中国EC成功の鍵はロジザードZERO?現地法人設立

ECのミカタ編集部

ロジザードが中国法人を設立

 倉庫管理・在庫管理システム(WMS)「ロジザードZERO」及び店舗管理・在庫管理システム「POSぴた」を提供するロジザード株式会社(以下、ロジザード)が、中国・上海に現地法人「龙骑士供应链科技(上海)有限公司」を設立し、業務を開始したことを発表した。

 設立の目的としては、ロジザードZEROの中国向けブランド「e倉管」の導入・運用・コンサルティングサービスを提供するためである。中国における物流業務の強化は、中国でのEC事業を成功されるためには、重要な要素の1つと言えるだろう。

ロジザードZEROとは
 クラウド倉庫管理・在庫管理システムであり、在庫の把握と作業の支援を行う。サービスの導入により「誤出荷でクレーム続出」「欠品などで信用低下」「出荷に追われて残業続き」といった悩みを解決してくれる。具体的には、無線ハンディターミナルを使ったバーコード検品を行うため誤出荷ゼロを実現したり、商品の移動を全てバーコード管理することにより正確な在庫管理をリアルタイムに実現したり、フリーロケーション管理を取り入れることで個人の経験に依存することなく誰でもカンタンに作業ができるようになる。

設立の経緯と意図とは?

中国でインターネットを使用するビジネスを開始する問題点
 中国でインターネットビジネスを開始するにあたって、当局から許可を取ることが外国企業にとっては困難であった。そのためロジザードZEROを中国で提供するには、クラウド型ではなくサーバー等の設備をそれぞれの倉庫内のLANへ収容する方法でのサービス提供となっていた。クラウド型であれば専用のPCも必要なく、安定したインターネット環境さえあれば海外での利用も問題なかった。しかし現状はクラウド型での提供が困難であるため、日本での提供料金よりも高額で導入期間も長くかかっていた。

中国でのインターネットビジネスへの問題点解決のために
 この度ロジザードZEROのOEM契約を締結している晟元信息技术(大连)有限公司が、ロジザードZEROの中国向けブランド「e倉管」のサービス提供を開始した。OEMにより中国企業のサービスとなったことで、ロジザードの倉庫管理・在庫管理システムがクラウドサービスとして使えるようになった。日本と同様のサービスメニューで利用でき、ハンディターミナルのレンタルでの提供も可能となった。また、人民元での決裁が行えるようになったため取引コストも軽減される。

 そして今回、そのロジザードZEROの中国向けブランドである「e倉管」の導入・運用及びコンサルティングサービスを提供する法人「龙骑士供应链科技(上海)有限公司」がロジザードによって設立された。これにより設立した法人は「e倉管」の代理店として、日系企業に対して導入運用コンサルティング・要件定義支援・導入作業・運用サポートを提供することができる。

サービス提供においての動き
 日本語で案内を行うことが可能なため、スムーズに安心して中国国内で「e倉管」を利用することが可能になる。また、倉庫管理・在庫管理システムにとどまらずにこれまでロジザードが築いてきた上海企業のERP・POS・EC管理といった連携製品の提案や、物流を必要とする企業に「e倉管」を利用している物流企業を仲介する等といった動きを見せていく方針である。

中国EC成功の鍵は、物流の強化?

 ロジザードが中国の上海に現地法人を設立したことにより、日本の企業はより事業を中国展開しやすくなることが予想される。ロジザードZEROは日本ではコストパフォーマンスの高さや365日電話対応のサポート体制といった顧客に寄り添ったサービスとして注目されている。そして2016年6月時点で取り扱い出荷件数は4,005万件にのぼる。そんなサービスが今回中国でも利用できるようになり、導入にあたって現地法人のサポートも受けることができる。

中国でEC事業を成功させるために
 「e倉管」による物流の強化は、中国でEC事業を成功させるための鍵を握るだろう。その理由は、中国消費者が商品購入の検討を行う際に、口コミの影響力が大きいからである。ソーシャルメディアなどで日々商品に対しての口コミが広まっており、商品購入を検討している消費者は中国最大のソーシャルメディアの「微博(ウェイボー)」などで情報収集を行う。

 その際に良質な口コミが掲載されている商品は購入に繋がりやすいが、イメージが悪い口コミの商品は購入に繋がりにくいだろう。消費者1人1人の発言影響力が大きいことを念頭に置くと、物流から中国消費者の満足度を上げておくことで、相対的に口コミの評価も上がるのではないだろうか。

 在庫が把握できていなかったり、業務が立て込むことによる「誤出荷」「欠品」といった事態は日本でも勿論だが、口コミが大きい中国においては避けたい事態である。お客様満足度が口コミになり、口コミがお客様を呼ぶことを考えると、まずは物流を強化していくことが重要なのではないだろうか。そういったことを踏まえるとロジザードZEROの中国向けブランド「e倉管」は、日本企業の中国でのEC事業を成功させる一手となるはずだ。

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