【第1回】顧客獲得におけるコールセンターの役割

お客様も様々なサイトを好きな時に閲覧できるようになり、Web上の内容だけで購入までを決められる時代になりました。そんな中で電話やメールというコンタクトツールをご利用頂いた際に、どれだけ購買意欲を高め、顧客獲得につなげられるかが重要になっております。当コラムは通販事業におけるコールセンター利用に関する考え方など、通販事業者様のコールセンター選定におけるファクターとなればと思い、記載しております。連載形式でお届けいたしますので、どうぞご覧くださいませ。

顧客獲得の考え方

戦略的に顧客を増やしていく際の基本として、新規顧客の獲得「リード」と既存顧客との関係を維持していくためのマーケティング活動「リテンション」の考え方が一般的となっております。

リードとリテンションの違いを考える場合、「1:5の法則」の考え方が参考になります。新規のお客様を獲得するには、既存のお客様の5倍のコストがかかるという法則のことで、既存顧客へのアプローチに力を入れることで費用対効果が最大限になります。

ではリテンションの向上はどのような施策を実施すればよいのでしょうか。その一端として、たとえばコールセンターの見直しは、非常に高い効果が期待できると考えられます。

顧客確保はファーストコンタクトのタイミングで

通販において、顧客の定期購入コースへの加入率が高い企業と低い企業を見比べると、どちらも定期購入を決めた顧客がコールセンターを利用した初回に購入を決めているというケースが圧倒的に多くなっています。つまり、初回でリピーターになってもらうことがとても重要であるといえます。

そのためには、まず顧客に「ここでなくてはならない」と思っていただくためのスクリプト作りや運用が重要となります。

具体的には、取り扱う商品や関連するサービスについてきちんと理解いただくことが効果的といえます。化粧品を例にすると、適切な利用方法や効果が現れるまでの期間の目安などが挙げられます。あるいは使用上の注意や利用できないケースを伝えるのも効果的であり、ほかにも「どのような製品と併用できるのか」、「化粧をする際は他にどのような点に気をつければよいのか」、というワンポイントアドバイスも顧客にとって有益な情報となります。

丁寧に説明しすぎるとコール時間が長くなってしまうというデメリットが生じる可能性もありますが、対応数を増やす為に短時間で対応を終えようとする施策よりは、顧客にとって有益な情報をしっかり伝える方がリテンションの効果が高く、結果的に利益へと結びつくことになります。ただし、通話が長すぎたり説明内容が多すぎたりしても顧客に負担を感じさせることになるので、最適なバランスを摂ることが大切です。

他の顧客接点との連携も、コールセンターにおいては重要です。

顧客はコールセンターへ電話をかける前に、何処かで広告を見ている可能性があります。広告から商品を知った場合は、商品についての知識をあまり有していないことも予想されます。この点、顧客がどのような状態で電話をかけてくるのかをオペレーターが把握し、コールセンター全体で共有することによって商品への円滑なリードが可能となります。

また、商品を購入いただいた後も重要となります。

コールセンターと同じように重要な顧客接点として、ウェブサイトが挙げられます。必要であれば顧客に対してウェブサイトの閲覧を勧めることで、顧客の理解を促進することが可能です。ウェブサイトにて会員登録やメルマガ登録をすることによって得られる特典を紹介することで、ロイヤルカスタマー育成の足がかりとすることも可能です。

オムニチャネル時代において、企業にとって新規顧客と既存顧客における検討や購買の違いを把握し、それぞれにベストなタイミングでのコミュニケーションやオファーの提示が大事になります。

そのため、企業は、多様なチャネルに存在する顧客IDやデータの統合を行い、ひとりひとりの顧客に対し最適なコミュニケーションができる仕組みを構築することが必要となってきています。

そのためにも、これらのデータを参考にしつつ、『新規に顧客となっていただくために、どのチャネルでどのようなコミュニケーションを取ればよいのか。』『既存の顧客に対しロイヤルティを高めていただくために、どのチャネルでどのようなコミュニケーションを取ればよいのか。』というカスタマー・ジャーニー戦略を立て、戦略を実行し、その結果を戦略の修正に役立てていく、という活動が求められていると考えます。

コールセンターの役割

コールセンターの役割

コールセンターの業務を大きく2つに分けると、顧客からの商品やサービスのお問い合わせ対応、クレーム対応などを行う「インバウンド」と、コールバックや新商品のお知らせなどを行う「アウトバウンド」に分けられます。

昨今、Web上で様々な商品、サービスを購入できます。その中でリードの獲得の為にアウトバウンドを実施しても成果を上げることは難しく、むしろ企業のイメージを下げることに繋がりかねません。一方、既存顧客へのセールスアウトバウンドとなるとお客様の印象は大幅に改善され、もしかすると購買に繋がる可能性も秘めております。

インバウンドの際も顧客の求めるサービスを提供することがとても大切であり、このことからコールセンターはリテンションの向上重要なファクターであると理解できます。

新規顧客を獲得するためには顧客の購買プロセスを考慮した商品の広告戦略が重要であり、様々な広告媒体への露出の検討や各種キャンペーンの設定などが行われます。こうした広告によって商品に興味を持った顧客は、商品を購入する意欲を持って、疑問点の解消などのために電話窓口へ電話をかけてきます。

こう考えると、コールセンターの役割がもう少し具体的に見えてきます。コールセンターへ電話をかけてくる顧客は、将来顧客になりうる、いわゆる見込み顧客ということになります。

こうした顧客のをいかにトークで優良顧客に引き上げるか否かで、売上に大きく影響する為、お客様とコンタクトをとれるコールセンターにおける対応の見直しは必須といっても過言ではないということです。

次回は「解約阻止と顧客満足度の関係性」をお送りいたします。