中国ECをリードする京東商城に無印良品が初出店

ECのミカタ編集部

中国市場をリードするECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」を運営する大手EC&小売インフラカンパニー京東集団(ジンドンしゅうだん)(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD)は、2018年6月1日より、世界的に家具・生活用品などを「無印良品」として展開する「株式会社良品計画」の中国の子会社法人である「無印良品(上海)商業有限公司」(上海市静安区/董事総経理 山本直幸)が、「京東商城」に初出店することを明らかにした。

京東のボーダーレスリテールに加わった「無印」

今回の発表に際し、2018年6月1日より「京東商城」にてスタートする「JD618キャンペーン」にも、無印良品が参加する。今後、京東が目指す新しい小売概念「ボーダーレスリテール(後述)」においてオンライン・オフライン共に協業していくとしている。

「ボーダーレスリテール」とは、京東が提唱する、オンラインとオフライン(実店舗)、物流機能まで融合させたビジネスの総称だ。消費者に「いつでも・どこでも、オン・オフラインの境界線すらも越え快適に消費できる環境を提供する」世界を指す。京東はこの「ボーダーレスリテール」を、小売業のあるべき姿と考え、そこに近づくためのサービスを提供しているのだ。また、京東劉CEOはこの「ボーダーレスリテール」ついて、「シーンは無限、貨物に国境は無く、人と企業の間にも壁はない」と述べている。

プレジョンマーケティングを相互で行えるようにして行く

プレジョンマーケティングを相互で行えるようにして行く

「無印良品」は、素材の選択、工程の点検、包装の簡略化など、モノづくりの視点を見直し、生活者の視点で良質の商品を販売してきており、日本発のこのブランドは、今や世界各国に多くのファンを持つブランドとして定着している。商品ラインアップも、家具・生活雑貨・服飾から食品と多岐にわたり、生活者の幅広いニーズに対応しているのは周知の通りだ。

今回の同ブランドの出店は、京東の「ボーダーレスリテール」の考え方と、「無印良品」が目指す「生活者の“感じの良い暮らし”にとって、役に立つ商品開発・サービスの追及」という考えが一致し、実施に至ったそうだ。この展開により、京東では「無印良品」の中国での展開商品の全てが購入可能となり、京東は今後も、「無印良品」に対してEC活用における様々なリソースを提供し、顧客基点のプレジョンマーケティングを相互で行えるようにして行く方針だ。

『無印良品』と京東は理念など多くの面で一致

今回の発表に際し、両社のキーマンからコメントが出された。

<無印良品(上海)商業有限公司 董事総経理 山本直幸氏のコメント>

「無印良品と京東グループの連携は2017年9月から物流分野から開始いたしました。このたび無印良品は京東グループの「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」にて、京東商城(ジンドンしょうじょう)無印良品旗艦店を開店いたします。無印良品は京東グループと商いを通して消費者の暮らしに役に立て、又、社会に貢献できる会社を更に目指して参ります。

<京東集団副総裁 京東商城居家生活事業部総裁 辛利軍氏のコメント>

「『無印良品』は独特なデザイン美学とマーケティング理念を持っているだけでなく、プレミアムの顧客資源の蓄積もあります。『無印良品』と京東は理念や情景など多くの方面で一致し、双方の今回の協力については、初めてのことになります」

新たな歴史の1ページが刻まれる

また京東は、前述したように、毎年6月に行う大型販促キャンペーン「JD618キャンペーン」を今年も実施する。「MUJI」は京東への出店について全国230店舗の実店舗で告知・販促するだけではなく、公式アプリ「MUJI passport」や「微信(ウイチャット)」 、「微博(ミニブログ)」 およびSNSブランド上でのミニプログラム(ウエブサイト、アプリ)なども活用し京東での販売を促進して行く。このキャンペーンでは「MUJI」にとっても大きなビジネスチャンスをもたらし、MUJIの6月の売上は予想を大きく超えることも見込んでいるという。

中国ECのダイナミズムを象徴する京東のエコシステムに加わった無印。その特徴的なマーケティング手法と未だに他の追随をゆるさない独自のブランディング手法でファンを魅了する同社は、京東というプラットフォーム上で、新たな歴史の1ページを刻むことになりそうだ。

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