東京建物の物流施設「T-LOGI」シリーズが冷凍・冷蔵倉庫開発事業に参入

ECのミカタ編集部

東京建物株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:野村均)は、同社物流施設「T-LOGI(ティーロジ)」シリーズ初となる冷凍・冷蔵倉庫開発事業に参入すると発表した。

冷凍冷蔵仕様の自動倉庫として国内最大級

当事業の第一弾となる「(仮称)T-LOGI本庄児玉」は、BTS型物流施設として埼玉県児玉郡上里町にて開発中。関越自動車道「本庄児玉IC」より約3.3kmに位置し、都心部と郊外の生産拠点の両方にアクセスしやすい立地にある。

開業は2022年11月の予定で、吉見グループ株式会社(本社:埼玉県熊谷市、代表取締役社長:大久保直政)に一括賃貸することが決定しているという。

同施設内には製品を自動搬送できるラックシステムを設置し、省人化を図るなど、自動倉庫として顧客ニーズに対応した最先端の技術を導入。約30,000 パレットを格納でき、冷凍冷蔵仕様の自動倉庫としては国内最大級となる予定だという。

設計施工は関東建設工業株式会社(本社:群馬県太田市、代表取締役社長:髙橋明)が担当し、太陽光発電による自己託送や高効率の自然冷媒冷凍機を導入する計画で、環境に配慮した物流施設を目指す。

<(仮称)T-LOGI本庄児玉 概要>
所在地:埼玉県児玉郡上里町大字嘉美字立野南1353 番1 他(地番)
交通:関越自動車道「本庄児玉」IC 約3.3km
敷地面積:約25,452㎡
延床面積:約15,391㎡(予定)
規模:地上2階
用途:倉庫・事務所
開業:2022 年11 月(予定)

冷凍・冷蔵倉庫開発事業参入の背景

同社は2018 年に物流施設開発事業に参入し、全国で約20 物件のマルチテナント型を想定した物流施設を開発してきた。

冷凍・冷蔵倉庫は、これまで一般的な物流施設と比較すると賃貸施設としての開発例が少なく、自社所有による開発が主流だったが、共働き世帯の増加といった社会構造変化に伴う食品系EC の伸長や、老朽化施設の更新、コールドチェーンネットワークの再構築による物流効率化、そして近年社会問題化しているパンデミックや災害対応に備えた医薬品やワクチン等の低温保管施設の確保などのため、冷凍・冷蔵倉庫のニーズは今後一層高まるとみられている。

同社は今後も顧客ニーズに寄り添ったBTS 型の冷凍・冷蔵倉庫の開発を積極的に行う構えだ。さらに、汎用性の高いマルチテナント型物流施設においても、冷凍・冷蔵倉庫の将来対応が一部可能となる施設設計の検討を積極的に行っていくという。

関東以外にもT-LOGIシリーズを積極展開

昨今の物流分野においては、労働力不足や、荷主および消費者ニーズの高度化・多様化による多頻度小口輸送が進展している。

最近では、在宅勤務の普及を含め新型コロナウイルス感染拡大に伴う宅配便増加など、EC 市場規模の急拡大を背景に、配送時間の短縮など、物流効率化の重要性は一段と増している。また、そうした要因から、先進的な物流施設へのニーズや、投資ニーズも高まっている。

このようなニーズに対応するため、同社では、当施設での経験と実績を通じ、物流施設「T-LOGI」シリーズの開発メニューに冷凍・冷蔵倉庫開発事業を加えることで、多様化している顧客ニーズにきめ細かく対応する。

また、老朽化した冷凍・冷蔵倉庫の建て替えニーズがある企業に対して共同開発提案を行うなど、新たな事業機会を創出し、今後関東圏のみならず国内主要物流集積地を中心に立地を厳選し、「T-LOGI」シリーズを積極展開するという。

コロナ禍で食品ECが伸長し、冷凍・冷蔵の荷物量の増加が取り沙汰されているが、コロナ禍以前から、首都圏を中心に冷凍・冷蔵倉庫の供給が間に合っていないという実態があった。また、首都圏や関西圏を中心に既存の冷凍・冷蔵倉庫の多くで老朽化が進んでいるという問題もある。

積極的な展開姿勢を見せる同社の「T-LOGI」シリーズは、今後加速度的に国内コールドチェーンにおいて存在感を増していきそうだ。

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