コールセンターのアウトソーシングとは?おすすめ代行サービス8選とメリットや注意点を紹介

ECのミカタ編集部

電話で顧客からの問い合わせに応じたり、アポイントを行ったりする「コールセンター」。「コア業務に集中したい」「最低限のコストでコールセンターを運用したい」などの理由から、コールセンター業務を外部に委託したいと考えることもあるのではないだろうか。一般社団法人日本コールセンター協会(CCAJ)の情報調査委員会が2022年6月23日~8月1日に実施した『2022年度 コールセンター企業 実態調査』によると、業界の売上高は年々増加傾向にあり、コールセンター業務の需要が増加していると推察できる。

今回は、コールセンターのアウトソーシングで依頼できる業務の内容や委託するメリット、アウトソーシングを検討する際の注意点などを紹介する。委託費用を抑えるための方法とおすすめのコールセンター代行サービス8選も紹介しているので、導入の参考にしてほしい。

参考:2022年度 コールセンター企業 実態調査
https://ccaj.or.jp/telemarketing/doc/outsourcing_research_2022.pdf

コールセンターのアウトソーシングとは

コールセンターのアウトソーシングとは、電話やメール、チャットなどにより顧客対応を行うコールセンターの業務を、コールセンター会社などに委託すること。コールセンターの業務には「インバウンド業務」と、「アウトバウンド業務」があり、それぞれの業務で委託できる内容は以下の通りだ。

インバウンド業務


顧客からの問い合わせを受けるのがインバウンド業務だ。委託できる内容には主に次のようなものがある。

●商品に関する問い合わせへの回答
●商品やサービスの受注
●予約や問い合わせの対応
●キャンペーンやトライアルの受付
●テクニカルサポート
●クレーム対応
●緊急窓口業務

アウトバウンド業務


顧客からの問い合わせを受けるインバウンドに対して、事業者側から顧客にアプローチしていくのが、アウトバウンド業務だ。「発信」「架電」などと呼ばれることもある。代行サービスに委託できるアウトバウンド業務には、次のようなものがある。

●新規顧客の開拓
●市場調査(満足度調査、アンケート調査)
●イベント告知
●既存顧客へのフォロー

インバウンド業務・アウトバウンド業務とも対応している業務やオプションはサービス会社によって異なり、EC販売の売上が飛躍的に伸びた昨今では、電話だけでなくメールやチャットにも対応できるサービスが一般的となった。さらに、商品の受注処理から発送までを担うフルフィルメントプランを提供している会社もある。

関連記事:フルフィルメントとは?勘違いしない基本情報まとめ

コールセンターをアウトソーシングするメリット

コールセンター業務をアウトソーシングすることによって、自社にはどのようなメリットがあるのだろうか。アウトソーシングする主なメリットを見ていこう。

立ち上げまでのスピードが早い


コールセンターを業務委託することで、コールセンターの立ち上げをスピーディーに行える。コールセンターサービスを提供している会社では、ビジネス事情やニーズに応じたプランを素早く提案し、契約後は必要なマニュアルや頻繁に質問される質問集(FAQ)の作成などのサポートも可能だ。

設備購入や人材確保にかける時間も不要なため、「できるだけ早くコールセンターを立ち上げたい」「早急に自社運営から委託会社での運営に切り替えたい」などのニーズに対応できる。

コストの削減が可能


時間と同様に、さまざまなコストを削減できることも大きなメリットだ。コールセンターを自社で運営する場合、システム導入費や機材費などの「初期費用」に加え、スペース利用料や光熱費などの「維持費用」「人件費」が発生する。コールセンター業務を外部に委託することで、回線や機材、スペース、人材などにかかる費用やコストの負担がなくなる。

顧客対応の品質が向上


コールセンター業務を専門に行う事業者に業務を委託すれば、顧客対応の品質向上も期待できる。コールセンターのアウトソーシングサービスでは顧客対応に必要な設備・機材が整っており、過去の実績からノウハウの蓄積もある。コミュニケーション能力と知識を備え、経験も豊富なオペレーションのプロに依頼することは、顧客満足度の向上にもつながるだろう。

