リテールメディア広告市場調査 店舗事業者の環境整備などにより、2027年には2023年市場の約2.6倍になると予測

ECのミカタ編集部

リテールメディア広告市場調査を実施

株式会社シード・プランニング(以下:シード・プランニング)の子会社である株式会社デジタルインファクトは株式会社CARTA HOLDINGSと共同で、リテールメディア広告市場(※1)に関する調査を実施した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
※1:広告主によるリテールメディア広告への年間支出総額を対象

調査概要

◆調査主体:株式会社CARTA HOLDINGS
◆調査時期:2023年9月〜12月
◆調査方法:広告業界・小売業界関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
◆調査対象:リテールメディア広告市場
◆調査機関:株式会社デジタルインファクト

今後も増加傾向が予測されるリテールメディア広告市場

デジタル広告配信におけるクッキーレス化が進む状況において、大手EC事業者が提供するターゲティング精度の高いリテールメディア広告は、多くの広告主からのデジタル広告需要を取り込み、2023年はデジタル広告全体を大きく上回る水準で増加した。

一部の大手店舗事業者による広告商品は、メーカー企業のマーケティング・販促需要を確実に取り込みながら、着実な市場の成長をけん引。こうした状況を背景に、2023年のリテールメディア広告市場は3625億円(前年比:122%)となる見通しだ。

大手EC事業者が提供するリテールメディア広告への広告主からの高い水準の需要の継続と、店舗事業者が提供するリテールメディア広告への需要の急増を受け、市場は今後も高い水準で成長を持続し、2027年には2023年比約2.6倍となる、9332億円規模に拡大すると予測されている。

店舗事業における規模も急拡大する見通し

店舗事業者のリテールメディア広告市場においては、大手GMS企業が小売事業のDX化の一環としてリテールメディア事業への注力を進めており、広告商品の拡販に向けた環境整備を進めている。

大手コンビニチェーン企業においても、リテールメディア事業部門の組織体制の整備、あるいはデジタルサイネージ等の設備投資が進み、今後の大きな事業成長に向けた準備が見受けられる。

こうした状況から、店舗事業者におけるリテールメディア広告市場は、2023年は220億円(前年比:163%)となる見通し。今後は、リテールメディア事業を支えるテクノロジーの進展が、多くの店舗事業者の参入支援を促し、広告主からの確実な需要の高まりのもと、2027年には2023年比約6.3倍の1390億円に達するとも予測されている。

デジタル広告商品に対する需要が高まる

本調査についてシード・プランニングは以下のようにコメントしている。

「リテールメディア広告は、小売企業における新しい収益モデルとして注目を集めています。大手EC事業者における広告ビジネスは2010年代後半以降本格化し、近年その売上成長率は、デジタル広告市場全体の成長率を大きく上回る水準で推移しています。また、大手店舗事業者においては、小売事業のDX化を推進する組織整備、広告事業者との連携などにより、リテールメディアビジネス開発を進め、商流の拡大に向けた取り組みも始まっています」。

メーカーを中心とした広告主企業では、顧客層に対して確実なアプローチを実現するデジタル広告商品の需要が高まっている。EC、店舗といった業態を問わず、今後の広告プロモーションの変革に注目だ。


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