顧客の声、重視しつつも活用しきれていない?【EXIDEA調査】

ECのミカタ編集部

動画マーケティング総合支援サービス「CINEMATO(シネマト)」を運営する株式会社EXIDEA(本社:東京都墨田区、代表取締役:小川卓真、以下「EXIDEA」)は、BtoB事業を行っている企業のマーケティング担当者106名を対象に、「顧客の声(Voice of Customer)活用」に関する実態調査を実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

調査概要:「顧客の声(VoC)活用」に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年2月3日〜同年2月5日
有効回答:BtoB事業を行っている企業のマーケティング担当者106名

自社サービスに対する「顧客の声を収集出来ている」43.4%

自社サービスに対する「顧客の声を収集出来ている」43.4%

「Q1.お勤め先では、マーケティング設計の中で、サービスに対する顧客の声(VoC)を十分に吸い上げることができていますか。」(n=106)と質問したところ、「ほとんどできていない」が12.2%、「あまりできていない」が38.7%という回答となった。

次にQ1で「かなりできている」「ややできている」と回答した人に、「Q2.顧客の声(VoC)を、どのような方法で吸い上げていますか。(複数回答)」(n=46)と質問したところ、「営業現場」が67.4%、「顧客インタビュー」が39.1%、「顧客へのアンケート」が39.1%という回答となった。

約3社に1社「声を部署横断して活用できていない」

約3社に1社「声を部署横断して活用できていない」

Q1で「かなりできている」「ややできている」と回答した人に、「Q3.吸い上げた顧客の声(VoC)を、部署を横断して活用することができていますか。」(n=46)と質問したところ、「ほとんど活用できていない」が4.5%、「あまり活用できていない」が30.4%という回答となった。

Q3で「ほとんど活用できていない」「あまり活用できていない」と回答した人に、「Q4.顧客の声(VoC)を、部署を横断して活用できていない理由を教えてください。(複数回答)」(n=16)と質問したところ、「社内で顧客の声(VoC)の重要性が理解されていないから」が37.5%、「社内に活用ノウハウがないから」が31.2%、「顧客・自社ビジネスに理解が深いCMOがいないから」が18.8%という回答となった。

その他に「関わる人数が多すぎるため」や「営業同士の中で連携が取れていない」なども、部署を横断して活用できていない原因にQ4で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q5.Q4で回答した以外に、顧客の声(VoC)を部署を横断して活用できていない理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=15)と質問したところ、「関わる人数が多すぎるため」や「営業同士の中で連携が取れていない」など7の回答があった。

またQ3で「かなり活用できている」「やや活用できている」と回答した人に、「Q6.社内のどこで顧客の声(VoC)を活用しているか教えてください。(複数回答)」(n=30)と質問したところ、「営業」が66.7%、「カスタマーサクセス」が46.7%、「システム開発」が43.3%という回答となった。

87.7%「今後、顧客の声の吸い上げ・活用は重要に」

87.7%「今後、顧客の声の吸い上げ・活用は重要に」

「Q7.あなたは、今後のマーケティング戦略として、顧客の声(VoC)の吸い上げ・活用は重要になってくると思いますか。」(n=106)と質問したところ、「かなりそう思う」が41.5%、「ややそう思う」が46.2%という回答となった。

Q7で「かなりそう思う」「ややそう思う」と回答した人に、「Q8.今後、顧客の声(VoC)の吸い上げ・活用が重要になってくると思う理由を教えてください。(複数回答)」(n=93)と質問したところ、「顧客満足度の向上につながるから」が72.0%、「サービス改善につながるから」が45.2%、「新サービスにつながるから」が39.8%という回答となった。

Q8でわからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q9.Q8で回答した以外に、今後、顧客の声(VoC)の吸い上げ・活用が重要になってくると思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=92)と質問したところ、「顧客が気づいていない次のニーズを探る必要があるから」や「顧客の声を反映して新しい最新の開発をするため」などの回答があった。

<自由回答・一部抜粋>
・37歳:顧客が気づいていない次のニーズを探る必要があるから。
・44歳:顧客の声を反映して新しい最新の開発をするため。
・35歳:差別化につながる。
・33歳:よりパーソナルなものが重要視されていくと思うから。
・28歳:顧客ロイヤリティ獲得が最終的に会社の利益にも繋がるから。
・39歳:顧客が今何を必要としているか理解したいから。
・31歳:自社の立ち位置や評価を得ることで、そこからの新設計やどこの人材が足りていないかのヒントにできる。
・38歳:顧客に寄り添ったサービスが必要。

重視しつつも活用しきれていない実態が明らかに

このように、BtoB事業を行っている企業のマーケティング担当者106名を対象に、「顧客の声(VoC)活用」に関する実態調査が実施された。まず、勤め先のマーケティングにおいて、サービスに対する顧客の声を収集出来ている企業は43.4%に留まっていることが判明した。そこで、顧客の声を収集出来ている企業へ収集方法を伺ったところ、「営業現場」が67.4%で最多だった。

一方で、サービスに対する顧客の声を収集できた企業でも、約3社に1社は吸い上げた顧客の声を、部署を横断して活用できていない実態も明らかに。その理由を聞いたところ、「社内で重要性が理解されていない(37.5%)」や、「社内に活用ノウハウがない(31.2%)」などが挙がり、他にも「関わる人数が多すぎるため」や「営業同士の中で連携が取れていない」などが原因として挙げられた。

またサービスに対する顧客の声を収集できているマーケティング担当者へ、「顧客の声を活用している部門」を伺ったところ、66.7%の企業が「営業部門」と回答した。さらに今後のマーケティング戦略として、87.7%の企業が「顧客の声の吸い上げ・活用は重要になってくる」と回答しており、72.0%が、「顧客満足度の向上につなげる」ために、顧客の声の吸い上げ・活用を重要視していることが分かった。他にも、「顧客が気づいていない次のニーズを探る必要があるから」や、「顧客の声を反映して新しい最新の開発をするため」などの理由も見受けられた。

今回の調査では、多くのマーケティング担当者が顧客の声(VoC)を重要視しているものの、収集したデータを活用しきれていないケースが多いばかりか、収集自体できていないケースも少なくないことが浮き彫りとなった。営業部門では顧客との関わりが深いため、営業担当者からの情報の吸い上げから各部署への伝達、事業への活用までを連動させられるような施策が必要だと言えそうだ。そのためにも社内でVoC活用のためのスクラムチームを構築したり、専門家のアドバイスを取り入れることによって、サービスの差別化や新商品の開発、顧客との信頼関係構築などにつながる好循環が生まれることにもなりそうだ。

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