配信まで顧客体験を豊かにするためのLINEのCRM施策をご提案。

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