今年の夏は猛暑?夏物商品が売れる予感!【ライフビジネスウェザー調べ】

ECのミカタ編集部

今年の夏の気温を予想!

 生活密着型天気予報を配信する株式会社ライフビジネスウェザー(以下、ライフビジネスウェザー)のビジネス気象研究所は、予想される今夏(2016年)の天気傾向から一般産業界での注目ポイントを発表した。今夏は、沖縄・奄美を除き、くもりや雨の日が多いものの、気温は高く蒸し暑い日が多くなる予想だ。夏物商品の販売は好調だが、野外レジャーなどは低調になる可能性がある。

 日本周辺における中長期的な天候トレンドを把握する上で、その海水温動向の影響が特に詳しく研究、評価されている海域が熱帯太平洋東部(ペルー沖周辺)とインド洋である。その両海域の昨今の海水温動向を以後述べる。

エルニーニョ現象が発生!?

エルニーニョ現象が発生!?

 ペルー沖では2014年夏よりエルニーニョ現象が発生した。エルニーニョ現象とは、海水温が平年に比べて高い状態が続く現象である。気象庁が4月11日に発表した最新のエルニーニョ監視速報によると、現在発生中のエルニーニョ現象は、今後弱まりながら今年夏のはじめには終息している可能性が高く、またその後、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性があることを示唆している。ラニーニャ現象とは、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続くことである。

 現在、インド洋熱帯域の海水温は高い水準となっており、今秋に向けて徐々に平年並みに向かうが、今夏までは高めで推移する予測となっている。インド洋熱帯域の海水温が高いと、近接するフィリピンの周辺の対流活動に作用した。それが太平洋高気圧の勢力の張り出しを弱め、日本の夏の天候不順につながる傾向があることが過去の研究によって示されている。

 近年、エルニーニョ現象が終息したあとすぐにラニーニャ現象が発生するというトレンドを示した年が1988年、1998年、2010年である。この3例を詳しく解析したところ、ペルー沖やインド洋の海水温動向が最も類似している年が1998年だった。このことから今夏は1998年の天候推移を基本にすべきと考えた。

 1998年夏は、一言でまとめると「北冷西暑」の気温分布だった。北陸及び東北南部、東北北部では梅雨明けの発表がなく、西日本太平洋側や南西諸島を除いて全国的に日照時間が平年より少なくなった。また、北日本中心に雨が多く、8月は秋雨前線や台風の影響で、福島・栃木・新潟などで記録的な大雨による被害も発生した(平成10年8月上旬豪雨、平成10年8月末豪雨)。秋は全国的に気温が高めとなったものの、台風が5号、7号、8号、10号と立て続けに上陸し、活発化した秋雨前線の影響もあり、各地で記録的な大雨や暴風となった。

3年ぶりの暑夏傾向に!

 今年(2016年)の夏の天候を1998年をベースに考えた場合の産業界への影響についてまとめる。今夏の天候を「北冷西暑」あるいは「北並西暑」のパターンと想定した場合、西日本では3年ぶりの暑夏傾向となった。昨今、一昨年と夏物商品の販売数が伸びなかったことが想定されるため、今夏の西日本については夏物商品の販売数が大きく伸びることが期待される。特に西日本で高温傾向の場合、気温が40度前後に達することも考えられる。熱中症関連商品が特に注目すべき部門となるだろう。
 
 東日本では2004年以降、南西諸島では2001年以降、夏季の気温は平年並みか高めの値が続いている。今夏も高温傾向となった場合、今年も変わり映えのしない夏の天候を想像されるかもしれないが、実際には昨年、一昨年と残暑がほとんどなく比較的スムーズに秋に突入したため、晩夏、初秋商戦はここ2年とは異なる可能性がある。

 今回、1998年のペルー沖及びインド洋熱帯域の海水温動向が今夏予想されているトレンドに近いため、あくまでも、1998年の夏の天候を前提としたトレンド予測をした。南西諸島から東日本にかけては猛暑予想ということができ、気象庁が2月に発表した暖候期予報と矛盾しないが、実際には南西諸島で晴れる日が多いほかは全国的にぐずつきやすく、「夏空で猛暑」というより「くもりや雨で蒸し暑い」という地域が多くなることも考えられる。

 夏は暑いイメージが強いが、実は昨年は猛暑まではいかなかったことがライフビジネスウェザーの調査で判明した。その影響で、夏物商品の販売数が伸びなかったと考えられる。おそらく、ECでも夏物商品の売り行きに困った所もあったのでは無いだろうか。その反面、今年の夏は暑夏傾向である。気温が40度前後となる日もあるそうだ。そうなれば、夏物商品の販売数がどんどん上がる。涼しげのファッションから身体を冷やしてくれる商品まで売れることだろう。今年は、夏物商品を利用してちょうど良い体温を保ち、熱中症にならないように気を付けたいものだ。


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