楽天決算、コマース事業は引き続き伸長、モバイル投資にも注力。2020年度第3四半期

西村 勇哉

楽天は2020年11月12日(木)に2020年度第3四半期決算発表を行った。

決算概要

楽天市場など、コア事業の売上収益は2749億円(前年同期比+8.1%)、営業利益は416億円(前年同期比+11.9%)となっている。

一方、物流やモバイルなどの投資事業では-466億円の赤字となっており、連結での売上収益は3614億円(前年同期比+13.2%)、営業利益は-398億円(前年同期比-409億円)となった。

国内EC流通総額は前年同期比+11.7%

国内EC流通総額は前年同期比+11.7%

Q3/20の楽天における国内EC流通総額は1兆986億円(前年同期比+11.7%)となり、Q2/20に引き続きここ2年間で最も高い数字を残した。

*ショッピングEコマースGMSも前年同期比+29.3%と伸びており、EC需要の増加が伺える。

*ショッピングEコマース=楽天市場+1stパーティー(ファッション、ブックス、Rakuten24(ダイレクト)、ネットスーパー+オープンEC(Rebates、チェクアウト)+ラクマ)

ファッション事業ではZOZOTOWNの2倍以上の流通総額

ファッション事業ではZOZOTOWNの2倍以上の流通総額

Rakuten Fashionでは2020年6月にアプリをリリースし、JOURNAL STANDARDやTOMORROWLANDといった人気ブランドの獲得、さらには単価の高いアイテムを取り扱う、Rakuten Fashion Luxもスタートさせている。

そして楽天市場とRakuten Fashionを合わせたファッション事業全体の流通総額はZOZOTOWNの約2.3倍になると発表した。

物流投資も引き続き。

物流投資も引き続き。

ECを支えるインフラ物流への投資も引き続き行っている。楽天物流施設は全国に8箇所、2021年には中央林間に新たな拠点を構える準備も行っている。

楽天エクスプレスは2020年9月時点で、国内人口カバー率63.5%。さらに複数店舗で購入した商品を一度にお届けするおまとめ配送を予定している。

楽天スーパーロジスティクスの利用店舗・出荷量も2018年8月から約9倍強に増加している。とはいえ、利用店舗数を考えるとまだまだ成長そして改善の余地がありそうだ。

今後モバイル事業がどのように影響してくるか

連結での営業利益は-398億円となっているが、この要因として最も高いのがモバイル事業。多くの人に好調であるがゆえに基地局を増やし、利用者の利便性を上げることを5年ほど前倒しで進めている。その建設やモバイル事業を支えるシステム構築に多額の投資を行っており、従来の計画より早い段階で収益化を行えると予測している。

モバイル事業は、楽天のそのほかの事業とシナジーを発生させやすく、直近では楽天市場ともコラボしていた。まだ改善点は多いが、他社より圧倒的に安価なため、今後の機能改善によっては利用者が急激に伸びることも考えられる。

スマートフォンのような我々の生活インフラともいえるサービスでも楽天の影響力が強くなった時、コマース事業も相乗して成長することは自明の理。一方、日に日に影響力を増すからこそ、楽天に向けられる期待や責任も大きくなっていく。事業者、そしてEC業界へ楽天がもたらす影響が、より良いものになっていくことを強く思う。

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記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

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