中国ECをリードする京東が海外製品に触れる『越境EC体験センター』を開設

ECのミカタ編集部

中国市場を牽引するECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」を運営する中国・小売業No.1の大手EC&小売インフラカンパニー京東集団(ジンドンしゅうだん)(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD)は、2018年11月30日に重慶市に京東初となる「京東越境EC体験センター」をオープンしたことを公表した。

海外の商品を購入前に体験できる

今回オープンした「京東越境EC体験センター」は、京東の「ボーダーレスリテール」(=オンライン・オフラインの境界すらも越え快適に消費できる世界)の理念に基づき開設された、海外の商品を購入前に体験できる店舗だという。

同社では、これまでオンラインで海外商品を購入する際、写真と説明でしか情報が得られず、商品の良さが伝わりきらないという課題があったと指摘する。「京東越境EC体験センター」では、世界各国の商品を数多く揃えており、海外商品を実際に手にとって体験することで、消費者は安心してオンライン上で商品を購入することができるのだ。また、中国の消費者にまだ知られていない海外商品を知ってもらうきっかけにもつながるとしている。

世界の物流効率の向上に貢献

世界の物流効率の向上に貢献

これまでは、国土が広い中国では、海外商品や新商品が海岸地域から内陸地域に配達されるまで2~3日かかっていた。中国のEC市場をリードする京東の物流では、約220以上の国と地域をカバーする約1,000の物流ネットワークを世界各国で保有しており、中国の消費者に世界各国の商品を届けている。現在では物流インフラの整備により、重慶市のような内陸地域でも海外商品や新商品をタイムラグなく届けることができるという。

同社では、今回の「京東越境EC体験センター」設立は、京東物流のグローバル化に向けた新たな一歩と位置付ける。この小売モデルが各都市に広がり、京東物流が持つ先進技術と培われた経験を活かすことで、世界の物流効率の向上に貢献できると考えているのだ。

広がるネットとリアルの融合

今後、「京東越境EC体験センター」は上海市、広州市、寧波市、杭州市などの都市でオープンする予定とのことだ。

同社が標榜する「ボーダーレスリテール」とは、オンラインとオフライン(実店舗)、物流機能まで融合させたビジネスの総称だ。「消費者にいつでも・どこでも、オン・オフラインの境界線すらも越え快適に消費できる環境」を提供する世界観を意味する。

京東はこの「ボーダーレスリテール」を、小売業のあるべき姿と考え、そこに近づくためのサービスを提供している。京東劉CEOはこの「ボーダーレスリテール」ついて、「シーンは無限、貨物に国境は無く、人と企業の間にも壁はない」と述べている。

京東は中国国内におけ「小売と物流網をリードしているという強みを活かし、積極的なイノベーションを継続させながら、「ボーダーレスリテール」の実現に向けて技術発展を目指す方針だ。

リアル店舗とECを融合させる試みは同社以外でも日本をはじめ各所で展開されており、こうした動きは今後さらに加速することになりそうだ。

 


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