テモナ、新サービスで定期購買型もトータル支援

利根川 舞

米国で人気のサブスクリプションコマース、日本では?

 毎月一定額の料金を支払うことで、ネットショップのオススメ商品が届く定期購入型の販売モデル、”サブスクリプションコマース”。「商品を選ぶ手間が省ける」「予想外の出会いを楽しめる」といったメリットがあり、海外では米国を中心として人気を集めている。

 サブスクリプションコマースは「選ぶ時間をかけずにいい買い物がしたい」という消費者と、「在庫をおさえつつ安定的な売り上げをあげたい」という事業者側のニーズがマッチし、米国を中心に普及。「洋服、靴、アクセサリー、化粧品」といったトレンドが重視される商品をモデルやデザイナーが厳選して届ける形式や、「本、雑貨、趣向品」など好みがわかれる商材を消費者の趣向に合わせて届ける形式が特に人気だ。

 日本でもネットショップが増え続けている状況下で、消費者は多すぎる選択肢に悩み、事業者は顧客の獲得に悩んでいる。この両者の悩みを解決する新たなビジネスモデルとしてサブスクリプションコマースが注目されている。

 例えば有限会社 油忠が運営する「SAKELIFE」では1000以上の全国の銘柄から、創業500年の老舗酒屋店主が厳選した日本酒を定期的に届ける。また、株式会社エアークローゼットが運営する「airCloset」ではプロのスタイリストが消費者にあった服をパーソナルコーディネートして、月に何度でも届けてもらうことができる。

TEMONAが日本のサブスクリプションコマースを活性化

TEMONAが日本のサブスクリプションコマースを活性化

 これらの状況を背景に、リピート通販支援サービスを提供するTEMONA株式会社(以下「TEMONA」)は本日から通販事業者向けの事業支援サービスとして「たまごサブスクリプション」の提供を開始する。

 「たまごサブスクリプション」は、システムの提供に加えて、実践塾という形式で商品開発・事業計画・広告支援・顧客管理に関するコンサルティングまで、サブスクリプションコマース事業を立ち上げるための支援を一貫して行っていくもの。サブスクリプションコマースの日本での普及を目的としている。

 TEMONAはリピート通販支援サービスである「たまごリピート」をおよそ 7年間に渡って約1000社の通販事業者に提供してきた。こうして培ったノウハウを発信することで、通販業界のさらなる発展を目指しており、サブスクリプションコマースに関するセミナーも度々開催している。

 その過程で、サブスクリプションコマースを始めたいと考えているものの、具体的な方法がわからず一歩を踏み出せないEC通販事業者が多くいることが判明した。そして、そういった事業者に対して、事業の立ち上げからサポートをすべく「たまごサブスクリプション」のサービス開始に至ったという。


 実際のところ、サブスクリプションのニーズは高まっているのだろうか。この点に関して言えば、7月の上旬にはGMOペイメントゲートウェイの決済サービスがZuoraR(日本法人:Zuora Japan株式会社 以下、Zuora)の提供する、サブスクリプション・ビジネス向けプラットフォームに決済パートナーとして採用。サブスクリプションコマースへの注目が高まるにつれて、それらをサポートするサービスも続々と増えている。

 型番商品などを含め、他の店舗が販売する可能性の高い商品ではなかなかオリジナリティを出すことは難しい。そこで、「”プロ”や”目利き”が選んだ商品」という点でオリジナリティを出すなど、売り方の独自化が必要なのである。

 今、ECのメディア化やメディアのEC化など、商品の売り方が変化しているが、その手段の一つとしてサブスクリプションコマースを始めるEC事業者も増えていくにちがいない。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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