【第6回】女性の私がおじさんに、女性の気持ちが分からないと言われた日。

最終更新日:

近藤 真由香

ヒラ営業の私が東証一部上場企業で事業部を作った夢みたいな話。第6回です。 ヒラ営業の私が東証一部上場企業で事業部を作った夢みたいな話。第6回です。

-------------------------------------
2013年・・・Eコマース関連の業務経験ゼロ。PLも分からない。

ヒラの広告営業だった29歳の私が、東証一部上場企業で新規事業を立ち上げ、現在、事業部になるまで事業拡大することができた。夢みたいな話。
-------------------------------------

こんにちは、近藤です。コラム連載も第6回になりました。

本当にゼロからのスタートだった事業も、今では、売上12億超え、メンバー20名超えの組織となりました。事業計画、戦略策定、PL管理、人材採用、組織マネジメントなど、、、、事業の運営に必要なことを、たくさんゼロから経験しました。

今に至るまでに、私が経験した、数々の失敗や苦悩、一握りの成功や喜びや、学んだことを、このコラムで共有させて頂くことで、日々忙しく業務に追われている皆さまにとって、ひと時の気分転換になったり、時には共感頂いたり、少しくらい参考になったりすると嬉しいです。

今回は、はじめて出来た部下とのお話です。

◆告知◆
5/24にECのミカタカレッジさんでセミナーを開催させて頂くことになりました。

『後発参入でも成功する通販事業の始め方。やり直し方。』(仮)

詳しくはコチラをご参照ください。
https://ecnomikata.com/seminar/21877/

前回のお話・・・

プロジェクトの認可をもらった私は、「安心安全に可愛くなれるカラコン通販」を作るべく、各社や業界の先輩方にお話を伺いながら、サービス開始に向けて動き始めました。

まずは仲間を増やさないと・・・

プロジェクトとして部署はできたものの、まだ一人です。まずは仲間を増やさなければいけません。

私は、前職で新卒採用の先輩面談くらいしかやったことがなく、採用面接や、そもそも募集なども経験がありませんでした。とはいえ、採用も自分で行うという、ほんとにゼロからの事業立ち上げ、、、><

ということで、人事に募集をかけてもらいました。

応募が来る書類を見て、経験などから選考を行い、2名面接をしました。

はじめての中途採用の面接官

経験がないので、テクニックも知識もありませんから、

<一緒に働きたいと思えるかどうか>
<ECに詳しいか>
の2点で判断することにしました。

二人三脚でサービスリリースからのサービス拡大をしなければならないので相性は大事です。そして、私はEC未経験者ですから、ECに詳しい方と一緒にやりたかったのです。

結果的に2人と面接をして、1人を選びました。前職で通販を運営していた女性です。

過去には女性誌の編集経験もありセンスが良くて、かつEC経験もあるということで即戦力でした。

面接では、私がECのことを詳しく聞きすぎて、1時間半も話し込んでしまいました。お互いに、良いマッチングな感じがしていましたので、そのまま2次面接へ推薦し、役員&社長面接も通って、無事採用となりました。

やっと、仲間が1人増えました!

他にも仲間を増やした

他にも仲間を増やしたまず最初の仲間が増えました!

まずは、社員2名体制ですすめました。

企画の詳細を詰めたり、開発会社・倉庫会社様を選定したり、社内の品質保証部門や経理部門とのすり合わせなどを行います。さらに、カラコン通販OPENまでには、WEBデザイナー、コーダーの役割を担ってもらう人が必要でした。それは、派遣会社様から紹介頂くことにしました。

そして、OPENまでに短期的ではあるのですが、簡単なデザイン制作が必要でした。カラコンの販売には、各メーカー様から頂く画像に加え、サイズ違いなど独自の画像が必要だったのです。比較的簡単な業務ではあるのですが、商品のカラーごとに必要なのでかなりの量が必要でした。それは以前、広告営業時代にお世話になったデザイン学校様にご協力頂き、募集をかけていただいたところ、4名の生徒さんが協力して下さることになりました。

彼・彼女たちは学生ながらフォトショップなどが使える事はもちろん、若い感覚で、カラコンのレビューなどにも協力してくれました。

ということで、ディレクターの社員、デザイナーの派遣さん、WEBデザインアルバイト4名、リーダーの私、という布陣で、サイトOPENを目指します。1名から、7名ということで、仲間が増えました。気分は桃太郎です。

忙しさのあまり、、、ディレクターが大爆発!!

