【朝刊】人気の秘密は、店舗の”個性”?(5月12日版)

福島 れい

特集:アパレルECの未来から見える各社の”こだわり”

 4月下旬から「アパレルECの未来」をテーマにミニ特集をお届けしてきましたが、昨日公開した古着の買取・販売を事業を行う「Branduru(ブランドゥール)」への取材記事を以て、概論編と全5社へ取材が完結となりました。「アパレルECの未来」を追い掛けてきて気づいたこと。それはなにより、「各社の個性が最大の魅力」であるということです。今朝は「個性をいかに活かすか」について考えてみようと思います。

 まず、古着の買取・販売を事業を行う「Branduru(ブランドゥール)」の個性とは、代表の若山さんご自身がファッション好きで、古着ユーザーの気持ちがよくわかる方であるということではないでしょうか。古着を売る時の納得感や買う時の不安、どうしたら満足するのかといった、ユーザーの細かな感情に寄り添ったサービスを提供できるのは、若山さんご自身のご経験が活きているなと感じました。

【取材記事】
アパレルECの未来 5章〜ブランドゥール:古着EC編〜
 (https://goo.gl/Du27jj

 次にシャツの国産メーカーとしてEC事業に乗り出したフレックスジャパンの個性を考えてみると、「ジャストサイズ」への並々ならぬこだわりが浮かびます。「袖口1㎝の美学」という言葉を聞いたことはありますか?「袖口1㎝の美学」とは、スーツ姿のジャケットの袖口からちょうど1㎝だけシャツが覗くことを言うのだそうです。まさに既製品ではなかなか実現できないジャストサイズと言えましょう。それゆえに、フレックスジャパンはECショップでありながら、オーダーメイドで注文できるという魅力が生まれました。

【取材記事】
アパレルECの未来 6章〜フレックスジャパン:国内生産元編〜
 (https://goo.gl/a6PLvY

 サイズと言えば、アンケートでサイズがわかる「unisize(ユニサイズ)」を提供するメイキップを取材させていただきました。「unisize」はデータを有効に活用したサービスで、身体データと各洋服ブランドのサイズデータから、ユーザーと商品のぴったり度合いを判定します。「unisize」開発のきっかけとなっているのは、代表、柄本さんのご経験から。柄本さんのアメフト部で鍛えた太ももに合うパンツを見つけるのは骨の折れる作業だと仰います。ご自身の経験があるからこそ、サイズを合わせたいというニーズを満たすことができるのです。

【取材記事】
アパレルECの未来 2章〜メイキップ:オンラインフィッティング編~
 (https://goo.gl/PabmX5

 また、ファッションレンタルのエアークロゼットの個性と言えば「日常生活で試着する」という発想そのものにあるでしょう。本当に気に入った洋服だけを手元に置くという考えは新鮮で、ファッション好きユーザーの心を捉えています。「新しい出会い」を提供するため、スタイリストが選んでくれるというのも他にない魅力です。

【取材記事】
アパレルECの未来 3章〜エアークローゼット:日常生活で試着編〜
 (https://goo.gl/1PbAlN

 最後に、接客に力を注ぐSHOPLISTは「当たり前」に強いこだわりを持たれているなと感じました。服が必要だと思ったら、すぐにSHOPLISTが浮かんでくる状態とは、まさに「衣のインフラ」と言えるでしょう。これは「当たり前」に接客を受けたユーザーのみが抱く感覚ではないでしょうか。

【取材記事】
アパレルECの未来 4章〜SHOPLIST:個別接客編〜
 (http://ur0.xyz/tDAd)

 各社に共通するのは、個性やこだわりを発揮したサービスを追求していることにあります。今回取材した5社の取り組みは各社大きく異なりますが、どの方も熱い想いとサービスのこだわりを語ってくださいました。商品やサービス、事業そのものにどんな想いを込めるのか、EC事業を成功させるには決して欠かせないものだと改めて感じています。

昨日の人気記事

・新時代到来。メディアECモール「kabuki ペディア」誕生
https://ecnomikata.com/ecnews/strategy/8954/

・なぜ爆買い?中国ECに挑戦する前に知っておくこと【解説】
https://ecnomikata.com/ecnews/strategy/8891/


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

福島 れい の執筆記事