国内初!スマホと横浜銀行の口座が連動し即座決済へ

ECのミカタ編集部

 総合的な決済関連サービス及び金融関連サービスを展開するGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、GMO-PG)は、株式会社横浜銀行(以下、横浜銀行)と共に、銀行口座と連動したスマホ決済サービス「はまPay」を共同で開発し、2017年3月から提供することを発表した。

 今回は、「はまPay」が誕生した背景・概要に加え、利用者・店舗側のメリット、セキュリティ対策などについて紹介する。

国内銀行初の取り組み

国内銀行初の取り組み

 「はまPay」は、横浜銀行と契約した店舗で代金を支払う際に、顧客が専用のスマートフォンアプリを操作し、事前に登録した横浜銀行の口座から代金を即時に引き落とすというものだ。これまでも、加盟店ごとに口座振替契約をしておけば、スマホから支払いできるサービスはあったが、どこの加盟店でも、スマホで即時に支払いができるという取り組みは国内銀行初ということである。

 もちろん、飲食店・アパレル等のリアル店舗での支払いから、病院の診察代・学習塾の授業料の支払い、社員食堂や学校の売店など職場での支払い、ネットショップでの支払いまで、オンライン・オフラインや物販・サービスを問わず、あらゆるシーンでの利用が可能となっている。

利用者・店舗側が「はまPay」を利用するメリット

利用者・店舗側が「はまPay」を利用するメリット▲サービス利用例

利用者のメリット
・スマホにアプリをダウンロードし、自分の銀行講座を登録するだけで、簡単に利用できる。
・店舗での支払い場面では、”チェックイン”して暗証番号を入力すると、代金が即時に引き落としされる。
・横浜銀行とスマホ決済の利用契約のある加盟店ならば、どこの加盟店でも利用できる。
・店舗からのクーポン受信、スタンプカード機能などを一元管理できる。

 以上のように、スマートフォンと口座を連動させることにより、利用者は即座に代金の支払いをすることができ、なおかつお得なクーポン情報なども1つのアプリで一元管理できるので、利用が促進されるということである。

店舗側のメリット
・加盟店向けアプリで決済処理を行うため、カード端末等の決済機器が不要。
・横浜銀行が1日分の売り上げ代金の入金を翌日に行う。
・決済した利用者の来店・購入履歴などの情報は、データベースとして店舗側の管理アプリに集積される。
・現金の授受がないため、スムーズなレジ業務が可能になる。

 以上のように、店舗側としても、単に決済業務がスムーズになるだけではないのだ。例えば、売り上げ代金が翌日に入金されれば、資金繰りも楽になるだろう。また、決済システムがそのままデータベースとして活用できるということで、リピート購入の促進や利用単価の向上につながるマーケティング施策などに有効に活用することもできるのである。

 便利な「はまPay」だが、銀行講座とスマートフォンが直接連動するということで、セキュリティ面が心配になる方も多いだろう。だが、「はまPay」のセキュリティ対策は磐石で、「ワンタイムパスワード配信」やログイン時・決済時の「6桁パスワード入力」、さらには「指紋認証」などの認証機能の搭載を予定しているということだ。そして、万が一のID・パスワードの流出に備え、普段利用している端末以外からのアクセスがあると決済利用を不可とし、本人による再開処理を必要とするという。

今後の展開

 GMO-PGでは、今回開発を進める銀行口座と連動したスマートフォン決済サービスを、他の地方銀行や金融機関などでも展開していきたいということである。また、購入者の利用金融機関を問わずにこのサービスで支払いができるような、地域を超えたサービス連携も目指しているのだ。

 そして、スマーフォトフォン決済サービスをベースに、資産管理・融資・投資・地域通貨などの金融サービスとの連携、海外決済導入等のインバウンド施策、EC展開や地域活性化の仕組みなども組み合わせるそうだ。

 このように、GMO-PGは、キャッシュレス化推進、地方創生、利用者の生活に密着したサービス提供など、諸社会問題を解決しつつ、人々の生活を豊かで快適なものにすることを目指しているようである。

 また、横浜銀行は24時間決済化に向けて積極的な銀行であり、このことは、過去にも触れさせていただいた。銀行の変革は、ECの決済シーンを変える可能性があり、クレジットや後払い決済など、通常の決済に少なからず影響を及ぼすことも考えられる。

 もちろん、スマートフォンと口座が直接結びつくということは、クレジットカードの利用頻度が減ることにもつながるため、クレジットカード会社側も何か対抗策を打ち出してくるかもしれないのである。ゆえに、決済に関するサービスの今後の展開にはさらに注目する必要があり、利用者と店舗の双方にとってメリットのある方法を選び取っていく必要がありそうだ。


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