楽天リサーチとアイリッジがO2O調査サービス「popinfoリサーチ」を共同提供/Apple社iBeaconにも対応

■データ収集と来客促進に役立つ一石二鳥の技術

「popinfoリサーチ」は、スマートフォン向けのプッシュ通知機能を使った調査サービスだ。IT関連企業アイリッジが、O2O(オー・ツゥー・オー)ソリューション「popinfo」の位置連動型情報配信技術を用いて開発した。
展示会場や商業施設などの施設近辺に来訪したスマートフォンユーザーに対して、アンケート依頼を配信する。

アンケートは楽天リサーチが作成して、調査・分析し、顧客企業がマーケティング施策に活用できるよう、データをレポートとして提供する。

「popinfo」はGPS、Wi-Fi、そしてApple社が商標登録したBluetooth 技術のひとつであるiBeaconを利用した位置情報配信にも対応しており、位置情報、時間属性など、配信対象を絞り込むことで、よりユーザーに最適化された情報の配信ができるものとなっている。

このサービスにおけるアンケート回答者の対象は、「popinfo」を導入したアプリをインストールしているスマートフォンユーザーで、回答すると展示会場や商業施設で使えるクーポン券や商品券などが提供される。
データを収集できると同時に、集客にも役立つというわけだ。

プレスリリースによると、利用想定シーンとしては、つぎのようなものが挙げられている。

・商業施設への来館ユーザー向けアンケート(ショッピングセンター、百貨店等)
・特定店舗への来店ユーザー向けアンケート(飲食店、小売店、サービス店等)
・イベント・展示会来場者向けアンケート(イベント総合評価、個別出展ブース評価等)
・観光地、テーマパーク来訪者向けアンケート(観光見所、アトラクションの評価等)

■スマートフォンの利用普及で拡大する「O2O」

「O2O」とは「オンラインto オフライン」の略で、インターネット上で利用するサービス(オンライン)を用いて、顧客に実店舗(オフライン)へ誘導する、最近注目のマーケティング手法だ。

ただし、言葉としては新しくても、コンセプトそのものはかなり以前からあった。例えば、携帯電話へセールの情報を配信し、店舗に来てもらうといったことが行われていた。
それが急に注目を集め始めたのは、スマートフォンの普及と関連している。

スマートフォンがあれば、ユーザーはいつでもどこでも手軽に情報を入手することができる。またスマートフォンの普及に伴って、SNSの利用も拡大。ショップや企業の側からも、SNSを通してユーザーとのコミュニケーションをはかって潜在的なニーズを引き出したり、ファンになってもらったりする試みが加速している。

セール情報を流したり、ポイントを提供したりして、来店をうながす工夫は、これからのビジネスでは一般化しそうだが、その中でも「popinfoリサーチ」はデータ収集もできる点で、独自なものになっていると言えるだろう。