業務量に合わせた対応を実現


繁忙期・閑散期にも柔軟に対応できるのも、コールセンター業務を外部に委託することのメリットだ。時期によって入電・架電の数に変動があっても、人材や回線を自社で調整せずに、業務量に合わせた適切な人材と機材を常に確保できる。繁忙期でも短期間で大量の人材を採用する必要がないため、コールセンター運営の安定化にもつながる。

コールセンターをアウトソーシングするデメリット

続いて、コールセンター業務をアウトソーシングするデメリットについても把握しておこう。

自社にノウハウを蓄積しにくい


コールセンターのアウトソーシングは顧客対応を外部のスタッフに委託するため、顧客のリアルな声を自社の経験として蓄積したり、製品開発に活かしたりすることが難しい。自社スタッフのオペレーション経験も積み重ならないため、いずれ自社運営を検討している場合は、自社と伴走してくれるアウトソーシングサービスを選び、ノウハウを蓄積しながら利用するとよいだろう。

情報漏洩のリスクがある


コールセンターでは顧客や商品にまつわるさまざまな情報を利用するため、情報漏洩のリスクがあることも念頭に置かなければならない。サービス会社によって取り組んでいるセキュリティ対策が異なるため、情報について適切な保護措置を講じている企業に付与される「PマークやISMS認証を取得しているか」や、「コールセンター内にスマートフォンやUSBなど業務外の私物を持ち込めないようになっているか」などを確認するとよいだろう。

柔軟な対応が難しい


アウトソーシングサービスには、全オペレーターが同じ水準でオペレーションを行えるように対応がマニュアル化されているというメリットがある一方で、対応が画一化されてしまうというデメリットも存在する。特殊な対応を委託する場合にはコストが割高になることや、「発送を早めてほしい」「商品ごとに箱を分けてほしい」といった、個別のニーズに柔軟に対応できない、といった可能性があることに注意しよう。

情報共有がスムーズでないことがある


顧客からの問い合わせ内容をリアルタイムに把握しづらいことが、アウトソーシングの課題といえる。商品に対する顧客の要望は、自社の商品やサービスの質を改善させるための重要な情報となるため、現場と連携できることが望ましい。アウトソーシング会社を選ぶ際には、自社とスムーズに情報共有できる仕組みがあるか、確認しておきたい。

関連記事:【2023年版】コールセンターを初めて委託する際に知っておくべきポイントとは

コールセンターをアウトソーシングする際の注意点

コールセンター業務をアウトソーシングする際に注意したいポイントを紹介する。

アウトソーシングを行う目的や目標を整理しておく


アウトソーシングを検討する際には、事前に導入の目的や具体的な目標を整理しておくことが重要だ。以下の項目を書き出し、優先順位をつけておこう。

●アウトソーシングをする目的(業務の効率化、人手不足の解消、顧客満足度の向上 など)
●具体的な目標(アポイントメント件数○件UP など)
●委託する業務の内容
●稼働日数・時間数
●オペレーターの人数
●専門的な知識の要不要
●イレギュラー対応の有無

サービス比較で重要なポイントを押さえる


依頼内容をイメージできたら、複数のサービス会社を比較しよう。サービス比較で重要となるポイントは以下の通りだ。

●料金体系、料金プラン
●セキュリティ体制
●実績・信頼性
●サポート体制
●オペレーションのクオリティ
●情報共有の有無、仕組み

料金プランを比較する際には、毎月一定の金額を支払う「月額固定型」と、コール件数に応じて支払う「従量課金型」のどちらの料金体系を選択するかがポイントとなる。また、上限を越えた際に発生する「コールオーバー料金」にも注意が必要だ。

