Web広告不正クリック、運用担当の約4割が「CPA悪化」を恐れ対策が後手に Cacco調査

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ECのミカタ編集部

【2026年版 アドフラウド実態調査】Web広告不正クリック対策、広告運用担当者の約4割が

かっこ株式会社(以下、Cacco)は2026年5月12日、「2026年版 ネット広告不正(アドフラウド)に関する実態調査」の結果を発表した。

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調査概要

◆調査主体:かっこ株式会社
◆調査期間 :2026年4月
◆調査機関:インターネットリサーチ
◆調査対象:ウェブ広告運用に携わる担当者
◆調査人数:400名
◆出典:2026年版 ネット広告不正(アドフラウド)に関する実態調査(かっこ株式会社)

約7割が「コンプライアンス上のリスク」と認識

「アドフラウド」という言葉の認知度は75.8%(「名前と内容も知っている」49.5%、「名前だけ知っている」26.3%)に達した。

また、約7割(69.3%)が自社広告の配信先を「コンプライアンス上のリスク」として認識していることが明らかとなった。

約4割が「社内評価を恐れ対策を躊躇」

「アドフラウドの被害経験」について質問したところ、全体の36.8%が「ある」と回答。

被害経験者が搾取された広告費の割合は「1%〜5%未満(27.9%)」が最多だった。「5%〜10%未満(26.5%)」「10%〜20%未満(23.8%)」を合わせると、全体の約8割を占めた。

アドフラウド対策を行うと、見かけ上のクリック数が減ったり、獲得単価(CPA)が上がる。そのため、社内での「評価低下」や「成果悪化」を恐れて対策に踏み切れない(やめてしまった)という経験がある担当者が、39.0%に上った。

「質の低い安価なクリック」も加味してしまう、旧来の評価体制が根本的な不正対策を妨げていることがうかがえる。

「見せかけの成果」に依存した評価体制に警鐘

現在実施している対策としては「広告代理店に任せている(42.8%)」が最多となった。

一方、対策の責任の所在については「広告代理店任せ(17.8%)」「明確な担当がいない(16.0%)」を合わせると33.8%にのぼった。当事者意識や責任が曖昧なケースが、多いことが浮き彫りになった。

本調査結果について、明治大学サイバーセキュリティ研究所 所長 齋藤孝道氏は次のようにコメントしている。

「本調査で浮き彫りになった『見かけのCPA悪化を恐れて対策を躊躇する』という現場のジレンマは、短期的なKPI最適化と、本来優先されるべきリスク管理との間に生じる構造的な衝突を示しています。リスク管理の観点から見れば、これは課題を認識しながらも業務継続を優先して対応を先送りする、いわば既知のリスクを内在化したまま運用を継続する状態に近いと言えるでしょう」

Caccoはこうした事実を受け止め、日本のデジタル広告市場における「見せかけの成果」に依存した評価体制に警鐘を鳴らす。真の投資対効果(ROI)を追求するための「啓発活動」を推進する方針を掲げた。