電通が日中ハイブリッド市場概念『SSSフレーム』を構築 両国市場における統合的マーケティングソリューションを強化

ECのミカタ編集部

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)と電通イージス・ネットワークは、日本と中国の企業が抱える日本・中国ハイブリッド市場のマーケティング課題にクロスボーダーで対応していくグループ横断組織「Dentsu China Xover Center(略称:Dentsu CXC=デンツウ シー・バイ・シー)」が中心となり、グループ各社との連携の下、統合ソリューションを強化することを公表した。

日中ハイブリッド市場概念『SSSフレーム』

電通グループでは、中国インバウンド、越境ECの重要度が高まるこれからの時代における日本・中国クロスオーバー消費行動モデル概念「SSSフレーム」を開発し、企業・団体へのコミュニケーション・プランニングにおいて提唱していくとしている。

この消費行動モデル概念「SSSフレーム」は、日本と中国を別の市場として捉えるのではなく、相互に影響し合うハイブリッドな市場として捉え、中国インバウンド、越境ECのコミュニケーション・プランニングに活用する概念とのことだ。

訪日中国人定量調査、訪日中国人インタビュー調査、Dentsu CXCメンバーおよび外部有識者の知見をもとに開発された。旅マエ、旅ナカ、旅アトの3段階に分け、それぞれの段階での消費者の心理変容とそれによって喚起される行動を表している。

具体的には、【旅マエ】『共感:Sympathize → 探索:Explore』 → 【旅ナカ】『驚感:Surprise → 初回購入:Purchase』 → 【旅アト】『共有:Share → 継続購入:Purchase』だ。

同社では多くの人々に、このフレームを活用してもらうことで、日本・中国ハイブリッド市場が今後ますます盛り上がることを企図するとしている。

中国有力EC企業「ラーチー社」と提携

中国有力EC企業「ラーチー社」と提携

EC領域においては、株式会社電通と電通イージス・ネットワーク中国が中国の有力EC運営会社ラーチー社(本社:中国浙江省杭州市、CEO:David Liu)との戦略的業務提携を行った。

ラーチー社は70以上のグローバル・ローカルブランドのEC店舗を運営し、EC最大手のアリババ社から2018年上期までに6つ星・下期以降も5つ星の評価を得る質量ともに中国有数のEC運営会社だ。

ラーチー社の中国国内ECおよび越境ECオペレーションにおける専門性・優位性と、電通のブランディング、マーケティング領域における専門性、優位性を融合することで、中国国内EC、越境ECを展開する企業に対して、「ブランドコマース」サービスをワンストップで行い、売り上げ向上や新たな付加価値提供、課題解決に寄与することをあわせて企図する。

分かちがたい2つの市場

米中貿易摩擦や中国国内での景気減速など中国市場をとりまく状況はけして明るい要素ばかりではない。しかし中国国内では約8億人にも上るとされるネット利用者がおり、同国に基盤を置く各大手ECプラットフォームも順調に売り上げを拡大させている。

日中間の越境ECにおいても中国は依然として大きな存在感を発揮しており、今後も中国の消費者は、その存在感を示していくだろう。またそれは日本から中国へのEC販売という点においても同様だ。

今回、電通が日本と中国市場を別個のものではなく、シームレスかつ有機的に結び付いた同一の市場として捉えた上でスキームを構築した点は画期的と言えるだろう。電通の持つ絶大かつ強力な資源を活用し、インバウンドを含めた日中におけるEC商流のさらなる活性化に寄与することに期待したい。


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