ヤフオク!、購入意思のない「いたずら入札」防止対策を強化 入札時の本人確認やお見舞い制度等

ECのミカタ編集部

ヤフー株式会社は、2021年6月に「ヤフオク!」で開催した、希少価値の高い車に特化したオークション 「Collection Car Auction」の結果を踏まえ、「ヤフオク!」でのいたずら入札防止の取り組みについて公表した。

いたずら入札防止への取り組み

「ヤフオク!」のオークション形式の取引は、出品された商品に対して任意の価格で入札し、オークション終了時に最も高値で入札したユーザーが落札、商品代金を支払う仕組みだ。

落札後、出品者に速やかに連絡せず、商品代金を支払わない場合など、購入する意思のない入札とみなされる行為を「いたずら入札」として「ヤフオク !」の利用規約で禁止している。

いたずら入札によって落札された場合、出品者は落札者のキャンセル手続きなどを行ったうえで、再度オークションへの出品が必要となる。

このようなガイドラインに違反する行為をなくし、ユーザーが安心してオークションに参加できるよう、「ヤフオク!」では、本人確認を含め、これまでもいたずら入札対策を行ってきた。

入札時に本人確認を必須に

入札時に本人確認を必須に

「ヤフオク!で応援プロジェクト」(2021年3月)や「Collection Car Auction」(2021年6月)では、コレクション性のある商品が出品されることで、価格の高騰が予想された。そのため、真剣に商品を購入する意思のあるユーザーだけがオークションに参加できるよう、入札を希望するユーザーは事前の本人確認を必須とした。

入札を希望する場合、入札で使用するYahoo! JAPAN ID、氏名、住所を登録し、その情報と一致する本人確認書類のアップロードが求められる。提出された本人確認書類と登録情報を「ヤフオク!」にて審査し、審査に通過すると該当オークションに入札できる仕組みだ。

入札時の本人確認は、今年3月に開催した 「ヤフオク!で応援プロジェクト」でのクリエイターによるチャリティーオークションに続き2回目の実施となった。該当のすべてのオークションでスムーズに決済・取引が完了していることから、価格の高騰が予想される商品の入札時に本人確認を必須化することが、いたずら入札の抑止につながると考えられる。

現在、事業者による特定のオークションで事前の本人確認を導入しており、今後は個人の出品者に対するいたずら入札を軽減するべく、適用範囲を広げていくことも検討しているという。

パトロールによる事前措置

「ヤフオク!」では、評価などさまざまな情報を調査し、いたずら入札を行ったとみられるユーザーに対して随時利用停止などの措置も行っている。

いたずら入札を行うユーザーは捨てアカウント(今後利用する予定のないアカウント)を使う傾向もあるため、実際にいたずら入札を行った Yahoo! JAPAN IDだけでなく、関連する Yahoo! JAPAN IDを調査し対応することで、同利用者によるいたずら入札を阻止する方針だ。

「ヤフオク!」では現在、このパトロールを強化して運用している。

出品時に入札制限を設定

出品者は、オークション出品時に自身の商品に入札できるアカウントを制限することができる。

評価が一定レベル以上の人のみが入札できる設定(入札者評価制限)や、SMS認証、Yahoo! JAPANの他のサービスにて住所氏名などの本人確認情報を確認済みであるなど、登録情報に一定の信ぴょう性のある利用者のみが入札できる設定(入札者認証制限)がある。

万が一トラブルにあった場合の申告制度

「いたずら入札トラブル申告制度」は、落札後に落札者と一切連絡が取れないなど、いたずら入札と思われるトラブルが起こった際、落札システム利用料や一部のカテゴリへの出品時にかかる出品システム利用料、オプション利用料など、そのオークションにおいてかかった費用を返金する制度だ。

今後も「ヤフオク!」では、サービスの利用傾向をもとに、不適切な入札の可能性が高いと判断した場合には入札をさせない仕組みや、違反行為を繰り返させないようブラックリスト整備などの対策強化をしていくという。

オークションサイトやフリマアプリ等を介して、個人間のEC取引が増える中、個人間売買におけるトラブルも増加している。個人間のトラブルを放置し、「いたずら入札が多い」といった評判が立ってしまうとユーザーの離反を招きかねないため、プラットフォームにとっては死活問題だ。

今後も、個人間売買を仲介するプラットフォームにおいて、安心・安全な取引を推進するための取り組みが強化されていくことだろう。

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