独占!ECサミット潜入!懇親会で語られた店の本音とは?

石郷“145”マナブ

ECサミットは第4回目!今年はTEKが主催で名古屋

ECサミットは第4回目!今年はTEKが主催で名古屋

 ネット通販を自らやると言っても、それは見えない未来との戦い。「何をどう売ればいいのか」で100%正しい答えはない。救いとなるのが想いをともにする同士の存在だ。

 商売に前向きで行動的な店舗たちが声を掛け合い、全国に広がったのが、ECに関係する勉強会や協会。その関係者が旗振り役となって、年一回、イベント「ECサミット」を開催している。今回の開催場所は、名古屋である。集まったのは、北海道から沖縄まで200人ものEC関係者。賑々しい会場の雰囲気が、店からの支持の度合いを示している。

 今回の主催を担当している協会はTEKで、共催はJ-FECとEBS会である。

勉強会は電通の菅野 薫さんらが登壇

勉強会は電通の菅野 薫さんらが登壇

「ECサミット」は、勉強会と懇親会からなる。勉強会は二部構成。第一部は、電通の 菅野 薫さんによる「世界が驚くデジタルクリエーティブ」、第二部は、コルク 佐渡島庸平さんと游仁堂 金田修さんによるトークショー「ストーリーの時代のEコマース」だ。

 特に、電通の 菅野 薫さんは、リオオリンピックの閉会式の東京のプレゼンタイムで競技場にARで画像を浮かび上がらせるアイデアを出した張本人はこの方である。

 彼の仕事はパワーポイントでは表現できない、企画のプレゼンがあるはずだとしており、手がけて来た広告もそれで成しえて来た。印象的なのは、HONDAのコマーシャル。偉大なF1レーサー「アイルトン・セナ」を題材にしたCMながら、そこにはセナの写真も動画も登場させない。それでもなぜにそのCMを見て、セナを思い浮かべるのか、菅野さんが着目したのは音。

 エンジン音のデータは分析すると、どのコースを走っていたか予測できるという。そこに着想を得た、同氏は、その当時、本当にセナが走った軌跡を正確に出し、そのコースと走るスピードを、光の流れと音を使って指し示した。それを見た、HONDAの社員やファンは、光と音を追うことで、そこに今は亡きセナがいるかのように想像力を掻き立てる。・・と言う具合だ。

 あるままをそのまま、伝えるだけではお客様に響かないのは、ECだって同じ。手法は違えど、手元にある材料を使ってお客様の気持ちをもり立てようと言う本質的な部分に変わりはない。ECと関係がないかもしれないが、学びはあったように思う。

本音で語り合えるからこそ、店にとっては大きな存在

本音で語り合えるからこそ、店にとっては大きな存在

 懇親会にも顔を出したが、これだけ人が集まるといろんな声が聞かれるもの。どことは書かないがある特定のショッピングモールに距離感を感じている人もいた。理由を聞くと、「店舗を育てていこうと言うよりは、まず広告ありきと言う雰囲気があるから、お会いしましょうと言われても断ってしまう」と。それに「仲良くなろうとしてもそもそも担当がコロコロ変わってしまうのです」とも。本来、相談する相手がモールになりえていない部分があることはモールにとっての課題ではないか。

 だから思う。こういう集まりで店舗が一堂に会して、本音で語り合える同士がいることの意味を。冒頭にも書いたとおり、同じ目線で、同じような悩みを抱える人たちがこうやって、自分たちの成長を思い、議論することが、店舗運営の上で、どれだけ支えになるか。今全国各地で広がる協会の重みを、このECサミットで強く感じた次第だ。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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