越境ECでは口コミで商品の信頼性が決まる!ベトナム市場進出成功のコツ
今、市場の拡大が注目されているベトナム。特に女性の社会進出などに伴い、美容やスキンケアに向けた取り組みも増えてきている。
このたびアジア向け化粧品口コミサイト「COSMERIA(コスメリア)」を運営する株式会社プラネティア(以下、プラネティア)と、ベトナムECモール「e-jan(いいじゃん)」の運営を軸に、物流、PR、顧客対応などワンストップでサポートを行うアーバン・コーポレーション株式会社(以下、アーバン・コーポレーション)が、共同でベトナム越境EC支援サービスをローンチする。詳細を、プラネティア 代表取締役 鎌形諭氏と、アーバン・コーポレーション 経営企画部部長 佐田心平氏に伺った。
親日家で、スキンケアにこだわる国民性。日本の化粧品が注目されている
ーープラネティアさんは「COSMERIA」という口コミサイトを運営されていますね。
鎌形氏:はい、弊社は2016年3月より東南アジアのモニターによる化粧品の口コミサイト「COSMERIA」を運営しています。お客様は国内の化粧品メーカー。海外でより認知度を上げたい、現地でプロモーションを展開したいというニーズにお応えして、15万人以上のモニターを使って口コミを広げるサービスを展開しています。モニター会員は香港、台湾、東南アジア各国など8カ国。とくにモニター登録が多いのは台湾とベトナムです。
ーーアーバン・コーポレーションさんは以前もご取材をさせていただきました。(過去記事:https://ecnomikata.com/original_news/23525/)その後の「e-jan」のアップデート情報について教えてください。
佐田氏:前回取材いただいたように、弊社はベトナムECモール「e-jan」を運営し、この1月6日にはさらにホーチミンに実店舗をオープンし、販売網を広げました。実際に日本の商品を触れるので本物志向の方々に人気となっています。
ーーベトナム市場にはどのような魅力があるのでしょうか。
鎌形氏:人口が約1億人にせまっており、働く女性の割合も多いので、市場が急速に拡大しています。ひと昔前はどちらかというと生産拠点のイメージでしたが、今は賃金も上がって消費の市場として注目されているため、日本以外の海外企業も進出してきています。
年収の伸びや人口の伸びを見ていくと、マーケット需要は確実に伸びて、アジア有数の市場になっていくことが予測されます。
とくに弊社では2016年から化粧品の口コミを広げていくなかで、ベトナム人の日本製品好きの傾向に注目してきました。
ーーベトナムの方の趣味嗜好などはどのような特徴がありますか?
佐田氏:そもそもベトナム人は親日家であり、品質の高い日本製品はブランド価値も高い。その根底には日本の会社や日本製品への信頼感があると思います。
またベトナム人の女性はしっかりとメイクするというより、素肌を生かしたナチュラルメイクの人が多い。とくに美白、毛穴ケアなど素肌をきれいにするための基礎化粧品を重視するため、質の高い日本の基礎化粧品への注目度は高いのです。
鎌形氏:現地には日本の大手ショッピングモール店舗があり、ブランドから安価なものまで日本と同じような化粧品のラインナップが販売されています。ベトナム製品、タイ製品、日本製品、などさまざまなものがあり、今は比較的安価なものがメインで売れていますが、日本の店舗が進出しているということは、この先日本製品が進出していく土台ができているということだと考えています。
口コミサイトと商品ページが行き来できるようになり、集客力やCV率がアップ!
ーー「e-jan」にはもともと口コミを強化していきたいというお考えがあったのでしょうか?
