GMOメイクショップ、円安とインバウンド回復で加速する越境EC市場を分析

ECのミカタ編集部

GMOインターネットグループのGMOメイクショップ株式会社(代表取締役社長CEO:向畑憲良、以下「GMOメイクショップ」または「同社」)は、ECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」において提供している『海外販売機能』のデータをもとに、2022年4月から現在まで約1年間の越境ECの傾向を分析し、その結果を公表した。

海外流通額は2億円を突破

同社の『海外販売機能』は、海外ユーザーからの注文をジグザグが代理購入する仕組みとなっており、海外向けの決済や配送、顧客対応の必要もなく、「makeshop byGMO」の管理画面から申し込みをするだけで越境ECを始めることができるという。

国内でのEC運営費以外に追加の費用負担がなく、手軽に始められるにも関わらず、『海外販売機能』経由で月数十万円~100万円以上の売上をコンスタントに獲得できるショップも出てきているそうだ。

同社によれば、提供開始から約1年の2023年3月末時点での累計の流通額は、2億円を突破した。インバウンドの回復から、日本の商品に対する海外からの注目はこれまで以上に高まることが予測されるため、2023年はさらなる成長が期待できると述べている。

トップ3は、アメリカ・香港・台湾

トップ3は、アメリカ・香港・台湾

国別の注文数と流通額のデータを見ると、『海外販売機能』の提供開始当初2022年4月~5月のデータにおいて、注文数は、1位アメリカ、2位香港、3位台湾の順になっていた。

流通額では、1位香港、2位アメリカ、3位台湾という結果だった。それが、2022年4月~2023年3月の1年間のデータでは、流通額・注文数共に1位アメリカ、2位香港、3位台湾に変化した。

構成比では、流通額のうち35%、注文数のうち30%をアメリカが占める結果となり、続く円安傾向の影響もあり、アメリカからの注文数・流通額が共に1位になったことになる。

売れているカテゴリ1位は「ファッション・ブランド」

売れているカテゴリ1位は「ファッション・ブランド」

『海外販売機能』における2023年4月の商品カテゴリ別ランキングでは、「ファッション・ブランド」が1位となり全体の39.5%を占めた。次いで2位「おもちゃ・ホビー・ゲーム」が13.3%、3位「家電・AV機器・カメラ」8.8%となった。日本製の高級腕時計や、アニメやゲームの関連グッズなど海外にも多くのファンがいる商品は継続的に売れている傾向があるとしている。

一方、国内の流通額では「ファッション・ブランド」に並ぶほど売上が高い「フード・菓子」ジャンルは、海外経由のランキング下位となった。この背景には、海外に商品を発送するため、常温保存が可能で賞味期限にも余裕がある商品でなければならないという食品独自の事情から、「フード・菓子」ジャンルのショップにおける『海外販売機能』の導入数が少ないことが影響していると分析している。

サマリー

調査結果にあるように、『海外販売機能』提供開始1年で導入店舗数は8倍に増加し、海外流通額は2億円を突破。海外注文だけで月商100万円以上の店舗も増加傾向、2023年も成長が見込まれるとしている。また、国別注文数・流通額ランキングトップ3は、「アメリカ・香港・台湾」であり、売れている商品カテゴリランキング1位は「ファッション・ブランド」だった。

経済産業省によると、2019年の世界の越境EC市場規模は7800億USドルと推計されており、それが2026年には4兆8200億USドルまで急拡大すると予測されている。こうした中、GMOメイクショップは、加速する越境EC市場へ参入支援を強化するため、2022年3月に越境EC支援サービス「WorldShopping BIZ」を提供する株式会社ジグザグ(代表取締役:仲⾥⼀義)と資本業務提携を実施した。

その上で2022年4月より「makeshop byGMO」と「WorldShopping BIZ」を連携した『海外販売機能』の提供を開始し、今回の公表にあるような成果へとつながっている。同社は、集まったデータの分析をもとに『越境EC市場のトピック』を紹介し、今後も拡大が予測される越境EC市場の傾向を発信することで、EC事業者の越境ECへの参入を後押しするとしており、今回のマイルストーンを通過点として、海外展開を企図するEC事業者支援が、さらに加速することになりそうだ。


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