アリババグループが3月および2018年度の決算内容を公表

アリババグループは、2018年3月31日までの第4四半期決算及び、2018年度の決算内容を取りまとめ、その内容を公表した。

注目が集まるアリババグループの決算内容は？

オンライン・マーケット分野での世界的なリーディング企業であるアリババグループは今回、2018年3月31日までの第4四半期決算及び、2018年度の決算内容を取りまとめ、その内容を公表した。

直近でも、中国国内のみならず、日本国内の企業とも連携を加速し、ベビー・マタニティ市場や越境ECの分野でも矢継ぎ早の施策を展開してきた同社。その巨星ともいえるアリババグループの最新の決算内容に注目が集まる。以下その概要について見て行く。

第4四半期収益は、昨年比61％増

第4四半期収益は昨年比61％増の619.32億元(98.73億USD)となった。中核のEC事業の収益は昨年比62％増の512.87億元（81.76億USD）クラウドコンピューティングの収益は昨年比103％増の43.85億元（6.99億USD）デジタルメディア及びエンタテイメントの収益は昨年比34％増の52.72億元（8.４億USD）だった。

また、技術革新への取り組みなどによる収益は昨年比8％増の9.88億元（1.58億USD）2018年3月までのモバイル端末におけるアリババの中国小売プラットフォーム月間アクティブユーザー数は6.17億人に達し、2017年12月より3700万人増を実現。年間アクティブコンシューマーは5.52億人に上った。

全体の営業利益は92.21億元(14.7億USD)で、調整後EBITAは昨年比11％増の168.05億元（26.79億USD）。中核EC事業の調整後EBITAは昨年比19％増の221.86億元(35.37億USD)だった。

第4四半期ハイライトのインフォグラフィック（アリババ社作成）。

2018年3月31日までの年度決算も好調

2018年度のアリババグループの収益は合計約2502.66億元(398.98億USD)、昨年比58%増となった。中核のEC事業の収益は昨年比60％増の2140.2億元（341.2億USD）、クラウドコンピューティングの収益は昨年比101％増の133.9億元（21.35億USD）、デジタルメディア及びエンタテイメントの収益は昨年比33％増の195.64億元（31.19億USD）となった。

また、技術革新への取り組みなどによる収益は昨年比10％増の32.92億元（5.24億USD）、2018年3月までのモバイル端末におけるアリババの中国小売プラットフォーム月間アクティブユーザー数は6.17億人に達し、2017年3月時点のアクティブユーザー数より9800万人増を実現。年間アクティブコンシューマーは5.52億人に上った。

アリババの中国小売プラットフォームにおける流通総額は4兆8,200億元（7680億USD）、年間成長率は28％増と加速（昨年度の年間成長率22％）している。天猫における実物商品の流通総額に関しても昨年比45％増となっている。

全体の営業利益は693.14億元(110.5億USD)で、調整後EBITAは昨年比40％増の970.03億元（154.65億USD）。中核EC事業の調整後EBITAは昨年比38％増の1141億元(181.9億USD)中核EC事業の調整後EBITAマージンは53％となった。

総額ベースで計上する新小売を除き、菜鳥ネットワークおよびLazadaへの投資を含む中核EC事業の調整後EBITAマージンは63％になる。

小売をリードし、技術革新にも注力

アリババグループCEOのダニエル・チャン氏は、今回の決算内容の公表に際し、次のように述べている。

「アリババグループは、根幹事業であるECの堅調な成長と過去数年にわたり長期的に成長ポテンシャルがある分野への投資により、素晴らしい結果を残すことができました。また、新小売戦略の継続的な進展もあり、我々のECプラットフォームは中国の小売インフラストラクチャを先導する立場に発展しました。

さらに昨年は、技術革新とクラウドコンピューティング、ロジスティクス、デジタルエンターテインメント、ローカルサービスに注力することで、中国やその他の新興市場での消費成長も把握できたと捉えています。」

好調な世界経済などを背景に伸長を続けるEC市場。その大海を前に、EC先進国である中国発の巨大オンライン・マーケットであるアリババは、その地位に安寧とすることなく、攻めの戦略を展開してきた。

その成果が、第4四半期収益で昨年比61％増、中国国内のモバイルMAUが6億1700万人、年間アクティブ消費者が5億5200万人という数字に如実に表現されている。またクラウドビジネス分野での成長も前年比103%増の44億元（699百万米ドル）と目覚ましい成長をとげた。

各分野での市場動向とユーザーのニーズ、そして出店する事業者の視点を的確にとらえる同社は、2018年もリーディング企業としての存在感をさらに確固としたものにして行くことだろう。