EC通販コールセンターにおすすめのアウトソーシング比較8選

ここでは、EC通販のコールセンターに強みがあるアウトソーシング8社を紹介する。自社に合うものを探してみてほしい。

基本料金+カスタマイズで利用しやすい|株式会社ベルシステム24


株式会社ベルシステム24にはさまざまなプランがあり、24時間受付や1日のみのスポット利用、多言語対応など、自社のニーズに合うものを選ぶことができる。コールセンター専任以外に、メールサポートやチャット対応も可能。問い合わせから利用開始まで、最短3営業日となっている。業務に関わる部署と直接連絡がとれる仕組みを構築して、タイムリーな連携を可能にした事例もある。

業務内容:インバウンド、アウトバウンド
対応時間:24時間
言語:英語や中国語、韓国語、ベトナム語、タイ語
料金:初期費用(契約内容により異なる)
スタンダードコース:月額10,000円~
メッセージコース:月額15,000円~

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1日2時間のスモールスタートが可能|株式会社スクロール360


株式会社スクロール360は、コンタクトセンターの設計~運用開始まで最短1カ月での対応が可能だ。短時間利用のプランがあるため、始めは手軽なプランからスタートして、段階的に固定プランに切り替えていくこともできる。問合せが多い内容を都度共有するなど細やかなコミュニケーションを行い、改善策を提案してくれる点も同社の特徴だ。同社には物流業務サービスもあるため、コールセンター業務だけでなく、受注から発送までの一連の業務を委託できる。

業務内容:インバウンド、アウトバウンド
対応時間:24時間(夜間対応、スポット依頼、2時間のみ等も可能)
言語:多言語対応
料金:初期費用(専用回線設備費込み/契約内容により異なる)
1日2時間(午前中)対応プラン:月額11万円〜
1名AM対応プラン:月額185,000円〜

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メールやチャットなども対応可能|日本トータルテレマーケティング株式会社


日本トータルテレマーケティング株式会社のコンタクトセンターサービスは、電話だけでなくメール・チャット・SNS・FAX・アプリなど、さまざまなチャネルに対応。インバウンドは24時間対応で、自社が希望する曜日・時間に合わせた柔軟な対応を期待できる。月1回の定例会が開催され、数値・課題・改善などの報告を受けることが可能だ。

業務内容:インバウンド、アウトバウンド
対応時間:24時間(休日)
言語:要問合せ
料金:要問合せ

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グループの強みを活かしたテクノロジーでサポート|富士通コミュニケーションサービス株式会社


富士通コミュニケーションサービス株式会社は、富士通グループの強みを活かし、ICTやAIといったテクノロジーを導入した顧客コンタクトサービスを運営している。数席でも大規模なコールセンターと同じ機能・設備を構築可能なため、低コストで高品質なサービスを顧客に提供して、顧客満足度の向上にも役立てることができる。

業務内容:インバウンド、アウトバウンド
対応時間:要問合せ
言語:日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語
料金:要問合せ

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多種多様な業種に対応、約1,000社の取引実績あり|株式会社KDDIエボルバ


株式会社KDDIエボルバは、テレビ通話やビデオチャットのような映像サポートがあり、音声やテキストのみでは解決が難しい内容にも対応できる。多言語コンタクトセンターでは、オペレーターが通訳となる3者間通話と、多言語アウトバウンド業務も実施可能だ。

業務内容:インバウンド、アウトバウンド
対応時間:24時間365日
言語:多言語対応
料金:要問合せ

公式HP:KDDIエボルバ「コンタクトセンター(コールセンター)サービス」

コンタクトセンターの規模は国内最大級|トランスコスモス株式会社


トランスコスモス株式会社では多様なECサービスを展開しており、コンタクトセンターサービスでは電話だけでなく、チャットサポート、FAQコンテンツの制作・運用、スマートフォン向けにノンボイスサービスも提供している。電話対応はAIでテキスト化できるため、ナレッジを蓄積して自社の売上アップなどに役立てることが可能だ。

業務内容:インバウンド、アウトバウンド
対応時間:24時間365日
言語:多言語対応
料金:要問合せ

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14言語以上の多言語で企業の多用なニーズに対応|りらいあコミュニケーションズ株式会社


