atone遂に実店舗展開へ!キャッシュレス社会の推進へ大きな転換点となるか

ECのミカタ編集部

株式会社ネットプロテクションズ 代表取締役社長 柴田紳氏 株式会社ネットプロテクションズ 代表取締役社長 柴田紳氏

株式会社ネットプロテクションズ(代表取締役社長 柴田紳)が提供しているカードレス決済「atone」が、QRコード決済機能を今夏より実証実験を開始すると発表した。これにより、実店舗でもカードレス後払いが可能になる。

atoneはEC取引を中心に展開されていた、クレカなどが必要ない「カードレス後払い決済」だ。ネットプロテクションズがatone、NP後払いなどで蓄積した経験・ノウハウを実店舗にも活かしていこうという取り組みは、消費者と実店舗にどのようなニーズがあるのだろうか。

世界規模では盛り上がりを見せるモバイルペイメント しかし日本では?

モバイルペイメントは世界中で盛り上がりを見せている。中国ではアリペイやWeChat Pay、スウェーデンではほぼすべての国民が銀行口座を保有し、従来よりデビット文化ということもあり、キャッシュレス文化が根付いていた。スマホが普及しモバイルペイメントが浸透するのは当然の流れで、キャッシュレスが98%、500万人超がモバイルペイメントのユーザーとなっている。

日本でもキャッシレスの動きは活発になりつつある。多くの企業がモバイルペイメント事業に参入し、競争も激しい。しかし、国内のモバイル決済利用率はたったの約6%。なぜ多くの企業がモバイルペイメント事業に参入しているのにも関わらず普及しないのだろうか。

まだ課題の多いキャッシュレス決済

まだ課題の多いキャッシュレス決済株式会社ネットプロテクションズ 企画室 マネージャー 杉山崇氏 

まずは導入コストの問題がある。決済手数料の平均は3%前後となっており、クレジットカード同様、小さな飲食店などではなかなか導入に踏み切れない現実がある。

次に日本人の現金主義文化だ。既存の現金というインフラへの信頼が高すぎるため、新しい決済手段に手を出さない。どれくらい使ったかわかりにくいというのも大きな理由の1つになるだろう。

このような背景から日本ではモバイルペイメント市場を抑えたプレーヤーはまだいない。そのプレーヤーに名乗りをあげたのがネットプロテクションズの「atone」なのだ。

実店舗におけるatoneのメリットとは?

まずatoneのECにおける手数料は1.9%+30円〜となっている。これが実店舗の場合、1.9%となり業界最安値の手数料で店舗はatoneを利用することができる。他にも未回収リスクを100%保証、ポイント機能によるリピーター醸成など多くのメリットを店舗は享受できる。

また消費者ニーズもガッチリ掴んでいる。実店舗で現金決済を最も利用するユーザー768名に実店舗で利用してみたい決済方法で「非クレカの後払い決済」と答えた人は62%とクレジットカードの26%を大きく上回っている。また、「手持ちがないために、そのお店で購入を控えたことがある」と答えた人は約70%にもなる。このことから後払い決済の需要は非常に大きいことがわかるだろう。

また月の上限も決まっており、使いすぎるといった心配がない。小口向けという点でもクレジットカードなどと差別化を行えているのも大きな強みになっていくだろう。

真ん中下の青い「決済する」を押せばそれだけで決済は終了 簡単操作のため誰でも使いやすい


領収書のような簡潔な表記を決済後にすぐ反映してくれる



ネットプロテクションズの勢いは青天井なのか

クレジットカードやプリペイドに紐づかないモバイルペイメントサービスの提供を行うことで他にはないatoneだけの大きな武器を手に入れることになる。今後利用可能領域を行政系、O2O、福利厚生系サービスなどあらゆる方向に広げていく予定だ。企業名は随時公開していく予定とのことで、首を長くして待ちたいところだ。

今後の具体的な数字目標は3年後に年間取扱額1000億円、会員数1000万人だそうだ。16期連続2桁成長とまさに飛ぶ鳥を落とす勢いのネットプロテクションズ。日本のキャッシュレス市場を抑え込む存在に成長するまでこの勢いは継続していくだろう。EC業界だけではなく、小売すべてを巻き込んだ大きな挑戦の幕開けだ。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事