AIが活用「できている」「できていない」人材が二極化 doda調査
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」は2026年4月16日、「AI活用実態と人材戦略に関する調査」レポートの第二弾を発表した。本記事では、同年3月に発表された第一弾の内容を含め、「小売・流通業界」に関連する項目を中心に紹介する。
調査概要
◆調査名称:企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査
◆調査方法:インターネット調査
◆調査期間:2026年2月25日〜2月26日
対象:従業員数501人以上、AIツールを導入・活用している企業において、人事もしくは採用にかかわる22〜69歳の担当者515人(IT通信、金融、メーカー、小売・流通、建設・不動産から各103サンプル)
◆出典:企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査レポート第1弾“求める人材の変化編“を発表(パーソルキャリア株式会社)
◆出典:企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査レポート第2弾“AI導入・活用と育成・評価の実態編“を発表(パーソルキャリア株式会社)
ルーティン業務の採用は減る見込み
AI導入・活用が進んだことによる、現在の中途採用人数への影響を聞いたところ、「変わらない」(41.2%)が最多となった。しかしながら「増えた領域がある(減った領域はない)」(14.2%)、「増えた領域と減った領域がある」(23.5%)、「減った領域がある(増えた領域はない)」(16.7%)の回答合計は54.4%に。半数以上の企業が、中途採用人数に「変化がある」と回答した。

中途採用人数が「変化する」と回答した企業を対象に、現在と今後3年以内における変化を質問。増えた・増える見込みがある職種領域は「データ・デジタル/IT企画系職種」が最多となった。
一方、減った・減る見込みがある職種領域では「定型・ルーティン業務中心の職種」が最多となり、次いで「バックオフィス職種」が続いた。

AI導入により任せる仕事内容が変化
AI導入・活用が進んだことで、若手社員(新卒入社3年以内)に任せる仕事内容が変化しているかを質問。「一部変わった」(43.7%)と「大きく変わった」(11.1%)の回答合計は54.8%となり、半数を上回った。
具体的な変化については「AIを活用しながら進めることを前提とした新しい業務が増えた」(44.0%)が最多に。次いで「教育・OJTの中で、AI活用を前提とした業務設計に変わった」(40.1%)、「アウトプットの量・スピードをより求めるようになった」(39.4%)と続いた。

AIツールなどの利用促進、使い方の共有や指導を担う人については「選任の推進担当・専門部署」が「小売・流通」業界ではトップとなった。

活用やスキルの差が生じやすい状況
自社社員について、AIが活用できている人・活用できていない人の二極化が見られるかを質問。「とても見られる」(20.6%)「やや見られる」(51.8%)の回答合計が72.4%を占めた。
その理由としては「各個人のスキル・能力の差」(65.7%)、「年代の差」(59.0%)、「学習意欲の差」(53.6%)が上位に挙がった。制度や環境を整えても、人による活用やスキルの差が生じやすい状況が浮き彫りになっている。

本調査結果について、doda編集長 桜井貴史氏は次のようにコメントしている。
「研修や評価制度といった仕組みを整えることに加え、AI活用によって成果が出ているものとそうではないものを把握し、どう向き合うかが、今後の企業の人材戦略において重要なテーマになっていくのではないでしょうか。(中略)“AI活用の差”が生まれている今だからこそ、成果につながる使い方を共有・評価していく姿勢が求められていると言えるでしょう」
AIを活用して成果を上げた経験や、組織を超えてAI活用・業務改善に取り組んだ経験を持つ人材への期待は、今後さらに高まっていくと考えられる。EC事業者としても、ツール導入にとどまらず、組織内での活用格差を前提とした育成や運用設計が求められるだろう。


