エアークローゼット、シェアリングビジネスに特化したWMSを独自開発

ECのミカタ編集部

株式会社エアークローゼット(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:天沼 聰)は、シェアリングビジネスに特化した倉庫管理システム(WMS)を独自開発し、自社の物流システムとして運用を開始した。

構築した物流基盤を外部へ提供

エアークローゼットは、シェアリングビジネスに特化した倉庫管理システム(WMS)を独自開発し、自社の物流システムとして運用を開始した。また2019年に導入したRFIDを活用したアイテムの個品管理(特許出願中)により倉庫内の出入荷の作業効率を大幅に改善したことでコスト削減に成功し、創業以来初の通期黒字化を達成した(21年6月期)。

今回実施した倉庫管理システム(WMS)の自社開発は、外部へのプラットフォーム提供に向けた取り組みのひとつだという。同社は、これまで事業運営をしてきた中で循環型物流」を一から構築することはとても困難であると実感していたそうだ。

そのため、今後シェアリングビジネスを開始したいという企業がよりスムーズに参入できるよう、構築してきた物流基盤を外部へ提供していきたいとしている。

進化し続ける独自の「循環型物流」

進化し続ける独自の「循環型物流」

シェアリングビジネスを運営する上で重要になるのが「循環型物流」だ。同社は、創業当初より物流専門チームを設けて、これまでになかった「循環型物流」を一から構築し、UX改善・業務効率化を行ってきた。

2019年10月からは衣服タグに縫い付けた洗濯可能なRFIDで全てのレンタルアイテムの個品管理(レンタル・クリーニング・品質の状態を管理)を開始するなど、物流テックの活用も行っている。こうした蓄積が、今回のシェアリングビジネスに特化した倉庫管理システム(WMS)の独自開発と自社の物流システムとして運用を開始につながったようだ

一般的な物流は商品を配送するのみで一方通行となるが、同社が運営する月額制ファッションレンタルサービス『airCloset』/提案型ファッションEC『airCloset Fitting』/メーカー公認月額制レンタルモール『airCloset Mall』はいずれも返送が発生する。そのような返却に対応するため、商品を個品単位で管理し還流・再生して何度も回転させる「循環型物流」の仕組みを構築しているという。

またファッションレンタル専用クリーニングの開発や洗濯可能なRFIDを活用したアイテムの個品管理など、サービスの成長と共に物流機能を進化させてきた。配送領域では、三菱商事株式会社のセルフ返品サービス『スマリSMARI』導入、QRコード・バーコード返送への切り替え、MagicalMove株式会社のAI宅配サービス『Scatch!(スキャッチ)』導入*など様々なUX向上に取り組んでいる。

*『スマリSMARI』/『Scatch!(スキャッチ)』は、月額制ファッションレンタルサービス『airCloset』のみで導入

物流基盤を活かした事業展開を加速

『airCloset』では、「新しいファッションとのワクワクする出会い」を届けるよう各種プラン・機能拡充を行っている。2015年より複数のブランドミックスでアイテムを提供してきたが、新しいファッションの楽しみ方を提案するべく、今後は単独ブランドのアイテムを提供する取り組みも拡大しているという。

ブランドには、同社独自のレンタルプラットフォームを活用し、店舗やECに次ぐ新事業としてレンタルサービスの提供を手軽に開始できるとしている。2021年3月には3ヶ月間限定で、商品提供のみで各社ブランド独自のレンタルサービスが開始できる「ブランドコラボプラン」を提供している。

第一弾として『Mila Owen(ミラ オーウェン)』『nano・universe(ナノ・ユニバース)』の2ブランドが参画。この取り組みについてブランドからは「洋服の提供のみで手軽にレンタルサービスが開始できる」と好評を得ているという。また今回実施したブランドのアイテムを普段購入していない人が89%以上という結果となり、同プランはブランドにとって新規顧客・再訪顧客にアプローチできる取り組みとなったそうだ。同社はこのような好結果を受けて、2022年からは定常プランとして提供することを予定しており、これからの展開にも注目と言えそうだ。

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