それから、サイト企画の詳細をつめたり、発送業務委託先を探したり、社内調整をしたりなど、私とディレクターの社員2名で進めて、派遣さんとバイトさんに手伝ってもらうという感じでした。

ディレクター(A子さん)からの相談に対応、全体の進捗を把握、、、、ルーティンなどはなく、すべて初めてやることで、頭は常にフル回転!嵐のような日々でした。

そんな中、いつも通りA子さんからの相談に回答していたら、A子さんが大爆発したのです。

唯一の仲間が爆発してしまいました。

A子さん「近藤さんは私の気持ち分かってくれない!!私は近藤さんとは違う!」
近藤心の声(え・・・毎回ちゃんと話を聞いて回答してきたケド。。。。)

私としては、彼女の相談に対し、日々細かく対応して、一生懸命対応策をひねり出して提示して、解決してきたつもりだったのですが、まさかの言葉でビックリしました。

新規事業ですし、もちろん大変なのは重々分かっています。

大変さが彼女の許容を超えてしまったのだと思うのですが、私としては「やるしかない」という状況において、「やらなくても良い」とは言えないので、彼女に対し、どうして良いか分かりませんでした。


女性の気持ちが分からないとオジサン言われる屈辱・・・

この状況について、当時の上司(現社長)に相談しました。

近藤 「A子さんの相談について、私なりに細かく対応してきたつもりなのですが・・・彼女が爆発してしまいました」
上司 「どんな風に、いつもA子さんと話してた?」
近藤 「A子さんの日々の相談について、問題の解決策を考えて、伝えていました」
上司 「うーん・・・近藤さんは女の子の気持ちが分からないねぇ」
近藤 (・・・え。私、女性なんですけど。おじさんに言われるなんて・・・)
上司 「A子さんはね、大変な話をただ共感して欲しかったんじゃない?」
近藤 「相談したのに、解決策が欲しくないですか?」
上司 「女の子はね、聞いてくれただけで気が済む場合がけっこうあるんだよ」
近藤 「・・・え。・・・なるほど。私は少数派ですか。。。」

男性の上司に、女性の気持ちが分からないと言われてしまいました。

私は、特に仕事においてですが、相談したのに意見や解決策を明示しないというのは不親切だと思っていました。なんというか、親身でないし建設的でないと思っていたのです。

私としては、仕事で困っていることを、誰かに相談したときに、「そうなんだ~。大変だね。」だけ言われてアドバイスも何もなかったら、「助けて欲しいのに、何もしてくれないんだ。。。」と寂しくなってしまいます。

やはり、A子さんと私ではその感覚が違ったようです。

同士だと思っていたら「部下」だった

「共感」という視点が抜けていただけでなく、私が根本的に、認識を間違っていたことがありました。

A子さんは“パートナーではなく部下”だったのです。

歳も近かったので、「同士」みたいな感じで思っていて、同じモチベーションで頑張ろうよ!という感じで接していたのがそもそも間違いでした。

「パートナー」と思って接していたら対等な感じで、相談に対して解決策で返事をすれば良いのですが、「部下」と思ったら傾聴やモチベーションのフォローも必要でした。

前職ではチームリーダーの経験はありましたが、ベンチャーですし部下というより後輩みたいな感じでチームでわいわいやっていて、明確に組織としての「部下」を持ったことはありませんでした。それで、このような認識の違いが起こったのです。

私の気持ちを分かってくれない!の真相

A子さんと話をしました。やはり、上司の言うとおりでした。A子さんは、私が解決策を提示していたため、A子さんの大変さが分かってないと思っていたそうです。

私としては、同様の日々を過ごしていますのでA子さんの大変さは分かっており、当たり前すぎてその「共感」部分を飛ばし、解決策を提示することに一生懸命になっていた旨を伝えました。

おかげさまで誤解が解け、無事に関係修復できました。

私としても新規事業という負荷が高い状況の中、部下のマネジメントもやらなければならないということで、より大変ではあったのですがマネジメントを学ぶ良い機会となりました。

無事、関係修復できました。

とはいえ、女性の私がおじさんに女の子の気持ちが分からないと言われたのは屈辱的でした(笑)

さて、サイトOPENに向けて邁進する私に起こる次のハードルは何か。
次回に続きます。

告知

★1つ目★

私がカラコン通販をゼロから立ち上げた時に、どのように事業計画を立てたのか、セミナーを開催させて頂くことになりました。

5/24です。ご興味のある方は、是非お越しいただければと思います。

詳しくはコチラをご参照ください。
https://ecnomikata.com/seminar/21877/

★2つ目★

フリューカラコン事業部では、一緒にカラコンECを拡大してくれる仲間を募集しています!

詳細は、フリュー株式会社コーポレートサイトまで。


ECのミカタ Conference 2025

著者

近藤 真由香 (MAYUKA KONDO)

香川県高松市出身  趣味はバレエ
早稲田大学 人間科学部卒

2007年 株式会社サイバード 入社
    モバイル広告代理店事業のスタートアップ部門に配属
    モバイル広告黎明期より、営業・メディアプランナーとして従事
2011年 フリュー株式会社 入社
    自社メディアの営業として従事
2012年 新規事業計画を経営会議でプレゼン
2013年 カラーコンタクト通販の部署を作る(ECプロジェクト始動)
2015年 カラーコンタクト事業が部に昇格
2018年 カラーコンタクト事業が事業部に昇格

【通販サイト】
カラコン通販 Mew contact(ミューコンタクト)
https://contact.mewshop.jp/

カラコン全品即日発送 Rapid contact(ラピコン)
https://rapicon.jp/

近藤 真由香 の執筆記事