支援からビジネスへ、Yahoo!復興デパートメント刷新

ECのミカタ編集部

ヤフー株式会社は、7月12日、インターネット通販で東北の産業を盛り上げる「復興デパートメント」を「東北エールマーケット」に改称し、サイトを全面リニューアルした。出店店舗と商品の品ぞろえを約2倍に拡充したことに加え、旬の食材を使ったレシピ等のコンテンツもより充実させ、「復興支援のために買う」から「東北の本当に欲しいものを買う」モールに生まれ変わった。

なぜいま? ヤフーと東北、新たな挑戦の理由

 「復興デパートメント」は、東日本大震災によって販路が失われてしまった様々な商品を、インターネット通販を活用し全国に発信・販売していくことを目的に、2011年12月にオープンした。「東北を応援したい」というユーザーの思いに支えられ順調に売上をのばし、2016年3月には過去最高の月次売上高を記録するなど、成長を続けている。


 東日本大震災から6年目を迎えたいま、Yahoo!JAPANは、「復興支援」の次なるステップへ進め、今後もインターネット通販モールとして発展を続けることで、東北に腰をすえて地元の人々とビジネスを育てていく決意を新たにしようという思いから、「“復興”デパートメント」の名前を「東北エールマーケット」とし、リニューアルした。

 「東北エールマーケット」のという名称には、東北へエール(声援)を送りたいという思いだけでなく、東北からも商品を通じたエールを全国に発信していきたい、という思いが込められている。また、継続的な成長のため「復興支援のために買う」のではなく、「本当に欲しいものを買う」モールに変わるため、顧客分析の結果に合わせた出店店舗、商品の品ぞろえの拡充を行った。

 また、旬の食材を使ったレシピ提案、他では買えない「東北エールマーケット」ならではの商品の紹介などのコンテンツもこれまで以上に充実している。今後は、インターネット通販だけでなく、実際に商品を手にとっていただけるようなリアルイベントや、東北へ足を運び様々な体験をしていただけるツアー等の企画も予定しているそうだ。

ECのインフラは、継続的な復興支援を可能にする

 東北支援に関して、ヤフーは、震災直後の義援金による支援などを始め、2014年からは検索募金企画「Search for 3.11 検索は応援になる」を開始したり、震災後から収集してきたデータを公開したり、ヤフーの持つ基盤を活かした活動を行っている。今年は、チャリティーオークションが開催されたり、9月にはツール・ド・東北が開催されたりもする。

 震災直後は緊急の物資や資金が必要となるが、その緊急時を過ぎた時、また別の角度からの支援が必要となる。また、物の支援だけでなく、「忘れない」という心の支援も、長期的な視点で考えたときに非常に重要だ。ヤフーの活動は、この長期的な、物と心と双方の支援を実現しているのではないだろうか。

 それができるのが、ECモールという物が流れる基盤を持っているということ、そしてモールだけでなく、ヤフー全体で、メディアとして情報を持ち、人々に対する発信力が強いということも大きな要因だろう。それは、3.11震災だけでなく、今年の4月に発生した熊本・大分での地震でも活かされているように思う。

 また、これはEC自体の可能性に通ずるのではないだろうか。物を動かす流通を持ち、インターネットを通じて発信力を持つ、このECのスタンスは、ただ商品を売ること以上に、社会的な影響力を持つこともできるのだ。日本全国の想いを、モノに込めて行動に繋げていける。ECはみんなの意を結集するのに最適な“メディア”であるように思う。

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