【決算】中国市場をリードする『JD.com』を運営する京東集団が、2018年第1四半期の業績発表

ECのミカタ編集部

ECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」を運営する京東集団(ジンドンしゅうだん)(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD)は、2018年第1四半期の業績を発表した。

前年同期比60%増の目覚ましい成長

中国市場を牽引するECサイト「京東商城(JD.com)」を運営する大手EC&小売インフラカンパニー京東集団は、2018年第1四半期の業績を発表した。

今期発表では、米国会計基準(GAAP)の基準下で純利益が15億2490万人民元(約259億2,330万円)、調整後利益(Non‐GAAP)においても10億4740万人民元(約178億580万円)と、8期連続での黒字となった。

第1四半期の売上は、前年同期比33.1%増の1001億元(約1兆7,017億円)と市場予測よりも高く、また、サービス純利益も同様に前年同期比60%増と目覚ましい成長を遂げている。

高い「投資ランク」評価を獲得

高い「投資ランク」評価を獲得

同社によれば、今回の良好な数値について、アメリカをはじめ世界の投資銀行からは、多くの称賛の声が挙がっているという。今後のサービス業や京東が提唱する「無界小売(後述)」の概念の定着により、今後も高い成長率を維持すると予測され、高い「投資ランク」評価を獲得している。

「無界小売」とは、京東が提唱する、オンラインとオフライン(実店舗)、物流機能まで融合させたビジネスの総称だ。消費者に「いつでも・どこでも、オン・オフラインの境界線すらも越え快適に消費できる環境を提供する世界」のことを指す。

京東はこの「無界小売」を、小売業のあるべき姿と考え、その実現に向けたサービスを提供している。京東劉CEOはこの「無界小売」ついて、「シーンは無限、貨物に国境は無く、人と企業の間にも壁はない」と述べている。

大量の研究開発資金を投入し、さらに成長

京東は、技術開発や研究分野への投資も活発だ。当期については、第三者企業への物流の投資・開放をし、大量の研究開発資金も投入し、それによる純利益率は市場予測より低かったものの、マネージメント層では第2四半期の純利益が安定した成長をみせ、純利益率も大きな変化がないと予測。これだけの投資をしながら結果として高い成長率を維持している点からも同社の底力を感じる。

購買意欲旺盛な巨大な人口を抱える中国。同国のEC市場は、中華圏そのものを飲み込みながらさらに拡大を続けている。各グループ間のし烈な競争も顕在化しているが、そうした厳しい市場動向の中でも着実かつ大幅な成長を遂げたことになる。

同社は越境EC分野への投資も意欲的であり、日本のEC事業者や消費者にとっても、ますます目が離せない存在となりそうだ。

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