問い合わせをただ代行するだけじゃない。企業の成長に寄り添うオンライン接客とは?
EC市場の成長に伴い、運営企業の負担が大きくなる業務のひとつが顧客対応だ。コンタクトセンターを代行する業者は多いが、ただ依頼された顧客対応業務を請け負うのではなく、業務の効率化、顧客満足度の維持・向上、そして知識やノウハウの情報の資産化をすることが、企業の継続的な成長のために重要になる。
そのためのカスタマーサービスプラットフォームZendeskの提供、コンタクトセンター代行サービス「カスタマーサクセスセンター」(以下、CSC)を提供しているのが、株式会社ZeQ(ゼクー 以下、ZeQ)だ。
本記事ではCSCを利用するECサイト運営元の株式会社エクスプラス(以下、エクスプラス)藤本真悟氏とZeQ大山あずさ氏、福山大地氏にお話を伺った。
なぜ、オンライン接客が必要なのか
藤本氏:弊社サイトでは、コレクタブルな商品というのをコンセプトのひとつに、クオリティの高い商品をお届けすることをモットーにしています。お客様は30~40代とやや年齢層が高い男性が中心になっています。
2019年9月から、エクスプラスではメール・電話対応についてCSCを利用している。
ZeQがサービスを提供する上で重視しているのが、サービスを通じて利用企業の成長を促進することだ。
福山氏:オンライン上での取引が急増する今、メール・チャット・SNS等の様々な問合せによる互いの顔の見えないコミュニケーション、すなわち「オンライン接客」の需要が高まっています。
弊社は企業様とともに課題解決や目標達成につながるオンライン接客を構築し、企業様のさらなる成長を促進していきたいです。
EC運営企業がオンライン接客に取り組むきっかけとして多いのが、問い合わせ
が増えてきて手が回らなくなってきたタイミングで、顧客対応を自動化したいという相談だという。
またファックスや電話がメインの顧客対応から脱却して業務の効率化をはかりたいという場合も、CSCが役立てるという。
大山氏:オンライン上でのやり取りに切り替えることにより、顧客対応を自動化・効率化できます。たとえば、ファックス注文をフォームにすることによるぺーパーレス化、人が対応しなくてもよい簡単な質問の回答はチャットボットで対応、FAQの充実などにより自己解決していただき、問い合わせ自体を減らす仕組みがそれにあたります。
弊社ではお問合せを代行するだけでなく、企業様の課題を解決することを重視しています。
ZendeskとCSCによりもたらされた変化
エクスプラスがサービス導入を決めたのも、ZeQならではの提案があったことが大きかった。
藤本氏:ここ数年、売上に比例して問い合わせ件数も増えており、自分たちだけでは対応しきれなくなっていたため、顧客対応の代行業者さん何社かとお話ししたのですが、業務を代行するだけでなく、システムを使った効率化の提案をしてくださったのがZeQさんでした。問い合わせが今後さらに増えたときのことまで想定した提案に共感でき、お願いさせていただきました。
Zendesk導入によって大きく変わったのが、それまで顧客対応に費やしていたリソースを他の業務に割けるようになったこと、そして、属人化されていた情報が誰にでも共有できる状態になったことだった。
藤本氏:自分の頭の中にはあったものの共有ができていなかった情報を、Zendeskを活用してFAQを蓄積していくことで、業務が効率化されました。
たとえば、問い合わせが来た時点でカテゴリ分けとタグ付けがなされ、対応する文章が探せるようになったり、お客様ごとに過去にどういった問い合わせをされたかがすぐに分かるようになったりしました。
自分たちでは思いつかなかった効率化の方法を、ZeQさんから提案していただけるのも大きいですね。問い合わせはチケットという形で管理しているのですが、それらを分析していただいて、こうしたほうが効率が良くなるのではないかなど、色々とご提案いただいています。
ZeQとしても、エクスプラスへのサービス導入に際して、属人化が大きな課題として感じられたという。
