越境EC・インバウンドビジネス成功の鍵を握る「対話型ショッピング」とは

CM.com Japan株式会社

越境EC・インバウンドビジネス成功の鍵を握る「対話型ショッピング」とは

対話型のオンラインショッピング、カンバセーショナルコマース(Conversational Commerce)はLINE、Facebookメッセージャー、WhatsApp、Wechatなどのメッセージングアプリの普及によって加速しています。日本ではLINEユーザーが多いことから、店舗やブランドの公式アカウントとしてはLINE公式アカウントが主流となっていますが、海外ではWhatsApp Business(ワッツアップビジネス)やApple Business Chat(アップルビジネスチャット)が注目されています。日本企業でも、海外消費者をターゲットにした越境ECやインバウンド事業者はこれらのメッセージングアプリを無視することはできません。本コラムでは、なぜチャット形式の買い物や予約が消費者に好まれるのか、その背景と海外の事例を紹介していきます。

海外顧客とのコミュニケーションにはWhatsApp Business(ワッツアップビジネス)とApple Business Chat(アップルビジネスチャット)

LINE、Facebookメッセンジャー、WhatsApp(ワッツアップ)、WeChat(ウィーチャット)などのメッセージングアプリが浸透したことで、オンラインショッピングのあり方も大きく変わってきました。海外では消費者とお店が連絡を取り合う時は、電話やEメールではなく、WhatsAppやWeChatを始めとしたLINEのようなメッセージングアプリが使われています。

特に2020年、インバウンドや越境EC事業者が注目すべきメッセージングアプリは、WhatsAppのWhatsApp Business(ワッツアップビジネス)とAppleのApple Business Chat(アップルビジネスチャット)です。

これらはLINE公式アカウントのように、事業者は店舗、ブランド、企業として公式アカウントを開設でき、ユーザーと通話やメッセージが可能となります。(※LINE公式アカウントと異なり、WhatsApp BusinessやApple Business Chatでは、一方的なマーケティング広告配信はできません)

WhatsAppはユーザー数15億人以上の世界最大のメッセージングアプリで、ヨーロッパ・ロシア・中東・東南アジア・南アメリカなど世界中で利用されています。その一方でLINEのユーザー数は約2億人、主に日本、タイ、台湾、インドネシアの4カ国でしか使われておらず、WhatsAppとの市場規模の差は一目瞭然。

Apple Business Chat(アップルビジネスチャット)はiOSに標準搭載されているメッセージアプリケーションで、消費者から企業と接点を持つことで会話が始められます。テキストでのやり取りだけではなく、Apple Pay(アップルペイ)を使った買い物も可能です。

Eメールはほとんど読んでいない外国人消費者をターゲットとしたビジネスでは、WhatsApp Business(ワッツアップビジネス)やApple Business Chat(アップルビジネスチャット)の利用が不可欠となってくると言えるでしょう。

このような背景から、海外では既にお問い合わせ窓口はコールセンター、フォーム、Eメールからメッセージングアプリへ移行し、今ではリアルタイムで消費者とやり取りが交わされています。そしてメッセージングアプリの導入により、消費者はまるで実店舗で買い物をしているかのような体験ができるようになり、インターネット上での商品購入率が格段に上がりました。

LINEやWhatsAppなどのメッセージングアプリを活用した会話型のオンラインショッピングを「カンバセーショナルコマース(Conversational Commerce/会話型コマース)」と呼びます。実は海外では2016年から注目されており、多くのEC事業者が消費者とのコミュニケーションツールとしてメッセージングアプリを導入しています。日本でもカンバセーショナルコマースが2019年の注目キーワードとされ、関心が高まっています。

まずは問い合わせ先窓口にメッセージングアプリを追加する

カンバセーショナルコマースを実現させるためには、まず何から始めたら良いのでしょうか。いきなり消費者からのありとあらゆる質問をメッセージングアプリに集約し、リアルタイムで対応するのはハードルが高い、そう感じる事業者は少なくないでしょう。また、日本ではまだチャット型のオンラインショッピングが浸透していないため、既存の問い合わせ窓口を残しておきたいと思う企業も多いでしょう。そのような不安や懸念をお持ちの事業者や企業におすすめしたいのが、既存の問い合わせ窓口に必要なメッセージングアプリを新たに追加することです。

同時によくある質問への受け答えをチャットボットとして事前に設定することで、消費者をリアルタイムで誘導することができます。チャットボットでは解決できない質問だけをスタッフに転送するようにすれば、問い合わせ窓口のスタッフの負担の軽減にも繋がります。

ここで事例を2つご紹介します。いずれもWhatsAppを問い合わせ先として追加し、追加前と比較して問い合わせ件数が増え、顧客満足度を向上させたケースです。

【事例1:オンライン旅行予約サイト】
南アフリカのオンライン旅行サイトTravelstart(トラベルスタート)は、お問い合わせ先としてWhatsAppを追加しました。これによりWhatsApp からのお問い合わせが増えただけではなく、チャットアプリ特有の手軽さや気軽さが、電話やEメールでは実現できなかったよりパーソナルな対話を可能とし、顧客満足度を上げることに繋がりました。

