日本郵政グループとJR東日本が協定締結 両社グループのリアルネットワークを活用し、日本の抱える社会課題の解決に挑戦
日本郵政株式会社(以下:日本郵政)、日本郵便株式会社(以下:日本郵便)及び東日本旅客鉄道株式会社(以下:JR東日本)は、社会課題の解決に向けた連携強化を目的として、2024年2月21日に協定を締結した。
日本の抱える社会課題の解決に貢献する
両社グループが連携することによって、日本郵政グループが掲げる中期経営計画「JPビジョン2025」、JR東日本グループが掲げるグループ経営ビジョン「変革2027」の推進を加速。両社グループを発展させながら「地域コミュニティの弱体化」や「労働の担い手不足」など、日本の抱える社会課題の解決に貢献するとしている。
◆連携協定概要
▷締結日:2024年2月21日
▷締結社:日本郵政、日本郵便、JR東日本
◆連携内容
両社グループのリアルネットワークを活用
今回、社会課題の解決に向けた連携施策として「5本柱」が掲げられている。それぞれの概要は以下の通り。
◆郵便局・駅の地域コミュニティ拠点化
2024年度に内房線安房勝山駅および宇都宮線蒲須坂駅、2025年度には外房線鵜原駅で新たに一体運営を開始。今後は郵便局・駅で、両社グループ商材の取り扱いや地域住民が集えるラウンジ、行政窓口機能の導入など、それぞれの地域のニーズに応じた機能の付加を検討する。
◆持続可能な物流の実現
2024年度中を目途に、駅の多機能ロッカー「マルチエキューブ」に、ゆうパックの受け取りサービスを導入し、再配達負荷の低減などを図る。また、両社グループにて、鉄道車両と郵便車両を組み合わせるなど、輸送の省力化や環境負荷の低減を目指した「物流のリ・デザイン」に関する検討を実施。
◆アセット活用による共創型まちづくり
JR秋葉原駅~御徒町間の高架下施設「SEEKBASE AKI-OKAMANUFACTURE」に日本郵政グループの「みらいの郵便局」プロジェクトとして「SOZO BOX」を2024年2月29日に開業。また、エキサイトよこはま22に位置付けられている横浜駅東口ステーションオアシス地区開発は、国際都市の玄関口にふさわしい都市空間の形成に向けた重要なプロジェクトであり、周辺関係者とも協調しながら取り組む。
◆地域産業振興と新たな地域事業創造
2024年夏頃の東京中央郵便局および東京駅の「のもの東京駅グランスタ丸の内店」における山形県の特産品のコーナー展開を皮切りに、郵便局やエキナカなどで、地域の魅力的な商材を取り扱うコーナー展開や催事展開を実施。空き家などを活用した古民家再生を起点とした宿泊事業の展開など新たな地域事業創造なども検討する。
◆デジタル化による地域の暮らし支援
駅でのオンライン診療サービスの拡大や、オンライン診療サービスに伴う処方薬の集荷・配送などの分野で協力。ゆうちょ銀行とモバイルSuicaの連携や両社グループ共同での加盟店開拓などにより、地域の暮らしに便利なキャッシュレスサービスの提供を検討する。
両社ともに、郵便局や駅といった「リアルな顧客接点」を保有している。それぞれの拠点を活用することで、地域コミュニティの強化から物流環境の改善、新たな雇用創出といった様々なシナジーが生まれるはずだ。本協定による取り組みの事例共有、さらなる発展が期待される。今後の動向に注目したい。
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