福山氏:藤本さんの頭のなかには顧客対応に関する情報がすべて入っているのですが、それを文字に起こし、フロー化してまとめることがまず必要でした。そうやってどのオペレーターでもある程度対応できる環境を整えたうえで、よくある質問に対する対応を定型化したり、FAQとして記事にしたりしました。
自動化・効率化だけでは叶わない「ホスピタリティ」の担保
自動化・効率化を進める一方で、エクスプラスが大切にしているのが、顧客がその対応を受けたときにどう思うか、というところだ。
福山氏:自動化・効率化を進めても、お客様に快く思っていただけないと、本当の企業の成長には繋がりません。お客様の満足度を下げないことが重要です。お客様目線を大切にして、お客様がどう思うかという意識を持って問い合わせ対応の設計をおこない、個々の対応・ホスピタリティが求められる場面では、人が丁寧に対応するようにしています。
顧客対応の代行を依頼する際、藤本氏が不安に思っていたのが、エクスプラスではコレクタブルでニッチな商品が強みであるがゆえに、商品知識がないと適切な対応が難しいのではないかということだ。
ZeQでは、Zendeskの機能を活用しながら、情報共有を丁寧におこなうことで解決していった。
福山氏:想定できる質問に対しては、あらかじめエクスプラス様から情報を頂くようにしています。弊社でお答えするのが難しい質問に対しては、Zendeskのチケット機能を活用してエクスプラス様に逐一確認を取り、緊急性の高い件は、別途Slackでやり取りをするなどしてコミュニケーションを密にとっています。
海外からの問い合わせについてもZeQで対応を行っており、情報共有を徹底している。
藤本氏:海外にも熱いファンがいてくださって、たとえば新作の発売日の問い合わせなど、海外からの問い合わせも少なくありません。
ZeQさんには商品情報や発送時期、イベント情報、どこまで情報を解禁して良いかなどをすべて共有しています。
福山氏自身、エクスプラスのフィギュアを実際に見て、それを購入する人の気持ちにとても共感できたという。
福山氏:エクスプラスで扱っている商品は、本当にすごくクオリティが高くて、かっこいいんです!
だから、お客様が細かなところまでこだわりを持って問い合わせをされる気持ちは、よく分かります。弊社も商品について日々勉強をしていますが、それでも追いついていないところは出てくると思いますので、そういうときにはエクスプラス様にすぐ相談できる体制を整えています。
企業のさらなる成長につながる顧客対応を
福山氏に限らず、ZeQにはお客様の立場に立って考えることの得意な人材が集まっている。
大山氏:弊社の従業員はオンライン接客のプロです。そして皆が利用企業様のことを好きになりたい。企業様のサイトを利用するお客様の目線も知っておきたいと、実際に商品を購入することも多いです。だからこそ細かな課題に気づくこともできます。利用企業様に、属人的な部分から脱却していただき、本来やるべきことに集中していただきたい。
それが弊社にとってのカスタマーサクセスだと考えていて、情熱をもって業務にあたっています!
藤本氏:たしかに、それはZeQさんがほかの業者さんと違ったところですね。商品に対する知識や情熱がないところにお願いしても、対応の質が下がっていく一方だと思うんです。そこを改善していく姿勢があったのが、ZeQさんに安心してお願いできたところでした。
大山氏:問い合わせを代行するだけでは、根本的な解決にはならないんですよね。CSC委託を解除したときに、何も財産が残らないという状態には絶対にしたくない。Zendeskの契約を継続していただければ、環境情報と自動化したシステムは残りますので、そのままご利用いただけます。
ZeQのサービスを利用したことで、エクスプラスとしては、今後のさらなる成長が考えやすくなっている。
藤本氏:今後、直販サイトをもっと強化して、さらにいろいろな人に使っていただきたいと考えています。越境サイトも更に広げていきたいです。そのためにも、顧客対応の自動化を推進することは課題です。チャットボットなどお客様で自己解決していただけるような取り組みも考えています。販路を広げた分、問い合わせも増えることが予想されます。そこに対応できる仕組みが必要になりますので、ぜひとも取り組んでいきたいです。