4月のEC総売上高は前年同月比の-1.6%、その原因は?【JADMA調べ】

ECのミカタ編集部

4月で最も伸びたのは「雑貨」?

4月で最も伸びたのは「雑貨」?135社の回答を集計したもの。
上段:売上高(単位100万円) 同下段:総売上高に占める構成比

 通信販売業界を代表する業界団体である公益社団法人日本通信販売協会(以下、JADMA)では、協会の理事社を中心とする会員企業数135社を対象として2016年4月度の売上高調査を実施した。

 2016年4月の総売上高(135社)は1,303億5,600万円となり、前年同月比でみると-1.6%と減少した。伸び率を商品別でみると、「衣料品」は前年同月比-18.6%、「家庭用品」は-3.1%、以下「雑貨」+7.9%、「食料品」-2.1%、「通信教育・サービス」-13.6%となった。また、4月の1社あたりの平均受注件数は、81,219件(回答106社)だった。

 JADMAでは、2014年度(2014年4月~2015年3月)の通信販売市場の売上高について調査を行い、このほど速報値がまとまった。それによると、2014年度の通販の売上高は、前年比4.9%増の6兆1,500億円となり、金額ベースでは前年に比べ2,900億円の増加となった。マイナス成長を記録した1998年以来、16年連続して増加傾向が続き、直近10年の平均成長率は7.3%となっている。

 通販市場の成長要因として、1.楽天、アマゾン、スタートトゥデイ等、プラットフォーム系企業が牽引役となっていること、2.店舗系のネット通販の伸び、新商品、サービスのネット通販企業の参入による裾野の拡大、3.中小企業のネット通販への参入及び成長による裾野の拡大が挙げられる。

 通販業界は伸びつつあるが、2016年4月の総売上高は減少している。要因は、4月というのは、進学や就職等で新しいスタートを切る月であり、忙しい日々が続く。それがあり、日頃よりもECサイトを閲覧する機会が減るのではないだろうか。さらに、商品別をみると、ほとんどの商品の伸び率が減少している一方で、雑貨のみが増加している。それは、引っ越しに関係している。4月よりも前に引っ越したとしても、雑貨は引っ越しが落ち着いてきた4月中に揃える傾向があるだろう。新しい生活にも徐々に慣れてきた頃にまたECを利用する人が増えることを予想し、4月以降の通信販売市場の総売上高に期待したい。


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