三陽商会×NRIデジタル×プレイド、OMOによる顧客体験向上のためのトライアルを開始

ECのミカタ編集部

株式会社三陽商会(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:大江伸治)、NRIデジタル株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:雨宮正和)、株式会社プレイド(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:倉橋健太)の3社は、共同でオフラインとオンラインを融合したOMO(Online Merges with Offline)による顧客体験の実現に向けてトライアルを開始すると発表した。

ECサイトと店舗を利用する顧客データをシームレスに解析・統合

本取り組みは、三陽商会の「BLUE LABEL CRESTBRIDGE」「BLACK LABEL CRESTBRIDGE」の新ライン「CB CRESTBRIDGE」の第1号店舗「ららぽーと横浜店」(4月22日オープン)にて行われる。

公式ECサイト「クレストブリッジ オンラインストア」および本店舗を利用する顧客の行動データをシームレスに解析・統合し、オフライン・オンラインの顧客接点で、その顧客のニーズや文脈を捉え顧客体験の向上を図るという。

NRIデジタルとプレイドは、オフラインとオンラインのざまざまな接点における顧客体験をシームレスにつなぐ共通基盤の開発およびその活用支援を共同して展開してきた。おもに、店舗における行動データの解析はNRIデジタルが開発したSaaSインテグレーションサービス「OMO OnBoard」が、ECにおける行動データの解析とオフラインとオンラインのデータの統合はプレイドが提供するCXプラットフォーム「KARTE」が担う。

チャネルごとの顧客体験の分断が課題

本取り組みの背景に、三陽商会では各顧客接点における顧客体験の分断を課題としていたことがある。この課題を解消し、より顧客本位の体験を実現することを本トライアルの目的としている。

今回の取り組みでは、来店時のチェックインを起点に、ECサイトなどの情報を見てリアル店舗に来店した顧客や、来店したものの購入には至らず、その後ECサイトを訪れた顧客の行動を解析できるようになることで、その顧客にとって最適な商品やイベントなどの紹介が可能となる。

また、オフラインでのデータもオンラインの体験向上に役立てることができ、ECでも商品知識を持ったスタッフが接客しているようなコミュニケーションが可能になるなど、より細やかなブランド体験の提供が期待できる。

今後は、店舗の在庫データもリアルタイムに統合し、商品の在庫状況と顧客の行動やライフスタイル・年齢・体型などの顧客情報を複合的に組み合わせることで、お気に入り登録商品に基づいた来店促進や来店者への「お客さまのすべての日常に寄り添う」ための商品提案などを目指すという。

好みや興味に応じた商品やキャンペーンを案内

好みや興味に応じた商品やキャンペーンを案内

本取り組みにおいては、店舗来店時、顧客がスマートフォンなどでQRチェックインを行い利用許諾に同意することで、店舗での行動解析(3D距離センサーによる計測)が開始される。店舗での行動とECでの商品閲覧などをかけ合わせ、その人の好みや興味に応じた商品提案やイベント・キャンペーンなどの案内を行う。

「OMO」や「オムニチャネル」という概念が提唱されてから何年も経つが、小売の現場ではいまだに「オンライン」と「オフライン」を分けて考える習慣が根強く残っている。

ところが、実際には多くの消費者はひとつのチャネルにとどまっているのではなく、オンラインとオフラインを行き来している。その行き来をいかにスムーズに、いかに活発にできるかが顧客体験向上・売上向上のカギと言えるだろう。

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