【事例2:ラジオ局】
同じく南アフリカにあるクラッシクやジャズに特化したラジオ局Fine Music Radio(ファイン・ミュージック・ラジオ)も、Facebook、TwitterといったSNSアイコンの横にWhatsAppを加えました。リスナーからメッセージングを受け付ける窓口を増やしたことで番組が受けるメッセージの数が増え、インタラクティブな番組に成長することができました。

テキストによるやり取りは顧客満足度を向上させる

こうした流れの背景にはLINEやFacebookメッセンジャー、WhatsAppなど、メッセージングアプリが生活の一部となってきたことが挙げられます。プライベートだけでなく、ビジネスのやり取りですらチャット形式が主流になり、テキスト(文字)であっても「会話をしているような」コミュニケーションが当たり前になってきています。

チャット形式のコミュニケーションが公私共に主流になっている一方で、お店や企業への問い合わせはいまだに電話、お問合せフォーム、Eメールでしかできないところが多いのが現状です。

しかし、消費者目線では電話は繋がりにくく、受付時間が限られていて不便。メールはいつでも送れるが、返信がいつ来るか分からない。返信があったとしても自動的に迷惑メールに振り分けられてしまう恐れがあります。つまり、電話やEメールは消費者の時間を奪い、不満を煽り兼ねない、お問い合わせ窓口なのです。

その反面、テキストによるチャットは電話ほど相手の時間を拘束することがなく、メールほど相手を待たせることがありません。時間を奪われるストレスがないと分かれば、消費者は気になったことを積極的にお店に質問するようになり、その行動が消費に繋がっていくでしょう。

また、消費者から寄せられる質問やメッセージは企業の成長にとって有益な情報となり得ます。メッセージングアプリを導入する事業者は、収集した情報の活用についても視野に入れておくと良いでしょう。

同一アプリで完結させたい消費者ニーズ

年々便利なアプリが増えており、コミュニケーションアプリだけでも何種類もあります。家族や友達と連絡を取る時はLINE、仕事はビジネスチャットツール、お店やレストランはEメールや電話などと、相手別にアプリを開いて連絡を取っています。

もし、お店やレストランと普段使うメッセージングアプリで連絡が取れるようになれば、消費者にとって便利になることは言うまでもありません。将来的にはお問い合わせだけではなく、購買から決済、アフターサービスまで同じ場所(ツール)で完結できれば、消費者にこれまでにないストレスフリーな購買体験を提供することができるでしょう。

まずは消費者が最も使うメッセージングアプリで連絡を取れるように窓口を増やし、同一アプリでコミュニケーションを完結したいと願う消費者ニーズに応えていくことが先決です。

海外消費者にリーチするメッセージングアプリを使おう

消費者と企業の双方に利益のあるカンバセーショナルコマースは、すでに海外では様々な形でマーケティングに使われています。メッセージングアプリは、日本の若者だけでなく、チャットボットを活用することで言語の壁のある外国人とのコミュニケーションに役立ちます。

CM.comはWhatsApp Business(ワッツアップビジネス)、Apple Business Chat(アップルビジネスチャット)、Facebookメッセンジャー、SMS(ショートメール)など、様々なメッセージングツールを用いて顧客と対話できるサービスを提供しています。

それぞれのビジネスアカウントの開設から管理画面の発行までワンストップで対応し、対話への準備のお手伝いをさせていただきます。また、弊社の管理画面は複数のメッセージングアプリを一元管理できるため、いくつも管理画面を契約したり、何重に開く必要がありません。

加えて、弊社の技術でチャットボットを設定することも可能です。想定される質問と回答をご用意いただければ、貴社専用のチャットボットが完成します。質問と回答テキストの作成は弊社もサポートいたしますのでご安心ください。

チャットボットの他に、メッセージやコンテンツの多言語化にお困りの場合は弊社と提携している制作会社がサポート可能です。メッセージングアプリを使ったカスタマーコンタクトにご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。実際の管理画面を使った配信のデモンストレーションやランディングページ作成機能などを弊社セールス担当が個別にご紹介いたします。


著者

CM.com Japan株式会社 (CM.com Japan K.K.)

1999年オランダで設立し、SMS配信・SIPトランク、コミュニケーションアプリへのメッセージ配信などマルチチャネルメッセージングツールを単一プラットフォームで提供。RCSではGoogleとのオフィシャルメッセージングパートナーとして実装開始。WhatsAppをはじめ、Telegram、Takeaway.com、 ラボバンク、KLMオランダ航空等30,000社以上の顧客にサービスを提供。

https://www.cmtelecom.jp/