アスクル、IBM Watsonの強みを生かし、AI接客“マナミさん”の魅力が向上

石郷“145”マナブ(編集長)

 アスクル株式会社は、BtoC向けに生活に必要なアイテムを販売する「LOHACO」を運営しているが、その中で、お客様からの問い合わせに、チャット形式で答える「マナミさん」をサイトに導入して、問い合わせ業務に係るコストを軽減し、お客様の満足度を高めて話題性を集めている。

 いうまでもなく、「LOHACO」は、“くらしをかるくする”をコンセプトに、日用品をはじめ飲料・食品、酒類、化粧品から医薬品まで、いつでも低価格かつスピーディーに届けるECサイトだが、ここでの商品購買データをもとに、新規商品の開発などに取り組むなど、通常のECサイトとは違った、テクノロジーを駆使した新たな動きを見せていて興味深い。それだけに、この「マナミさん」も彼ららしく、テクノロジーを駆使した、人工知能型で、人間に近い対応を実現させ、お客様対応の作業効率に大きく貢献しているのだ。

 今回のニュースは、まさに、この「マナミさん」を進化させ、会話エンジンに、らいあコミュニケーションズ株式会社が提供する「IBM Watson」をベースとした対話システム「バーチャルエージェント」を導入することにある。

IBM Watson とマナミさんの遭遇はどうして?

 りらいあコミュニケーションズは、ソフトバンクが日本 IBM と共同で提供する「IBM Watson エコシステムプログラム」にテクノロジーパートナー として参画している。ここでいうエコシステムとは、IBM Watson のコグニティブ・サービスに関わる付加価値サービスを提供する仕組みのことだ。

 一方、「LOHACO」では、2014 年 9 月よりサイト内にマナミさんを導入し、チャットボットによる 24 時間 365 日 のスピーディーな応対と、スタッフによる丁寧な応対とを両立させ、お客様の満足度向上に努めてきた。

 では両社の結びつきの必要性はどこにあるのだろうか?従来のマナミさんの学習プロセスは、お問い合わせ対応履歴の中から、マナミさん が回答できなかった質問を抽出し、これに対する適切な回答文をデータベースへ入 力して回答の精度を高めるというものだった。ただ、そこで課題となったのは、回答精度向上にかかる工数削減だ。

アスクルの新しい一面を引き出す「 LOHACO」。業界を変える風になれ!

 そこで 「IBM Watson」をベースにした対話システムを導入し、「IBM Watson」が得意とす る自然言語の解釈と学習機能を活用することで、マナミさんは実際のお問い合 わせ対応を通じて学習し、より確度の高い答えを導き出すことが可能になったわけだ。その上、これにより、お問い合わせの回答精度を高める学習プロセスの大半がシステム化・自動化され、「マナミさん」の運用負担を大幅に軽減させることが可能となったのだ。

 着実に、通常のECサイトの概念にとらわれることなく、独自のカラーで自ら勢いをつけていく『LOHACO』の動向は、これからのECサイトの未来を考える上で、その一つ一つ、細部にわたるまで、注意深く追いつつけていくべきだと言えるだろう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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