中国ECをリードする京東(ジンドン)集団が日本初の購買センターを開設

ECのミカタ編集部

中国市場をリードするECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」を運営する中国・小売業No.1の大手EC&小売インフラカンパニー京東集団(ジンドンしゅうだん)(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD)は、2018年9月3日(月)に開催したセミナー「中国マーケットの攻略法」において、日本初となる購買センターを2018年9月3日(月)に開設したことを公表した。

東京と北京で連携しスムーズな交渉とオペを実施

今回開設された日本初の購買センターは、日本企業が中国EC市場により参入しやすくするため、東京と北京で連携しスムーズな交渉と効率の良いオペレーションを実現する専門チームだ。

京東が日本に拠点を開設することで企業から商品を直接購買することができ、コンシューマーとブランド間のレイヤーを削減し、大量かつ安定した仕入れ環境を構築することが出来るとしている。また、日本企業に適した契約を締結することができるほか、最適な業務フローでの運営が行えるのも大きな利点だ。

同社は、これにより日本の企業は最適な価格で中国の消費者に商品を輸出することが可能となるとしており、大手ブランドに限らず中国における知名度が低い地方特産品も含め知られざるブランドを発掘し、店作りやプロモーションを京東がプロデュースすることで、広く中国市場に日本製品をアピールする場を提供する方針だ。

セミナー「中国マーケットの攻略法」のサマリー

同社からは、2018年9月3日(月)に開催したセミナー「中国マーケットの攻略法」のサマリーもあわせて公表されている。

■主催者挨拶 京東集団 高級副総裁 王笑松氏

「今回JD Worldwideとして、世界で初めての講演を日本で行います。なぜならJD Worldwideで扱う商品の20%は日本の商品だからです。京東では正規品を取り扱い、信用を大切にしています。京東の抱えている3億人以上のユーザーに、日本の高品質な商品を提供してほしいと思っています。また、私達京東とパートナーはウィンウィンの関係にあります。京東はパートナーや価値の創出に重きを置き、すべての人たちが利益を得てほしいと思っています」

■「越境ECへの参入と攻略法」京東越境EC 総責任者 楊葉氏

「京東モールは2015年4月に設立された、中国の業界をリードする越境ECプラットフォーム です。2万近くのブランドが加入し、1千万近くのSKUを保有しています。JD Worldwideは10代から40代以上まで、全世代の顧客をカバーしています。その中でもJD Worldwideの顧客イメージは中間層以上で、25~36歳が49.8%、既婚者が69%、男性が62.3%となっています。

JD Worldwideでは幅広い品目を扱い、柔軟なビジネスモデルを構築しています。これからも京東は中国向けのワンストップソリューションを提案していきます」

■「ECで攻める中国Fashion市場」 京東集団 副総裁 丁霞氏

「中国のファッション市場は急速に発展をしています。今までは皆が知っているブランドに注目が集まっていましたが、現在は個性的なブランドのニーズが高まっています。ハイブランドはまだまだ実店舗が多く、また発展のスピードが早いため、消費者の好みをすぐに反映しなければなりません。2017年は特に発展が早く、2018年上半期でも海外のブランドにとっても良い勝機になっているのではないかと思います。

京東の客層は中間層以上でかつブランドを認知しているため、客単価は業界平均より30~40%高くなっています。そのため、世界的にも有名なハイブランドは京東と提携関係があるのです。京東は、中国のファッションデザイナーを海外に連れていったり、ファッション業界の交流を深める努力もしています」

■「進化する越境物流」京東物流 国際物流 総責任者 韓鎏氏

「3年間で様々な取り組みを行いました。現在京東は世界で38の物流拠点を持っており、今後日本でも物流拠点を持つ予定です。また技術のソフト面とハード面を結びつけ、海外に京東物流が進出しました。インドネシアでは、受注の85%はその日のうちに到着し、6割は12時間以内に届けることができています。

今後、タイやその他の国でも各国の物流のパートナーと協業しながら横展開していきたいと思っています。京東は配送だけでなく倉庫も持っており、サプライチェーン全体においても多くの商流を持っています。また、スマート通関ルート+スマートサプライチェーンサービスを保有しているため、One Stopの物流で商品を輸出も可能です。中国に売るだけでなく、他の国の商流も利用し、今後は商品を他の国にも売っていきたいと思っています」

■「越境ECサポート新体制」京東日本最高責任者 荒井伸二氏

「平均値で語れないのが中国のインバウンドです。この度、日本の購買センターをつくります。日本と中国の距離は縮まっており、日本で流行ったものはすぐに中国でも流行ります。日本に購買センターをつくることで、日本に適した契約内容、法律、ビジネススタイルにあった契約内容 で直接京東と契約することが可能になります。ナショナルブランドだけでなく、本当に光る力を持った中小企業も発掘していきたいと思っています。

現在の中国人は、生態系や地球環境に優しい商品に価値を見出す方、付加価値の高い商品を好む方が増えています。京東日本は企業様に協力し、一緒に中国のマーケットを切り開いていきたいと思っています。また、京東としても効率をあげ、コスト削減もしていきたいと考えています。まずは、倍の購買を目指しています」

日本企業へのサービス提供と中国市場への出店サポートを強化

購買意欲旺盛な巨大な人口を抱える中国。その消費者は観光客としても日本を訪れ、コスメや家電など幅広い日本製品を購入し、そのファンともなっている。こうした動きは越境ECの拡大にも貢献している。中国発のECプラットフォームである京東は、それらを背景に日本での拠点強化に乗り出していることになる。

京東はまた、日本の仕入高を購買センターについて、開設から1年で2倍に増やすことを目指すとしている。2018年8月で京東の日本法人であるJD.com京東日本株式会社が設立1年を迎える。

今回の購買センター設立を機に、中国小売のトップクラス企業である京東が持つ強みを生かし、日本企業へのサービス提供および中国市場への出店サポートを強化していく方針で、日本の事業者にとっても対中国戦略を構築しそれを遂行する上で、有力なチャネルとなり得るだろう。

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