佐田氏:ユーザーが求める付加価値を探る中で、ベトナムでは非常にFacebookが盛んであることに注目しました。ユーザーが日本より1000万人多く、一般の人でも友達が1000、2000人いることも普通です。
その根底には友人からいい情報を集めるという習慣があります。購買においても、誰かが発信した情報、つまり口コミを重要視しているのです。
もともと「e-jan」のFacebookページでは約5万の「いいね!」を獲得していますが、さらにベトナム人のユーザーをたくさん集め、商品情報を発信していく必要があると感じていました。
そこで出会った「COSMERIA」のサービスは、まさに我々が必要としていたものでした。口コミがたくさん集まれば集まるほどに、ユーザーも本当は欲しい商品に出会いやすくなりますし、商品の露出が増えるので、出品企業様にも大きなメリットとなります。
ーー「COSMERIA」ではアジア各国にモニターさんがいらっしゃいますが、その中でも今回ベトナム市場へのサービス連携をした理由はどういったところにあるのでしょうか。
鎌形氏:弊社はこれまでベトナム向けに販促のサポートはしてきましたが、独自に販売したり、販路を開拓したりすることはできませんでした。そこできちんとした販路があり、輸出入の知識にもたけたアーバン・コーポレーションさんと提携することが、僕らのお客様にとってのバリューになると考えました。
佐田氏:具体的な施策としては、「e-jan」の商品ページを見たユーザーがそこから「COSMERIA」の口コミページにいけるようにし、買う前にリアルな口コミ情報をすぐにチェックできるよう、現在システム開発を進めています。また逆にユーザーが「COSMERIA」のサイトで口コミを見て気になった商品があれば、「e-jan」に移動してそのまま購入できるようにもします。
鎌形氏:この取り組みによって両ページからの集客力が上がりますし、各ページのCV率アップにも寄与できると思います。商品紹介という入り口から販売の出口まで一貫してご提供できるのが、今回の連携のポイントです。
悪い意見も貴重な評価。リアルな口コミ情報から自己判断して買う時代
ーー「COSMERIA」では口コミはどのように集めているのでしょうか。
鎌形氏:15万人いるモニターに無料で商品を使ってもらい、正直な感想をもらっています。年齢、性別、歳、肌質、肌の悩み、月間の化粧品への支出額なども把握していますので、ターゲットに合わせてセグメントを切ってモニタリングすることが可能です。
口コミはいい情報もあれば、マイナスの情報も入ってくるので心配される企業もいます。しかしマイナスの情報もひとつの貴重な評価です。「乾燥肌の私には合わなかった」「さっぱり系の肌感が好きな人には向かないかも」といった意見は情報に信用性を生み出します。
佐田氏:いい意見だけを紹介したいなら、インフルエンサーを使う手もありますね。しかしユーザーも「インフルエンサー=商売なんだな」と気づき始めています。ベトナムではインフルエンサーの最盛期から、マイクロインフルエンサーの浸透へ変遷してきたこともあり、いい情報だけを鵜呑みにするのではなく、マイナスの情報も見た上で、自分で判断して購入するという時代に入ってきています。
「e-jan」にもFacebook経由や、日本側へ直接「販売しているのは本物の日本製品ですか?」といった問い合わせがくることがあります。ユーザーが信頼できるショップかどうかを見る目は年々厳しくなっているのです。
「e-jan」ではリアルな口コミが見られますし、実店舗をオープンしているため、実際に商品を手にとって試すこともできる。これはユーザーの大きな信頼感につながると考えています。
ーー今後2社でどのようなサービス展開をしていきたいと考えていますか?
佐田氏:今後は「COSMERIA」との提携によって、口コミからの誘導や、実店舗でのプロモーション、体験会などを通じて、よりユーザーに商品のファンとなってもらう機会を増やしていきたいです。
鎌形氏:日本の化粧品をリアルに体験できる機会は現地からすると珍しいこと。それをきっかけに買ってくれるユーザーも多いと思います。そういう場を企業にご提供できるのも、今回の提携の大きな魅力のひとつだと感じています。
3月10日には、ベトナム市場の魅力が学べるセミナーを開催!
ーーベトナム越境ECはどのような企業におすすめでしょうか。
佐田氏:商品品質に自信があり、ベトナムで売ってみたいという化粧品系のメーカーさんに、ぜひご利用いただきたいです。
現地でしっかりしたルートで販売できることはもちろん、本当に届けたい思いや情報を、口コミを通して幅広く、ベトナム人ユーザーに届けることができると思います。
鎌形氏:実際に「COSMERIA」の口コミを使って、海外で大きく伸びた化粧品もあります。もともとは九州で地元の温泉にのみ卸していた美白クリームが、「COSMERIA」の口コミで人気に火がつき、台湾の有名なテレビショッピングで取り上げられるようになり、社内海外事業部が設立されるまでになった事例もあります。
プロモーションや販路がうまくフィットすれば、規模の小さな企業でも海外で売り上げを伸ばすことができます。その国にフィットする、よい商品を作っておられる企業様のサポートができればと思います。
佐田氏:3月10日には今回の提携サービスの詳細の他、ベトナム市場の魅力や可能性について学べるオンラインセミナーを開催します。
今回の取り組みについて初めて内容を公開する機会となりますので、是非この機会にご参加いただけると嬉しいです。
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