ネット通販「決済」最適化3つのステップと今後の展望

福本 朋哉

 十数年に渡って、200億円以上の広告費を預かり、数百回のA/Bテストを経て最適化したノウハウを通販広告主に提供している「売れるネット広告社」。

ネット通販に欠かせない決済の最適化について、3つのポイントでまとめています。

ネット通販(ネットショップ運営)に欠かせない「決済」

 なじみのある「コンビニ決済(後払い)」、「代金引換」、「クレジットカード」が基本となりますが、それに加えて最近では、大手モールや独自サービスにログインするだけで決済はもちろん、個人情報の入力まで完了するような「新世代型」とも言える決済サービスも普及しはじめており、この領域には新規参入も増えてきています。

 ネット通販事業者にとっては、決済代行市場が盛り上がり、競争が行われることで決済手数料の安価なサービスが登場したり、お客様の購入障壁を下げるようなサービスが登場するなど、様々なメリットがあります。

 ただし一方で、頻繁に新しいテクノロジーや仕組みが国内・海外から出現してきており、「どれをとり入れたら良いのかわからない」というお悩みもあるのではないでしょうか?

決済方法の最適化プロセスは3ステップ!

 多様化するネット通販の「決済」方法ですが、情報に振り回されてあれもこれもと手を出しても、導入に伴うシステム改修やオペレーションのコストばかりがかかり、結果的に決済手段が自分のネットショップに与えたインパクトについて、はっきりわからない・・・ということにもなりかねません。

 しっかりと見極めて、自分のネットショップにあわせた「決済」の最適化を実施してください。いきなり最終形を形作ろうとせず、下記のようなステップで最適化を進めてみていただければと思います。

ステップ1:まずは基本!「3大決済」!
ステップ2:セグメントや商材にあわせて、「デフォルト」を決めよう!
ステップ3:「新しい決済方法」をテスト!

ステップ1:基本は3大決済!

基本はやはり「コンビニ決済(後払い)」、「代金引換」、「クレジットカード」の3大決済です。それぞれメリット・デメリットありますが、この3つは外せません。消費者にとって、どれも馴染みのある決済手段ですので、網羅しておきたいところです。

 また、ネット通販事業者にとっても、代行会社のサービスが標準化しており、導入ハードルも低く、回収リスクも低く抑えられるようになってきております。

 ジャストシステムによるネットショッピング実態調査によると、決済方法において、8割以上の人が、この3大決済を利用しているとのことです。ネットショップを運営している人も、これから運営する人も、まずはこの3大決済の導入を基本として実施してください。

ステップ2:セグメントや商材にあわせて、「デフォルト」を決めよう!

3大決済を導入したうえで、次に、どの決済方法を「デフォルト」として使用するかを決めましょう。

 ネットショップやランディングページなど、「売り場」にたどり着いたお客様の前に立ちはだかるもっとも高い壁が決済の選択です。消費者に“お金を払う”ということを何よりも強く意識させてしまうこの瞬間を、いかにスムーズに通過させるかが、CVRはもちろん、LTVにも大きく関わってきますので、「最初に選択されている方法」である「デフォルト」が大きく意味を持ってきます。

 売れるネット広告社が、単品通販商品においてA/Bテストを実施したところ、デフォルトを「コンビニ決済(後払い)」にすることで圧倒的に高いCVRとなることがわかりました。「クレジットカード」の時と比べてコンバージョン率が約1.6倍上がるという結果がでています!
 
 ただし、これはあくまで単品リピート型商品において、広告入り口の新規顧客フェーズの場合です。実は「定期コースの継続率が高い」決済方法、つまり、LTVが最も高くなる決済方法は、「クレジットカード」です。

 そのため、売れるネット広告社では、2ステップマーケティングにおいて、『初回申込時は「コンビニ決済(後払い)」をデフォルトに設定し新客を獲得し、その後、定期コースにアップセルした後で「クレジットカード」支払いに切り替えさせる』という戦略をオススメしています。

 是非皆さんも、ネットショップの顧客層や商材特性にあわせて、仮説を立てたうえでA/Bテストを行い、最適な「デフォルト」を設定してください。

ステップ3:新しい決済方法をテストしよう!

 ステップ2で決済の基本形が固まったら、ようやく新しい決済手段導入のテストです!3大決済以外の新しいサービスの中には、誰もが知っている大手のサービスと連携できるようなものも多く、あれもこれもと欲張りになりがちです。しかしそれでは、CVRやLTVに影響が出た際に、どの施策が影響していたのかが判断できません。

 まずは基本を固めて、そこから少しずつテスト導入を繰り返し、それぞれの決済手段の影響をしっかり判断しましょう。

 特に新しい決済手段の場合、決済そのものはとても便利でも、決済手順のお客様認知が低いために一時的に成果がマイナスになることも考えられます。決済選択時のインターフェイスや、説明の分かりやすさもしっかりと考慮する必要があります。

以上、3ステップを実施して是非あなたのECサイトに最適化された決済方法を取り入れましょう!

気になる新しい決済手段。顧客層にあわせて、仮説を立てながら選択しましょう!

 最近になってプレイヤーが増加しはじめている「新世代型」決済は、ネットショップや商品の属性にあわせて、仮説を元に選択していきましょう。

①大手モールやサービスサイトが行っている決済で、サービスにログインするだけでクレジットカードの入力が不要な決済(PayPal、Amazonログイン&ペイメント、楽天ID決済、キャリア決済など)
②プリペイドしておいたWebマネーから決済できたり、簡単な登録でまとめて後払いできたりする決済(LINE Pay、Paidyなど)
③越境決済に対応しているサービス(PayPal)

 など様々。どのサービスも消費者にとって便利で使い勝手のよい方法で、魅力的に見えることでしょう。

決済サービス表

 これらの新しい決済サービスは、大手サービス間の囲い込み戦略を背景として展開してきましたが、新しいテクノロジーや仕組みをもつ新興サービスの成長も相まって、今後は淘汰も起こってくることでしょう。

 サービスの特性とネットショップの顧客属性などを鑑みて仮設を立てて選択し、テストしてみてください。そうすれば、きっとあなたのショップに最適な決済方法の組み合わせが見つかることと思います!!

追伸

 売れるネット広告社が監修している「売れるネット広告つくーる」では、複数のクレジットカード決済代行や後払いと連携が可能です。さらに、最近では3大決済を一度に契約可能なヤマトフィナンシャルのサービスと連携しました。ランディングページでの決済選択にお迷いでしたら、ぜひお問合せください。

 その他にも売れるネット広告社では日頃よりネット通販におけるA/Bテストを行っております。社内に溜まったノウハウの一部を無料で公開するセミナーも行っていますので、ぜひ確認してください!



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著者

福本 朋哉 (fukumoto tomoya)

映像制作やWeb制作/インテグレーションに従事したのち売れるネット広告社入社。
ランディングページの制作責任者や、コンサルティング責任者、管理部門長(CFO)などを経験。
現在は、D2C(ネット通販)の費用対効果を改善するクラウドサービス「売れるD2Cつくーる」開発/サポート責任者。
2016年アドテック関西にて人気スピーカーランキング14位入賞。薬事法管理者資格取得。

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