費用対効果を高めるためのLINE活用とは?[前編]

松元由布子

2023年6月からLINE公式アカウントの料金プランが改訂されることを受けて、顧客とのコミュニケーション設計を見直すことを検討する企業も多いのではないでしょうか?(※1)
顧客とのコミュニケーションにおいては、単に配信コストを減らすことだけでなく、いかにユーザーのエンゲージメントを高め、売上につなげるかという視点が重要です。
この記事では、コスト・機能を中心にSMS・ネイティブアプリとLINEとの比較をしつつ、費用対効果を高めるためのLINE活用について、前後編で紹介していきたいと思います。
※1 出典:LINE for Business「【重要】LINE公式アカウント 料金プラン改定及び日割り廃止のお知らせ」
https://www.linebiz.com/jp/news/20221031/

【前編】
・SMSはLINEの代替えになるのか?
・配信コスト対策+売上に効く「LINEのセグメント配信」
【後編】
・セグメントを決めるユーザーデータ
・自社ECのアクティブ層に次の購買行動を促すセグメント配信を行う方法

SMSはLINEの代替えになるのか?

アプリダウンロードなしで携帯電話番号情報をもとに幅広くリーチでき、ポップアップ通知で開封率も高いことから、LINEと比較されることも多いコミュニケーション手段の一つにSMS(ショートメッセージサービス)があります。

海外、特に米国では、通知以外にもチャット形式でのカスタマーサービス等、企業がSMSをマーケティングツールとして活用することも多くなっているようです。

※参考文献:株式会社プリンシプル「いまアメリカではSMSマーケティングが伸びている【米国トレンド】

一方、日本国内においては、LINEが企業とユーザーとのコミュニケーション等、マーケティングチャネルとして幅広く活用されているのに対し、SMSは「認証」や「リマインド通知」など、”テキストメッセージで重要な情報を届ける”用途で企業からユーザーへの一方通行の通知で利用されることが多いのが現状です。

これは、米国ではSMSが友人とのやりとりなど一般的なコミュニケーションに広く活用されているのに比べ、日本ではそこまで生活に根付いていないことも関係していると考えられます。

日本国内におけるSMSの主な利用用途
・アプリやWebサービスへの認証にワンタイムパスワードを送信
・支払いや決済、督促、その他手続きのリマインド通知
・発送通知
・予約のリマインド通知
・アンケート収集

次にコスト面でLINEとSMSとを比較してみます。

企業がSMSを導入するにはSMS送信サービスを利用するのが一般的です。
この場合、SMS送信サービス利用料に加え、1通あたり8~15円程度の配信コストがかかります。

※参考文献:ユミルリンク株式会社 cuenoteブログ「法人向けSMS送信サービスの選び方とは?徹底解説【2022年最新】

LINE(※2)では、ライトプランだと1通1円(5000円/5000通)、スタンダードプランだと1通0.5円(1万5000円/3万通 ※追加メッセージ~3円/通)となるので、配信コストだけの単純比較だと圧倒的にLINEの配信コストが低いことがわかります。

※2 出典:改訂後のLINEの料金プラン

プッシュ通知という点では、ネイティブアプリもありますが、やはりアプリインストールのハードルが高くライト層との接点がとりづらいというデメリットがあります。

スターバックスでは、LINEはより多くの接点を作れるというメリットを活かし、ネイティブアプリはロイヤルカスタマー向け、LINEはライトカスタマーにむけたスターバックス体験の入り口という位置づけでネイティブアプリとLINEを併用して成果をあげています。

出典元:スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

出典元:LINE株式会社

これらのことから、やはり日本においては配信可能な情報のリッチさ、コスト面、ユーザーへの浸透度、リーチ率の高さいずれにおいてもコミュニケーション手段としてのLINEの優位性は高く、引き続き企業とユーザーとのコミュニケーションに、LINEはマスト施策といっても過言ではありません。

その上で配信コストを見直しつつ効果を高めるためには、ユーザーの興味関心やニーズにあわせた情報を届けるLINEの”セグメント配信”をうまく利用することが有効な手段だといえます。

配信コスト対策+売上に効く「LINEのセグメント配信」

セグメント配信とは、例えば、年齢・性別などのユーザー属性や行動データをもとにユーザーを分類し、ユーザーの興味関心やニーズにあわせたメッセージ配信を行うことをいいます。

セグメント配信によって、配信コストを抑えるだけでなく、ECサイトでの購入などユーザーのアクションやリピート利用につなげることが費用対効果を高めることになります。

今回はここまでです。後編では「セグメントを決めるユーザーデータ」「自社ECのアクティブ層に次の購買行動を促すセグメント配信を行う方法」についてお伝えします。


著者

松元由布子 (Yuko Matsumoto)

ソーシャルログイン・ID連携サービス「ソーシャルPLUS」のマーケティング担当。2015年にフィードフォースに入社後、ブログメディア編集長としてコンテンツマーケティングに従事。2022年6月よりソーシャルPLUSに転籍し、現在に至る。会員IDとプラットフォームのID連携により、CV導線の簡略化から、友だち追加の促進、会員情報に応じたセグメント配信まで顧客体験を豊かにするためのLINEのCRM施策をご提案。

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