りらいあコミュニケーションズ株式会社のコンタクトセンターは、14言語以上の多言語に対応しており、特に英語によるサポート体制は国内ベンダーでは最大規模となっている。電話以外に、ライブチャットやAI技術を利用したチャットボットサービスを提供しており、チャットボットから有人チャットへのエスカレーション連携も可能だ。

業務内容:インバウンド、アウトバウンド
対応時間:24時間365日
言語:日本語、英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、カンボジア語、タガログ語、ミャンマー
料金:要問合せ

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各企業に「より良い顧客体験の創造」を提供|株式会社NTTマーケティングアクト


長年コンタクトセンターを運営してきたNTTグループの企業で、コンタクトセンターサービスを展開しているのが株式会社NTTマーケティングアクトだ。電話応対のほかに、通話をリアルタイムでテキスト化する音声認識や、AIによるチャットボットと有人対応のハイブリッド運営も可能。多言語電話・通訳サービスは7言語に対応しており、多言語翻訳サービスやQRコード翻訳サービスも実施している。同社のVOC分析・コンサルティングサービスで、専門アナリストによるコンタクトセンターの会話分析や、改善策の検討なども実施できる。

業務内容:インバウンド、アウトバウンド
対応時間:24時間365日
言語:英語、中国語(北京語)、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語(9時〜18時)、ベトナム語(10時〜19時)一言語でも複数言語でも同一料金での提供が可能。
料金:要問合せ

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コールセンターのアウトソーシング費用を抑える方法

最後に、アウトソーシングの費用を抑える方法を4つ紹介する。

ECサイト内にFAQページを作成する


まずは、自社のサイト内にFAQページを作成する方法だ。コールセンターでは顧客から電話を受けて疑問や相談に回答することがメインの業務となるため、サイト内のFAQページでよくある質問をまとめておくことで、コールセンターでの入電数を減らすことができる。特に、受電数によって月額料金が変動する「従量課金型」の料金プランを選択している場合に有効だ。

チャットセンター・チャットボットを利用する


チャットセンターやチャットボットを利用して対応効率を上げる方法もある。コールセンターでは一人のオペレーターにつき一人の対応しかできないが、チャットでは複数の顧客に対応することが可能だ。簡単な問い合わせはAIを用いたチャットボットを利用して回答することもできる。これらの方法により入電数や対応数を抑えれば、アウトソーシング費用も減らせるだろう。

対応件数をシミュレーションする


オペレーター一回あたりの対応時間を計算して、想定される入電・架電件数に対する必要人数を割り出してみることが重要だ。ベテランと新人との応対時間の差異や、曜日や時間帯によるコール数の違いも加味するのが望ましい。顧客への対応率を確保するために必要な人数・時間を知ることで、自社の実態に即した料金プランを選ぶことができる。

委託する業務範囲を明確にする


委託する業務範囲によって料金が変わってくるため、委託したい業務に優先順位を付けて、予め業務範囲を明確にすることも費用負担軽減に有効だ。委託先で必要な作業工程や人数、応対時間帯などが明らかになり、自社が委託したい業務について、詳細な見積書を作成してもらうことができる。優先度の高い業務のみを委託すれば、費用負担軽減が見込めるだろう。

関連記事:コールセンター費用、自社運営と委託で比較。委託時の注意点や選び方も解説

コールセンター業務は、自社の導入目的に合うアウトソーシング会社に委託しよう

コールセンターをアウトソーシングすることにはさまざまなメリットがあるが、サービス会社によって対応できる内容や料金プランが異なるため、事前に導入の目的や予算などを明確にし、複数の会社を比較検討することが重要だ。ECサイトの工夫次第で料金を抑えることもできるため、今回の記事の内容を踏まえて、一度社内のカスタマーサポートを見直してみてはいかがだろうか。

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ECのミカタでは、コールセンターアウトソーシングとのマッチングサービスを提供しています。ECサイトに特化したメディアを運営する専門コンシェルジュが、丁寧なヒアリングを行った上で、最適な企業をご紹介します。

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