アリババクラウドとフェンリルが新ECプラットフォームを共同開発

ECのミカタ編集部

フェンリル株式会社(本社:大阪府大阪市、最高経営責任者:牧野兼史、以下「フェンリル」または「同社」)とアリババクラウドは、新たなECプラットフォームを共同で開発したことを公表した。

急増するECトラフィックに対応

フェンリルとアリババクラウドは、新たなECプラットフォームを共同で開発したとことを公表した。アリババクラウドが提供する安全かつ信頼性の高いクラウドサービスと、日本におけるECオープンソースシステムで存在感を示す「EC-CUBE」を組み合わせ、販売プロモーション等で急増するトラフィックについてスケーラビリティを確保しながら処理できるようになるとしている。

EC-CUBEは、日本国内で幅広い実績を有し、柔軟なサイトデザインが特徴のECオープンソースだ。ウェブプログラミング言語であるPHPを使用して開発されており、他のプログラミング言語と比較して処理スピードは一般的に速くないが、高負荷トラフィックが発生するECサイト運営における高負荷対策を個別で実施することで対応している。

またアリババクラウドの安全かつ信頼性の高いクラウドサービスは、優れたスケーラビリティを備えている。クラウドサーバーの台数を負荷に応じて自動的に増減させるオートスケール機能により、トラフィックが急増した場合でも最大2000台まで自動的に拡張することができる。これより、従来のECプラットフォームが抱えていた課題の解決が可能だ。

共同開発の概要

共同開発の概要

同社は、従来の自社ECプラットフォームの課題として次の2点を挙げている。

▶販売促進のキャンペーンの開始時など、急激なトラフィック増加により、サーバーが処理しきれず受注機会の損失を招く

▶トラフィックのピークを想定してシステム構築を構築するため高いランニングコストが掛かる

また、第三者によるサービス提供が可能なSaaS型のECサイトにおいても、大規模なトラフィックを処理できず、受注機会を失うケースが見られる。そこで、フェンリルとアリババクラウドは、信頼性の高いアリババクラウドのオートスケール機能とEC-CUBEを組み合わせた新しいECプラットフォームを共同で開発することになったのだ。

フェンリルは、日本国内のEC販売オペレーションに必要なカスタマイズに対応し、トラフィックの急増に対応できる柔軟なデザインのECプラットフォームとなっている。同プラットフォームを利用するサポート事例の第1弾が、株式会社Yostar(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:李衡達、以下「Yostar」)が運営する「Yostar OFFCIAL SHOP」のリニューアルだ。

導入事例で成果

Yostarグループが日本で展開しているゲームやアニメ関連のキャラクターグッズをオンラインで販売するECサイトの運営に、従来は日本のSaaSを利用してきた。キャラクターグッズという販売特性から、新製品の発売や販売キャンペーンの開始時にサイトへのアクセスが急増し、従来のシステムではトラフィックを処理しきれず、個別のシステム強化も難しいため、受注機会の損失が発生していた。

ゲームやアニメ関連のキャラクターグッズのオンライン販売拡大が見込まれるため、コストを抑えつつ課題を解決できるソリューションを模索していたという。そこで、アリババクラウドのスケーラブルかつ信頼性の高いクラウドソリューションと、フェンリルによるEC-CUBE導入のサポート実績に注目し、リニューアルを実施することを決定したのだ。

開発プロジェクト期間中は、アリババクラウドのエンジニアの的確な助言を得ながら、アリババクラウドとEC-CUBEの統合に関する技術的な課題を迅速に解決することができたとしている。また、フェンリルは日本国内のEC販売オペレーションに必要な個別のカスタマイズにも柔軟に対応した。

これらのサポートを通してリニューアルが成功し、新製品を販売する際の受注機会の損失を大幅に低減することができたとのことだ。フェンリルとアリババクラウドが共同開発したスケーラブルで信頼性の高いECプラットフォームによって、これからもあらたな成果がもたらされることに期待が集まりそうだ。


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